女性初の性歯科医師“高橋コウ”誕生130年|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

女性初の性歯科医師“高橋コウ”誕生130年
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NHK放映“女性初の弁護士”:女性初の性歯科医師“高橋コウ誕生130

 

4月からスタートしたNHK連続テレビ小説は、女性初の弁護士になった3人をクローズアップ。当時、明治大学は女性の法曹の育成を目指した専門部女子門部を創設しており入学。さらに法学部に編入。そこで学んだ三淵嘉子、中田雅子、久米愛子が、同時に女性初の弁護士になった。その中で三淵女史をクローズアップし、まさに男性社会の法曹界で道を拓き弱い立場にある子供・情勢を救うために闘った人生を伝える内容である。医療界で女性初となれば、医師・荻野吟子が有名であるが、歯科医師を想起しても名前が浮かばない。日本歯科医史学会会誌(1号通巻9号・昭和595)の「日本における婦人歯科医の誕生ー高橋コウ女史をめぐってー今田見信」を参考(詳細は省略)。当時の歯科医術を学んだ環境・人間関係から確かに歴史は刻まれていた。歯科医療という特性から、社会に大きな貢献・実績を残し明記するものはなかったようだが、歯科界の歴史を歩んだ一人である。時代が“女性の社会進出”の促進、“男女差別”の撤廃などを進める趨勢にある今日、まして歯科医療に女性歯科医師の参入の増加傾向は一目おかれておいる。

 

昨年10月に、日本私立歯科大学協会(会長=羽村晃・日歯大教授)がプレスセミナーを開催。女性歯科医師のキャリアアップがテーマになったが、講師は水田祥代・福岡学園理事長(福岡歯科大学)。女性歯科医師の進出に期待しているが、水田理事長自身が女性初の国立大学病院長として九州大学病院長を務め、2015年には福岡学園・福岡歯科大学のトップに就任した。歯科について、「歯科は女性にとても向いた診療科だと感じています。急患や当直があまりありませんから、妊娠、出産、子育てといったライフイベントを経験することが多い女性にとって、選びやすい仕事ではないですか」と期待していた。

 

一方、「女性医師・歯科医師に何より気になるのは、女性たちの中に私は女だからという感覚があることを問題視。厳しい指摘を直言していく。それだけ、職業への責務・見識を問い続けている。さらに、「キャリアを積むも積まないも、自身で選んだ道に不正解はありません。ただ、中には、周りのせいにして、働き続けるための方法を考えることさえしないままの人もいるような気がします。確かにトップに立つのはキツイけれど、見えなかった世界が見えるようになる」と強調している。

 

現在は、女性歯科医師の活躍が期待される環境にあるが、それは先輩が刻んだ歴史を歩んでいるようだ。歯科医師になった高橋コウ歯科医師の時代は、複雑・混迷した事情も踏まえて、結果として将来を見据える礎を敷いたと理解したい。改めて“女性歯科医師・高橋コウは、歴史を築いたと理解しておきたい。そうして130年が経過した現在の歯科事情は変化しつつある。「子どもがいる」女性歯科医師は約3割(31.7%)で、その人たちが歯科医業を離れた期間の平均値は1.4(±1.94) 。また、日歯でも、女性歯科医師が出産・育児後にも復職・再就職できるように、最新の知識・技術の習得を支援する生涯研修事業の提供や就業支援サイトの開設を行っている。このほか、各学会や厚生労働省などによる支援事業も提供され、女性医師のキャリア継続のための支援体制が進行中であり、歯科大学・歯学部の学生の半数近くが女性。

 

歯科医師は、ライフステージに合わせた働き方やキャリア構築が可能なため、女性にとって働きやすい職業として注目されている。協会の資料によれば、歯科大学・歯学部では学生の半数近くを女性が占めている。日本には歯科大学・歯学部が29校(私立大学17校、国公立大学12校)あるが、そのうちの8校ではすでに女子学生の割合が5割を超えているという(令和5年度速報値)。歯科界としても現在、活躍が期待している嘉奈津美参議院議員(参院厚労委員会委員長)2025年開催・日本歯科医学会学術大会会頭を務める川口陽子・東医歯大名誉教授、日本保存歯科学会会長を務めている林美加子・大阪大学歯学部教授を始め、全国各地で女性歯科医師が活躍しているのも事実のようだ。