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口唇口蓋裂患者の口腔ケア指導・管理:腱常児同様に児歯科・学校歯科医に委ねる!
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口唇口蓋裂患者の口腔ケア指導・管理:腱常児同様に児歯科・学校歯科医に委ねる!  え!大変だ学校歯科医なんで

 今年は口唇口蓋裂関係者には、新しい時代を迎えたことになった。「口唇口蓋裂議員連盟」が設立され橋本岳会長(自民党)の下でスタートし、クローズアップされた。当日、議員秘書に今後について確認すると、「これからです。皆様の意見もさらにあるかもしれないので。永田町が、落ち着いていないので()」と返答。今日まで連盟の会合はオクネットとして確認できていないが、永田町ではでは常識。臨床現場では、患者に対して齲蝕予防管理・咬合について、歯科界の啓発にもなっている。該当患者は全体の診療患者数からすると極めて少数であるが、健常者同様に必要である。まさに、小児歯科、矯正歯科、学校歯科、開業歯科医などに世話になることになる。学校歯科検診の現場では、瞬時にこの生徒は“口唇口蓋裂児”と理解をもって、口腔検診は淡々と流れ作業のように対応しているはず。

 

担任から検診日の知らせがあると、眼科、耳鼻咽喉科などある中で、歯科の検診で明らかになるのを回避したい志向が生まれてくる。周囲の興味本位の視線を避けたいが、親にも相談できず自身との葛藤のスタート。小学校中学年・高学年は好奇心に満ちた多感な年代であり、歯科衛生士・歯助手等がアシスタントをしているが、「歯科医師と同様に口唇口蓋裂を理解している」と信じている。いずれにしても、診療時における“歯科医師の言葉”はまさに“天の声”になるのです。その影響は、歯科に対してイメージを後年まで持続していくのも事実。

 

多数の中の一人だが、健常者同様に歯・口の健康ついて、その重要性の説明を受けているはずですだが、まさに“口腔保健”。具体的には、「歯科口腔保健の推進に関する法律の一部改正する法律」の骨子・要旨は次のようです。「歯周病や高齢期の齲蝕は、初期には症状が出にくく、気づかないうちに進行し、症状が出た時には重症化し、抜歯が必要となることも少なくない」「歯周病などの歯科疾患と糖尿病などの全身疾患との関連性が指摘されている」「歯の本数等の口腔の状態と医科医療費の関係性についても報告がある」。さらには、「歯科疾患や全身疾患の予防等のため、必要なエビデンスをさらに収集しつつ、歯科健診を一層強力に推進する必要がある」としています。

 

口腔保健の向上に反対する人はいません。健康な口腔機能を確保することで、楽しい食事・会話ができます。オペ執刀者・故丹下一郎医師のハガキの一文に忘れられない文言があります。「わたくしは今後とも、顔かたちの変形に悩む方々をお救いすることを一生の念願とし、あなた方の友として診療を続けて参りたいと思っています」。患者に対しての医療人としての率直な優しい思いが伝わります。丹下医師が執刀された患者は多数いるが、「本当に患者の立場からの文章。感動します。私たちも感謝しながら、前を向いて進まないと」と患者会合での会話があったのも事実。

 

逝去後、某機関神に連載しているコラムに、丹下医師への思い綴った文章を、三女の方が読み、急遽連絡をいただきました。「医療者の話ではなく患者サイドの話で、これだけいろいろと書いてくれた人はいなかった」とのことでした。医療人と患者の関係を考えさせられました。科疾患等の予防策は口腔ケアだと理解しておいます。まずは、口唇口蓋裂児は、自身のその話題に拘ってしまうが、口腔の健康への望みは健常者と同様です。歯科診療所での定期検診への理解が望まれるが、改めて“歯科医師へ感謝・期待”は、忘れてはいけないようだ。

I.口唇口蓋裂とは

 口唇口蓋裂は、頭蓋顎顔面領域において最も多い体表先天異常で、口唇または口蓋に裂のみられる疾患の総称です。口唇口蓋裂という呼び方は、発生学的な見地から名付けられたもので、裂のみられる部位により、口唇裂と口蓋裂に分けられます。また、その両方に症状がみられる場合には口唇口蓋裂と呼ばれています。近年、口唇口蓋裂は超音波検査などの検査から、出生前に診断がつくこともしばしばあります(詳細は別項目)。

a. 口唇裂

 口唇裂は、口唇および顎骨前方部に裂がみられものを言います。口唇にのみ裂がみられる場合は唇裂、口唇と歯槽骨に裂がみられる場合は、唇顎裂とも呼ばれます。

b.口蓋裂

 口蓋裂は口蓋の骨・軟組織に裂をみとめるもので、完全な場合、口蓋前方部から後方の硬口蓋、軟口蓋にわたる裂がみられます。硬口蓋、軟口蓋ともに裂が存在するものは、硬軟口蓋裂と呼ばれることもあります。また、軟口蓋のみに裂があるものは、軟口蓋裂と呼ばれます。

c. 口唇口蓋裂

 口唇裂と口蓋裂の両方を併せ持つものをいい、唇顎口蓋裂とも呼ばれます。裂が完全な場合は、完全口唇口蓋裂と呼ばれ、口唇から鼻腔、歯槽骨、硬口蓋、軟口蓋へと続く裂がみられます。また、口唇裂、口蓋裂同様、裂が一部に限局しているものを不全口唇口蓋裂といいます。