歯科診療の基本“根管治療”|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

歯科診療の基本“根管治療”

森一弘著「根管治療のススメ」:歯科診療の基本“根管治療”へ問いと提言、確かに、ただ一番時間かかるし、根は複雑なんで、すべての治療まえにCT撮影したいですしマイクロ、とラバーダム防湿したいですね!

 

 2023年1月に新刊「根管治療のススメ」(知著者森一弘東歯大卒:発行CLOVER出版)が刊行されている。タイトルが「根管治療のススメ」。現在の歯科界からからすれば、“口腔ケア”“摂食嚥下”“歯周病”に絡んだタイトルが常識だが、歯科診療の基本とされる“根管治療”が本書の内容で珍しい。歯科医師も一定のレベル治療技術を提供していると信じている。専門家では、歯が生き残るかどうか、“根管治療”で決まってくるという指摘が以前から言われていた。治療方法は難しいのかそうでないのかは、患者はわからない。歯科医師同士なら自身の経験から評価しているはず。

 

著者自身は東歯大から米国コロンビア大学歯内療法歯内療法専門課程で学び、世界最高レベルで学んだことが、その後に大きな影響を与えたようだ。米国の歯科医療を学んだことは、臨床技術は当然だが、同時に歯科医師としての姿勢・哲学も学んだと本書でコメントしている。興味深い実感を「はじめに」として「日本歯科医療は30年遅れている」と本音を見出しにしている。著者の最も主張したいことかもしれない。これが読者に斬新感を与えている。アメリカの歯科医療の中で診療したことで日米の歯科医療の相違に触れ、実感した事実の主なコメントを以下にピックアップしておく。

 

「コロンビア大学はハーレムも近く、経済的にあまり裕福でない患者も来院。“今日はお金をもってないので次回払います、と言って次は来なくなることがある」「自分がアメリカ人になり誰が来ても見る、という覚悟できた」「世界のトップレベルと信じていた日本の歯科医療が、実は、最先端の世界から取り残されつつある現実を目の当たりし、コロンビア大学では、“井の中の蛙”であったことを諭された」「世界中のセレブや日本大企業のトップがアメリカの歯科治療を受けるためにニューヨークにやって来る」。日本では有り得ない現実を目の当たりにして「島口に根性のままではダメだ!世界最先端の知識を身に付けて日本歯科医療を発展させなければならない」など。アメリカで歯内療法専門医の資格を取得。「遅れた歯科治療のつけは、結局は患者がツケを払うことになる」と指摘。その一方で、「自分の健康は自分で守っていくとなのです」とも強調している。

 

本書は次の5章から構成あれている。「あなたが知らない、歯科医療の裏事情」「天然歯は、健康寿命をこんなに伸ばす」「根管治療で自分の歯は残せる」「正しい根管治療と間違った根管治療」「歯を残すための生活習慣」。各章では臨床事例を平易に解説しているが、最後のおわりに「“人生100年時代”にあるべき歯科医療のかたち」では、ヘルスリテラシ―の向上を説いている。ヘルスリテラシーについては、関係者は以前からその必要性を訴えていた。特にリテラシーについては、足立信也・大分市市長(医師・筑波大学卒)が、かつて参院議員時代、参院厚労委員会で「厚労省の職員として前例主義の下で政府答をすることは、貴方の立場あるのは理解できますが、時代は令和です。もうそろそろ脱却しませんか。医療環境も激変しています。まさにリテラシーが必要です。専門家の医師・歯科医師、患者そして行政も政策の評価・恩恵を享受します。もちろん今日、言ったから、明日からしてほしいとは言いません」と問いかけていた場面がった。

 

日米の医療制度の違いが議論になるが、詳細は別途の場にゆずり、あくまで、1982年、日本の歯科大を卒業。米国の大学研修・臨床経験を経た“一人の歯科医師”の意見を一部でのことであるが、素内容は自身の歯科医療への理解を深めることになる。往々にして、最先端を含め歯科医療の術式・使用材料などの話題に提供になるが、改めてかつての歯科医療と違っている現在、歯科サービス提供する歯科医師の考えも違っているが、日米の歯科医療の長所・短所を知った歯科医師の本音を知る機会は、現実的にない。著者が言及していた、“自分の健康は、自分で守る”ことは、日本でも今後の潮流になるとすることを示唆していると理解できる表現も散見される。まさに“保険診療の在り方”“日本の保険制度の課題”などを再考する上で参考になる内容でもある。繰り返すが、冒頭の「日本歯科医療は30年遅れている」「島国根性ではダメ!」印象的であり、“ヘルスリテラシー”の必要性の指摘もあり、一読の推薦。