女性キャリアと歯科医師の現状|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

女性キャリアと歯科医師の現状

私立歯科大学協会セミナー:「女性キャリアと歯科医師の現状」“比嘉参院議員”傍聴

 

近年の傾向である女性歯科医師の増加。その具体的な背景から現状を説明した「女性キャリア構築と歯科医師の現状」をテーマにして、日本私立歯科大学協会(=羽村章会長)が1031日、プレスセミナーとして、アルカディア市ヶ谷(私学会館)で開催した。今回は、女性キャリアの第一人者とされる水田祥代福岡学事長(九大名誉教授・医師)の自己紹介を兼ねた小講演ほか、歯科医師としての背景が異なる、大久保舞氏(東歯大教授)、真畑香氏(ナカエ歯科クリニック院長)、佐藤綾乃氏(フリーランス歯科医師)の3氏が経緯・臨床の現実を報告した。

 

まず、セミナー冒頭、現在の歯科事情について、櫻井孝・神歯大学長が以下にように要点説明をした。各種データから「日本の歯科医師数は世界的に見ると過剰ではない」「OECD加盟38国の中で19位、で世界では中位」。さらに「開業歯科医の46.8%が60歳以上。77.1%が50歳以上。9割が継承が決まらない」「歯科診療所は約、57,000施設すでに減少の動向が始まっている」。過疎地区と関連する歯科医師のいない地区が全国では約1,250ある」と報告。話題になりつつある無歯科医師地区は、784地区(令和4年)に及んでいる。今後、課題がさらに表面化されると予想される訪問歯科を実施している数は、高齢者10万人あたり約66施設。それは多い長崎県から少ない沖縄県とバラツキがある。例え人口減少しても、高齢者の歯科患者数の増加続く」としている。現実想定がされるが、「適切に“歯科訪問診療”をするためには、歯科医師が足りない」と強調した。「歯科医師の需要は想定以上に高く求人倍率は12.5倍以上であり、将来展望ができる職業である」とまとめた。

                                                               

以上の報告受けて、水田氏が、「女性キャリアの構築と現状」として講演。「自己紹介」を兼ね「キャリアパスと女性のライフステージ」「女性医療人を目指す若罹患者たちにエール」を送っていた。「私自身、サラリーマンの家庭で生を授かったが、幼少時に罹患した中耳炎で入院。この経験か大人になったら”“医師”になる!と決めたのです」。九大医学部に入学・医師になったが、社会からは“医療界は男性社会”と評された時代で、海外留学、その後の活躍・キャリパスを実践はは評価されるものであった。特に女性歯科医師にも該当するが、出産・育児等のライフステージの変化の対応に期待されている。水田氏が、問題視したのが“無意識の偏見”であった。これは「差別する意図はないのに、誰もが生来身についた価値観。自覚することができないために、自制することも難しい」と説明した。最後は「仕事は自分の好きなことをしなさい。仕事には男・女は関係ありません。私の時代から環境はも変わり、大いに女性の活躍ができます」と劇激励した。

 

継続して水田氏から3女性歯科医師に」対して、「生活の中で、辛いこと、悩むことがあったと思うですが、どうですか」との質問に、「大学にいますので、同僚の存在が大きく、孤独感を感じることないです」大久保舞氏(東歯大教授)、「開業していますので、患者からの感謝の言葉を聞くと自分を支えます」真畑香氏(ナカエ歯科クリニック院長)、「組織に属するわけでないので、気分転換をその場で図っていいます」佐藤綾乃氏(フリーランス歯科医師)と三者三様の対応を示していたが、そうした意見を聞きながら、水田氏から、「三人それぞれ、しっかり目的があり素晴らしいです。ただ、皆さんの背景を確認すると、都会ですね、福岡でもK難しいかも()」と指摘される場面もあった。今回の議論から、改めて、“キャリアとは何は”“都市と地方格差”“医科と歯科の相違”の視点からの議論も必要であるがこうした論議が少ないのも事実。協会としては、“女性キャリア”の拡充とさらなる可能性、歯学部入学生の増加を期待するのが本音であるが、セミナー終了後、「歯科の将来性を訴えるが、同時、歯科大・歯学部サイドの努力は尽きないようです(協会関係者)と述べていた。

なお、上記の通り、新たに参院厚労委員会委員長に就任した比嘉奈津美議員が最後まで出席。時に熱心メモ書きをしていた。自身、キャリアを積む女性歯科医師として、水田氏から促されて今日までの自身の歩みを紹介する場面もあった。

【比嘉奈津美プロフィール】昭和33年沖縄県沖縄市生まれ。昭和61年福岡歯科大学卒業。沖縄県久米島の具志川歯科医院から歯科医師をスタート。昭和63年に生まれ故郷の沖縄市で歯科医院を開業、平成18年からはカンボジアで歯科医療ボランティアとして活動。平成21年から沖縄県歯科医師連盟副理事長、沖縄県歯科医師会副会長、沖縄歯科衛生士学校副校長、沖縄県歯科医師会立口腔衛生センター副所長に就任、平成22年には、沖縄県歯科医師連盟理事長に就任。平成24年衆議院議員初当選、平成26年には衆議院議員2期目当選。平成28年第3次安倍第2次改造内閣では環境大臣政務官に就任。令和元年日本歯科医師連盟顧問。令和310月参議院議員繰上げ当選。