東京歯科保険医協会50周年記念シンポ|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

東京歯科保険医協会50周年記念シンポ
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 東京歯科保険医協会50周年記念シンポ:田口東歯大教授&宮原支払基金歯科専門役講演 ですが、会員なんで聞きに行きたかったです!他にも出席したい行事もありましたが、4年ぶりにお花茶屋中央町会の祭礼、さぼれませんね!町会長なんでね!

 

会員6,000名を超え勢いを続けている東京歯科保険医協会(坪田有史会長)が、設立50周年記念シンポジウムが910日、「これからの歯科を考える」をテーマにして都市センターホテルで開催された。二部構成で行われたが、一部は講演会、二部は懇親会。特に講演会では、田口円裕東歯大教授(元厚労省歯科保健課長)、宮原勇治社会保険診療報酬支払基金診査統括部歯科専門役(元厚労省保険局歯科医療管理官)が講師であったが、興味深い内容であった。まず、田口東歯大教授の講演要旨を紹介する。

 

現在の社会状況を再確認するように、「日本の人口動態」「地域包括ケアシステム」「2040年を展望した社会保障改革の新たな局面と課題」としてその経緯・背景を説明した、臨床的な視点からも「う蝕有病力とう蝕の処置状況の年次推移」「20歳以上の歯を有する者の割合の推移」「4ミリ以上の歯周ポケットのある者の割合」についてなど具体的な数字を明示して説明した。さらに、歯科医師に関係する、「歯科医師数」「年齢階級別の歯科医師数の推移」歯科診療科を標榜する病院数」もデータを持って続けた。その一方、歯科にとって看過できない「歯科保健医療を取り巻く基本施策」を全体からの観点から逐次説明したが、特に開業医にとって懸念される「診療報酬改定の概要」「診療報酬と補助金の関係」のポイントを指摘した。最後には、これからの歯科保健医療の在り方として、私見と断りながら次のように強調・指摘していた。「歯を残す技術の評価」「地域歯科保健と歯科医療の連携」「予防給付的評価の導入」「口腔機能に着目した評価」「健康格差解消に向けたエビデンス基づく施策推進(一次予防による歯科疾患予防)」「新たな国民歯科運動の展開(ポスト8020運動)」を挙げながら歯科医師・研究者には、「患者への適切な歯科医療や歯科保健指管理の支援」とした。結論としては、「個人の歯科疾患予防と口腔機能維向上と公衆衛生的視点を持った対策が不可欠でありであり、歯科保健医療政策の推進になる」とし、歯科診療も“診療所完結型”から“地域完結型”に移行していくことを前提にしていくとが基本政策でもある」とした。ただ、厚労省を退官し制約から開放されたと推測できるように、「最も変わったのが睡眠がじっくり取れるうになったことです」と笑いを誘う場面もあった。

 

続いて宮原支払基金歯科専門役は、コロナ禍では保険局指導歯科管理官を務めていた経験もあり厚労省として慌しく対応していた経験をしていたことを明かにしながら、田口先生は厚労省を離れましたが、私は、まだ厚労省に関係していますので()。慎重になりますが・・・」とし、政府の資料等をデータの見方、言葉の解釈などをユーモアを交えて進めた。宮原歯科専門専門役は、歯科保険診療からの視点で講演で解説を進めた。田口東歯大教授とダブル内容もあったが、歯科保健医療を取り巻く基本政策を再確認しながら、口腔保健推進に関わる法律概要を基本的事項策定、財政上の措置。口腔保健支援センターについて具体的事例を示しながら説明した。診療報酬改定の説明なると、中央社会保険医療協議会(中医協)の裏舞台の一部を紹介したが、この協議会で点数が決定される。診療側、支払側、公益委員による協議会が構成委員になっていることを報告したが、議論・意見が対立した場合の微妙な“落としどころ”のヒントも指摘していた。支払側の発言・意見が大きいこと事実だと理解をしているようで、水面下での議論も重要であることを示唆していた。また、一般には知られていない“診療報酬と補助金”の関係にも言及した。診療報酬:「個々の患者に対する診療項目に着目して支払われる」、補助金:特定の事業推進を期するため、国、地方公共団体が公共団体・私的団体・個人に金銭給付」であり、個々の患者の診療行為に支払われるものでなく、政策目的に照らして地域において必要な医療提供体制において必要な医療提供構築を促す観点から実施している。ただし、補助金は、基本的には、国の負担分のほか、都道府県の負担分や事業主(病院等)の負担分が生じる。歯科固有の技術にも説明したら、CAD/CAMの保険導入から、その後算定要件の見直しを勧めながら、今後の可能性にも言及したが、「歯科固有の技術の評価が期待されているが、残念ながら医科と比較すれば、圧倒的歯科は少ないのも事実で、今後の研究に期待したい」と指摘した。今後の求められるニーズとして「介護保険施設の協力歯科医療機関であるが、その対応に課題はあるが大切にしていきたいとした。今後については、中医協で配布された資料から「医科歯科連携やリハビリテーション・栄養・口腔の連携が必要」と強調したが特に「様々な形の歯科衛生士の活用からしてその評価も問われくる」とした。まとめとして、「ポイントは、診療側だけの議論では進みません。患者に何がメリットになるのか説明できなくてはが難しいです。この視点をクリアにしなくてはダメですね」と改めて強調した。

会場から注目された質問に注目された質問があい関心を集めた。「中医協の議論の中で、支払側委員から“重症化予防”ということを指摘して、疾病対象の保険診療には如何か?疑問とする趣旨の発言がありましたが、田口先生はどう思われますか」と問われ、田口東歯大教授は「以前から釈然としない思いはありました。元々予防の分野の人間ですから、苦心したところです。正々堂々と“予防”としての評価をすべきではないか」と発言。会場からは拍手が沸き起こる場面があった。

シンポジウム終了後の来場者らは「田口先生の思い切った発言に評価です」「厚労省内で立場があると難しいのですかね(笑)」。新しい流れができればいいですけど」「宮原さんの高齢者に歯が残存するということは、歯周病になる可能性があるということで、やはり予防が必要で、歯科が必要になるのです」との言葉・症状の捉え方を示唆した。両氏の講演を聞けば新しい時代を迎え、行政、歯科診療機関、歯科衛生士、歯科技工士の自覚も自然に問われてきていることは間違いないようだ。