日歯会長予備選は高橋候補者が当選!|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

日歯会長予備選は高橋候補者が当選!
  • HOME
  • ブログ
  • 日歯会長予備選は高橋候補者が当選!

日歯会長予備選は高橋候補者が当選:高橋319票、柳川283票、小林26票、無効2

 

日本歯科医師会会長予備選挙は214日午後に締切。即日開票され、高橋英登319票、柳川忠廣283票、小林慶太26票、有効628票、無効2票。結果として、有効投票数の過半数(314)を獲得した高橋候補が当選した。得票率にして50.7%であり、再選選挙の可能性もあった辛勝であり、今後に複雑な要素を残した選挙でもあった。今後は417日~419日に、理事候補者(定数24)を届け出ることになり、6月開催予定の代議員会で正式承認され、高橋執行部が発足することになる。なお、その前の31617日に定期代議員会が開催され通常案件の審議が行われる予定になっている。

 

今回は、高橋英登(日歯連盟会長)、小林慶太(元日歯常務理事) 、柳川忠廣(日歯副会長)の3氏による選挙であったが、実質、高橋候補vs柳川候補であった。選挙戦はFAX、メール、携帯などで政策や自身への理解を訴えたが、間接的に支援する候補者への投票要請もあったようだ。当初は、高橋候補と柳川候補の日歯・日歯連盟の現役役員による一騎打ちと想定されていたが、小林候補への位置づけ・捉え方が憶測を呼ぶことになったが、推薦人の一人は「真面目で仲の良い先生だから、推薦人への依頼があった時、“いいよと一つ返事。でも当選を期待しないで下さい”と言われた」とオクネットの取材に吐露していた。自身の当選意欲がないが立候補することは、陣営の選挙戦術である。

 

選挙戦術で自身が立候補することで、同窓、地区、個人的な関係から自身への投票を促すことで、対立候補への投票抑制効果を期待するものであったが、功を奏さなかったとされる。こうした候補者・推薦人への評価は、「“選挙は何でもあり”を理解するのか」「そこまでして立候補する姿勢に落胆」という日歯会員はいる。その一方で、柳川候補推薦人は「“連盟”という組織を活用した効果はあったようだ。柳川候補が300票を超えなかったのは、翻った投票権者がいたと見ている。1期2年だから、最低2期4年は続く執行部。予想外であったが残念しか言いようがない」と無念さを表わしていた。高橋陣営の推薦人からは、「厳しい戦いは承知の上の選挙。関東地区や近北地区の得票数が勝負。校友・同窓会もかつてのような上意下達で決められるような一枚岩ではありません。個別に判断しています。本当に接戦で、不利な情報があるのも知っていますので、最後まで全力しかありません」と。

 

日歯会長予備選挙の結果は出され、今後は日歯の選任理事、政策に注目されるが、票数の出方も看過できないのも事実で、拮抗した選挙ほど、勝敗におけるシコリが残るのが常識であり、ラグビーのように“ノーサイド”とならない。時間が必要とされるのは間違いないが、日歯の歴史から学ぶはずと期待したい。

 

▼髙橋英登候補(日歯大・東京都)

「27歳で開業してから、臨床現場での学生教育や研究開発、社会保険審査会、日歯社保委員会、日歯生涯研修、都歯・日歯での連盟活動とさまざまな分野で仕事をしてきました。今もなお140人の診療にあたり、教員時代の教え子と連絡を取り合うなど、現場の声を大切にしていますが、歯科界の厳しい現状の打破にはいたっていないと感じています。私は歯科界の厳しい状況を打破するために、“物言う歯科医師会”に変革していきたいと考えています」。

推薦者⇒藤田一雄、末瀬一彦、深田拓司、沢田隆、安岡良介、中村彰彦、山崎安仁、飯利邦洋、山本有一郎、中西孝紀、冨田滋、赤沼岩男、森永和男、村山利之、今坂俊介、大越壽和、西岡宏樹、野村和男、門司直也、伊藤明彦

 

▼小林慶太候補(東歯大・千葉県)

「日歯の指導力が著しく低下していることに警鐘を鳴らし、現状を打開する5つの戦略として、1)日歯会員平均年齢60歳・組織率60%の改善、2)日歯・日本歯科医師連盟・日本歯科医学会、3本の矢の一体、3)歯科医療に関連するIT化の推進、4)歯科経営の健全化、5)歯科医療従事者の人材育成。そして、5つの戦略を実現するための「基本方針4つの柱」として1)組織率の回復、2)戦略的シンクタンクの設置、3)会員の利益となる歯科ITの促進、4)事務局機能の強化していきたい」。

推薦者⇒髙品和哉、宮地建夫、鈴木尚、近藤保、高橋哲夫、浮地文夫、武田孝之、二階堂雅彦、猪越重久、林功、中山宙久、福本恵吾、田代芝之、鷹岡竜一、毛利行雄、上田賢、三反田孝、山本啓太郎、石山智香子、松岡政之

 

▼柳川忠廣候補(奥羽大・静岡県)

「2016年に堀執行部が立ち上がった当時、同会は日本歯科医師連盟の不祥事で信用失墜の中にあった。私は執行部の一員として、これまでに内部統制室を設置したり、会員一人ひとりの声に耳を傾けることで、国民・メディア・行政の信頼をかなり回復させることができたと考えています。また、これまでの会務運営の中で、47都道府県の歯科医師会すべてを回り、各地の優秀な方との人脈を構築してきました。私はこの先の執行部を“継続と改革、そして調和”をテーマに運営していきたいと考えています」。

推薦者⇒佐藤保、松井克之、大杉和司、阿部義和、松崎正樹、伊藤正明、内堀典保、大松高、山崎健次、内田朋良、重政正敏、脇田晴彦、渋谷司、木村裕一、八幡純、澁谷國男、浅野正樹、池山正仁、阿部正也、渡邉友彦

 

以上が候補者の主張、推薦人による選挙であったが、本会・連盟役員としてかつて会務運営を一緒に務めたメンバーは複雑な心境になっている人もいる。210日・13日の電話取材では、「もう関係ない一人の会員ですから、それぞれ全力を尽くして、決定したら新たな日歯を構築して下さい」(元都歯役員)、「投票権はないというか組織に関心のいない会員が増加している気がする。会員増加が最大の課題。具体的な対応を示してほしい。誰が会長でも同じ”という感覚は増幅するのではないか」(都歯会員)、「選挙戦、盛り上がっているのですかね、話題になっていない、役員クラスだけではないか。会員は臨床に追われているだけ。ただ、明確なのは診療報酬アップだけ。どの候補者も会長になったら、それなりの具体的な成果を出さないと」(元宮城県歯役員)、「非会員が自由に活気ある診療展開していたら複雑な心境になる。会員確保を日歯全体で考えないと。抽象論の議論でなく具体的に一歩進めることが問われている」(千葉県歯)、「保険診療が問われる時代になるかも。日歯ビジョンも必要だが、今年、来年への政策の取り組みにも奮闘してほしい。新会長の日歯に期待するしかない」(長野県歯)などの意見もあった。