日本歯科医師会2023年度予算案、厚労省が年末年始人事|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

日本歯科医師会2023年度予算案、厚労省が年末年始人事
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葛飾区お花茶屋歯医者コージ歯科貝塚浩二です、日歯2023年度予算()の評価:「衛生士確保等の検討を歯科保健課に申し入れ」

 令和5年度歯科医療施策関係予算案が1223日、閣議決定されたが、日本歯科医師会は、本案についての評価を昨年1226日、プレスリリースした。要旨は以下の通り。

 厚生労働省医政局全体の予算が対前年度比±0%の中で、歯科に関わる医政局歯科保健課予算は392,500万円で対前年度比13.2%増額になっており、「歯科口腔保健・歯科保健医療の充実・強化」の部分では、対前年度比29.3%増額となる他、喫緊の課題に対応すべく、随所に工夫の見られる内容と受け止めています。

 本予算案に関しては、様々な課題や不十分な点もありますが、歯科口腔保健のさらなる充実に向け、推進体制を強化する方向性が示されたものと評価します。これは、口腔の健康と全身の健康の密接な関係が国民にも理解され、歯科医療と口腔健康管理の充実による健康寿命の延伸に大きな期待が寄せられていることを踏まえたものと認識しています。

 骨太方針2022などにも記載されているように、「歯科口腔保健の充実」と「歯科保健医療提供体制の構築と強化」は国の歯科保健医療政策の大きな柱であり、本予算案でもこの喫緊の課題に対する取り組みが示されています。特に「歯科口腔保健の充実」に関しては、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討に向け、従来の歯科健康診査等推進事業の大幅な拡充に加え、歯周病等スクリーニングツール開発に係る新規事業の創設、さらには地域間の健康格差是正に重要な8020運動・口腔保健推進事業のメニューに歯科健診事業が追加されるなどの拡充について、評価したいと考えています。

 「歯科保健医療提供体制の構築と強化」については、地域の実情を踏まえた都道府県の取り組みに必要な財政支援である歯科医療提供体制構築推進事業の継続が認められたことから、この事業を通じて地域における歯科医療提供体制の構築がさらに推進されることを期待します。

 一方、歯科衛生士の人材確保事業に関する予算は、前年度と比較して大きく減少しています。歯科衛生士の人材確保は大きな課題であるため、次年度以降の予算獲得については、新たな内容も組み込んだ形での事業の在り方の検討を含め、歯科保健課に対して申し入れを行ったところです。 

 歯科保健課予算については、適切に活用してこそ歯科医療と口腔健康管理の充実に寄与するものですが、これまでもスピード感をもった適切な執行や、事業の見える化、他の関連分野の事業や制度の検討状況を踏まえた運用等において課題があると認識しています。次年度以降、確保された予算の有効活用、個々の事業の運用面での見直しを含めたさらなる充実と計画的かつ迅速な執行を求めているところです。

 今後は、決定した令和5年度予算が有効に活用され、歯科関係事業が円滑かつ迅速に実施されるように日本歯科医師会も積極的な提言と協力をしていきます。

 

 以上が予算()に対する日歯の評価である。“骨太の方針2022”で話題になった、「歯科口腔保健の充実」に関しては、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討に向け、従来の歯科健康診査等推進事業の大幅な拡充に向けて予算には評価し期待を寄せた。しかしながら、その事業の重責を担う歯科衛生士の確保のための政策予算が減少され、具体的な政策が問われる懸念も再認識された。予算獲得について、新たな内容になる形態を含めて事業の在り方を歯科保健課に申し入れたことで、政策・事業に注目される。地域歯科保健、かかりつけ歯科医、医科歯科連携の充実はさらに推進していくことは通年の課題であることは間違いないといえる。

 

厚労省が年末年始人事:歯科関係者の人事辞令&歯科医療管理官に小嶺氏

 

厚労省が年末年始(20221231日・202311)に、歯科関係医者の辞令を交付した。この辞令により歯科政策・職掌担当者が次のようになった。前任者の田口円裕氏(現在・東歯大教授)の後任になった歯科保健課長・小椋正之氏ほか、今回の辞令に伴い医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室長・和田康志氏、保険局歯科医療管理官・小嶺祐子氏。さらに宮原勇治氏が厚労省保険局所管である社会保険診療報酬支払基金審査統括部歯科専門役就任に予定されている。

年末年始の辞令に唐突感は否定できないが、結果として2023年からは、上記氏によって、歯科医療政策等の主要メンバーの立場が決定したことになった。昨年、“国民皆歯科健診”の検討が「骨太方針2022」に盛り込まれたことを受け、堀憲郎日歯会長が記者会見で今後について、「財政負担の問題などを精査したうえで、35年後をめどに制度を導入するのは可能。全国民に切れ目なく健診が定着することが大切。制度導入に向けては、職場や企業、自治体の健診などそれぞれの形がある。財政負担をどうするかが大きな問題で、議論を深めて検討していきたい」とポイントを指摘。

従前から関係者から指摘されていた財政面での課題を念頭に入れての発言であったが、歯系議員・山田宏参院議員は「皆歯科健診制度に向けて必要な法案もあるので、慎重に検討していきたい」と認識を示していた。改めて今回の人事により、厚労省歯科保健課を中心にその他の歯科行政部署との相互信頼・連携が問われてくる。