第200回日歯代議員会が開催:新会長・高橋ほか理事が選任され新たなスタートへ|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

第200回日歯代議員会が開催:新会長・高橋ほか理事が選任され新たなスタートへ
  • HOME
  • ブログ
  • 第200回日歯代議員会が開催:新会長・高橋ほか理事が選任され新たなスタートへ

日本歯科医師会が定時代議員会が61516の両日に開催された。初日の15日に、新会長となる高橋英登氏の執行部を構成する理事選任が行われた。出席代議員(140)の過半数をもって選任されるが、理事24名全員が過半数を得たことで理事に選任された。氏名は以下の通り。高橋英登:(東京都)、飯利邦洋:(石川県)、伊藤明彦:(熊本県)、伊藤智加:(東京都)、伊藤正明:(長野県)、大杉和司:(三重県)、小野沢真一:(東京都)、小野寺哲夫:(東京都)、米須(こめす)敦子:(沖縄県)、坂田香里(かおり)(東京都)、佐藤真奈美:(宮城県)、末瀬一彦:(奈良県)、瀬古口精良(あきよし)(大阪府)、高瀬裕志(ひろし):(群馬県)、寺島多実子:(東京都)、西岡信治:(愛媛県)、野村圭介:(高知県)、蓮池芳浩:(石川県)、林正純:(大阪府)、副士賢治:(青森県)、藤田一雄:(北海道)、松尾健;(福岡県)、守屋義雄:(神奈川県)、山本秀樹:(東京都)。同時に監事3名も同様な方法で選任された。伊地知博:(鹿児島県)、渡辺儀一郎:(東京都)、細谷仁憲:(宮城県)

 

代議員会の近年の傾向であるが豊富な資料が配布される。今回も「四役引継ぎ」「直近の事案への現時点の日歯の認識」などの資料が配布された。新会長にバトンタッチをすることで、最後の代議員会となった堀憲郎会長からの挨拶で始まった。会長候補として名前が浮上して会長に就任。そして今日まで最善を尽くしてきた堀会長であった。「73か月、会長として務めてきました。会員には本当に理解・協力を得て感謝です。振り返ればまさに会員と一緒に歩んできたと思います。それは、歯科としての感染対策・ワクチン接種をした、“コロナ対応”の時に実感しました。歯科ビジョンもスタートしましたが、まだ目標途中もありますが、次期執行部には継続しての成果を期待しています。そこには私の思いが組み込まれています。会長という立場から、医療団体の幹部との意見交換をすることで、歯科の視点だけでなく、広い視野から見方を学ばせていただきました。さらには、医療以外の経済界など歯科と離れた団体の識者からの意見も貴重な望外な体験でした」と感慨深く述べながら、謝意を示していた。

 

来賓挨拶に立った島村大参院議員は、まず、73か月として日歯再生を受けた会長として尽力されたことに感謝した。その上で、「今年度の医療界は、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の改定であり、いわゆる“トリプル改定”です。特に医療は、いままで社会保障枠で扱われてきたが、今回は、別枠で財源を確保して、対応してすることを約束していただけました。これはある意味でチャンスです。現状打破にいい機会です、チャンスにしていくために活動中です。また、歯科界の課題は歯科技工士・歯科衛生士の確保。特に歯科技工士の問題は深刻。“骨太の方針”(16日閣議決定。歯科関連文言・下記参照)に明記していただきたいと思っています。骨太の方針に明記されるということは、その年の政府の重要な政策という位置づけになります」と力説しながら、注目される情報報告をした。続いて比嘉奈津美参院議員からも、「会員の先生方には本当に御世話になっています。島村先生からの指摘があったように、来年はトリプル改定です。歯科の代表として歯科界に貢献できるよう尽力していきます」と意欲を示す挨拶がされた。そのほか住友雅人・日本歯科医学会会長、川本強・日本学校歯科医会会長からも感謝の意の挨拶が続いた。なお、関口昌一・自民党参院議員会長、渡辺孝一・衆院議員、山田宏・参院厚労委員長は欠席した。

 

執行部からは、一般会務報告として、総括、社会保険、地域保健などの報告がされたが、会場から質問として、榊正幸代議員(茨城県)から、歯科技工士の確保について、「歯科技工士を募集しても来ません。このことが継続しています。本当に危機感を有しています。日歯として何か具体的な対策をしているのか。厚労省か文科省かはともかく、目安を想定して議論等をしているのか。しているのであれば、教えてほしい」と従来から、歯科技工士問題に関心を寄せている茨城県歯の姿勢を改めて示した。「厚労省での技工士会、技工学校から委員としてメンバーにしている有識者会議等で議論は行われています。議論を踏まえ対応はしていますが、苦労しているのが現実です。これからも続けていきます」と現状認識意を示していた。歯科技工士問題は、歯科界全体の問題として整理されつつあるようだ。歯科衛生士も同様に臨床では課題になっている。

地区代表・個人事前の質問では、注目された質問をクロースアップした。「質の担保を前提とした歯科医師養成及び歯科医師国家試験のあり方について」浅野正樹(東京都)、「勤務医会員の組織参加を促す第3種会員の改編について」山中一男(愛知県)、「日歯における若手や女性歯科医師の“活動”・“活躍”について」小谷泰子(大阪府)、「国民から信頼される歯科医師会であるために」熊谷宏(広島県)

 

【骨太の方針2023

全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積・活用と国へ適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士、歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた対応、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。

 

【取材後記】

堀執行部が役目を終えた。後継と目された柳川副会長は、髙橋日歯連盟との予備選挙に惜敗した。日歯・日歯連盟役員の間での予備選挙で、結果はともかく懸念する声があったのも事実。今回、会長を含めた24名が理事に選任され、高橋執行部がスタートする。
理事を確認すると見えてくる姿があるが、今回は省略する。日歯、連盟、学会との連携・バランスが問題視されたこともあったが、マスコミ報道では、歯科への評価・期待する特集記事が目立つようになっている。将来の診療展望、ネット社会、世代交代、コロナ後の価値観変化等を踏まえた、歯科医療が本当に問われてくる。堀会長も強調していた“国民からの信頼”を基本にした組織運営に期待したい。 オクネットニュースから