第116回歯科医師国家試験は1月28・29日でした。|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

第116回歯科医師国家試験は1月28・29日でした。
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歯科医国試の事実:試験委員ゼロの2大学&厚労省「試験委員選出方法の回答は控える」

 

116回歯科医師国家試験は12829日、無事終了し、合否発表は316日。国家試験は、学生には大事なイベントでもある。合格すれば歯科医師として人生のスタートであり、これから地域・患者から信頼される歯科医師を目指すことになる。地道ながら着実な研修・臨床経験を積み、大学歯科関係者は将来の歯科界を支える歯科医師に成長することを期待している。

 

その国家試験に関連して、試験委員を確認すると、今回の第116回国家試験委員は67名。歯系大学15大学・佐賀大、東京医大から各一人が、試験委員に就いている。最多が5(新潟大学)、続いて4(日大松戸、東医歯大、九大)3大学。但し、ここ数年、委員ゼロの大学がある。東歯大と奥羽大学の2大学。その疑問もあり、試験委員の選出方法について、オクネットが22日、厚労省医政局医事課試験免許室に確認を求めると、「諸事情があり、回答は控えていますので、理解をしていただきたい」旨の回答。大学推薦、規定、要件の有無などは不明であるが、結果としてさらに憶測を呼ぶ事態になっている。特に両大学の事情があると推測するしかないが、今年も“歯科医師の国試合否”で各大学の合格率が話題になるのは間違いなさそうだ。

 

歯科医師国家試験に対しては、「各大学が国家試験対策委員を学校全体で作り、学生や教授など一緒になり取り組んできた」(私大歯系大教授)、「事実から言えば、国試対策が最優先です。大学としては、国試は大きなイベントで数字が“公”になるので、対外的に影響が大きい。さらに数字は一人歩きするので怖いのも事実」(元私大歯系大学教授)。一方、国公立大学には、「年末から一人ひとり、勉強をするので、“国家試験対策云々”はないです。本人任せですかね。淡々と進めている感じですかね」(国立大歯学部卒・開業医)、「大学の授業に合わせて進めば、国家試験合格圏は大丈夫と思っていますので、クラス仲間同士が互いに連携して頑張っていましたね」(私大歯系大学・開業医)のコメントからしても、国公立と私立の相違があり、それは、国試への対応として以前から継続している“伝統”のようだ。

 

昨年の第115回国試合格率は、全体:61.7%、新卒者:77.1%、合格者数は、全体:1,969人、新卒:1,542人であり、最近の傾向と同様であった。全体合格率は65%前後、合格者数2,000人前後の数字は、歯科医師国試としての定着した感がある。歯科医師の需給問題との位置づけとして暗黙の了解とされている。参考として示しておくが、比較される医師国試の合格率は、全体:91.7%、新卒:95.0%である。歯科医師とは歴然の相違がある。

国公立歯学部・歯科大学は、全体:73.0%、新卒者:81.3%、合格者数は、全体:571人、新卒:481人であり、例年通り高い合格率を示している。基本的には、例年通りであった。一方、私大大学別の新卒の合格率を見ると、全体58.0%(新卒:75.4%)。個別では、東歯大が、合格者総数127人、新卒合格数121人、合格率96.0%と断トツのトップであった。歯科界歯科大学でのブランドを維持していることになった。

 

なお、共用試験合格者は20234月から指導医(歯科医師)の下で歯科医業を行えること、また、歯科医師国家試験(医師国家試験)の受験要件に共用試験合格が必要となることが決まり20254月から施行のようだ。特に“歯学部学生の歯科医業”については、かつて、患者からの「歯科医でない学生が診療している」としての訴訟裁判もあった時代があったが、改正歯科医師法で、法的には違法性を阻却できることになった。これも新しい時代要請といえそうだ。