歯科医院コロナ感染ゼロの理由|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

歯科医院コロナ感染ゼロの理由

 社会は、新型コロナウイルス感染症への対応に依然として戦い続けている。中でも歯科は、マスコミ報道で①他の人との接触、②物理的近接性、➂病気と感染症への暴露という3つの観点からリスクを算出して、「コロナ感染のリスクの高い職業は、歯科医師・歯科衛生士」、「歯科医院はハイリスクの場所」なる報道があり、そのイメージを与えられていた。そのことで、歯科医院への感染イメージが作成されたことは事実であり、関係者に不満・困惑を与えていた。日本歯科医師会でも、HPなどで必死に正しい情報を発信したり、各地域歯科医師会でも工夫して患者・住民に理解を求めていた。

しかし、こうした社会状況で推移しながらも、“歯科医院から感染者がゼロ”という事実に、驚いている声もある中で、日刊ゲンダイ(113日)では、小林隆太郎・日歯大教授(日歯大附属口腔外科)の解説を含め、感染者ゼロの理由を平易に説明した記事を掲載していた。

冒頭は、米国金融出版社「GOBankingRates」が各職業のコロナリスクを算定した数字を示しながら、上位から歯科衛生士、歯科医師、開業医、正看護師、放射線技師、内科医、救急隊員と紹介。これに対して小林日歯大教授は、「患者さんの中には、歯科診療所の受診を抑制したが、歯科診療を介しての感染は(1020日時点)一例もありません」と明言。そのデータについても「これは、労働統計局のデータに基づき、どれだけの人と近接する仕事か、他人とどれだけ接近して行う仕事か、仕事中で危険にさらされる頻度をみたもで、人と近接する仕事として気を付けて下さいというメッセージだと捉えている」と説明した。

その上で、コロナ感染が起きてない理由について、やはり“消毒の徹底“であると強調している。「オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)による滅菌の施行、消毒アルコール次亜塩素酸ナトリウムによる消毒の習慣が、このコロナ感染症が発生する以前から、歯科は当然のように行うのが身に付いていたこと」とし同時に、医療従事者に対して院内感染防止の正しい知識を得る研修会の実施、受講の促進など歯科医院として実施してきたことを指摘していた。

また、一部で注目されている、「コロナでも症状がない人が多い」との漠然とした指摘には、ベルン大学の79研究、6616例のメタ解析を紹介。「無症状のまま経過する割合は20%、症状が出現する割合は80%。結局、無症状者は、インフルエンザよりやや多いということになる」とした。続けて、日歯大で現在実施している対応策として、患者の体調、味覚・収穫の質問、平温より1度以上高い場合は、体温時上昇を発熱と捉え感染者見つける努力をしている。さらに、“定期的な室内換気、空設備より換気の方が発症リスクを下げる”、そして、密集・密接の回避に努め万全な態勢で臨んでいるとした。

なお、「歯周病と全身の重症疾患の関係が報告されており、歯科は定期的、継続的管理が重要。特に大切なのは軽症者で、自分は歯周病ではないと思っていてもケアが必要。重症化予防をする必要があります。継続的に口腔内の衛生管理をすることが健康寿命につながります」と要旨付随説明として以上のコメントを述べていた。今回、取材を受けて対応した小林日歯大教授は、日本歯科医学会総務理事の要職に就いているが、歯科界として歯科団体役員、大学研究者、開業医などから対外メッセージの発信は、重要であり繰り返ししていくことが有効な方法でもあるようだ。