日本技工士会の課題|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

日本技工士会の課題

葛飾区お花茶屋歯医者コージ歯科貝塚浩二です、日技会長が新年からの課題指摘:“リモートワーク”“歯科技工所間の連携のあり方

 

森野隆日技会長が、HPで2023年の年頭所感を紹介している。内容から新たな課題を指摘し、今後の対応や問題意識を示しつつ、その趣旨の理解を求めている。「歯科技工界としては、平成29年より歯科技工士問題に関して数多くの調査研究が行われ、その結果を受け厚生労働省に設置された有識者会議で議論をされてきた。昨年来、新たな有識者会議検討会の議論が進行している」と現状を示し、このことを踏まえて展望も示している。要旨は以下の通り。

「平成29年より歯科技工士に関し、厚生労働省主体で数多くの調査研究が行われ、その結果を受け、検討会が設置されてきました。昨年4月より省令改正されました歯科技工におけるリモートワークのあり方”“歯科技工所間の連携のあり方等は、この中の一つの検討会歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会の中間報告書をもとに進められたものです。検討会の構成員、専門委員の中にも歯科技工士が入り、当事者の立場として意見を述べております。さらに、歯科技工士人材確保対策事業”“歯科技工士の業務内容、需給等についてなど数多くの事業が進められているところです。そこに職能団体の代表としてしっかりと意見を述べていきます」と歯科技工士の立場として主張していく姿勢を示していた。

また、マスコミでも社会問題化している、人口減少・少子高齢化している中で、国民の医療や介護の需要は増加し、社会構造自体が変化していくことが以前から指摘されていること念頭に、「地域包括ケアシステムに歯科技工士がどのように係わっていけるのか、業務を含め、法改正を求める意見が歯科医師側からも出ています」と今後に注目したい議論と捉えている。「社会も組織もまた然りで、体制を維持しながら、これまでの積み重ねの中から必要なものと社会環境の変化に不釣合いのものを峻別し、今は何をすべきか、長期的将来を見据えて、積極的に活動をしていかなければならないと思っております。そして、政策実現を推し進めていくためには、会員増強による組織拡充が喫緊の課題です。強靱な組織を構築し、多くの仲間が集まってくる日技にしていかなければならないと考えております」としながら、継続する日技会員増加の課題に言及していた。

以上が所感であるが森野執行部についての厳しい課題が山積しているのは事実のようだ。元日技役員から、「執行部の今後の苦労は容易に推測できる。リモートワークなど大事な課題であるが、最大は“大臣告示7:3”を含めた経済問題。この議論も今までの検討会で意見が出されていたが、結果は残念ながら“現状”が示している。この問題を再検討するには、歯科医師側との意見が必要になるのですが、残念ながら新たな議論の方向性など見えません」とオクネットに背景を指摘していた。

歯科技工士の業務等について、注目されるのが「デジタル技術の活用」。具体的にはCAD/CAM への対応が注目されている。「効率化や均霑化が可能になる一方で、設備導入や維持にかかる費用が高額。操作に慣れるまでに時間を要するなどの課題もあり、小規模な歯科技工所では導入困難となる場合も多い」「CAD/CAM装置等のデジタル技術を活用した歯科技工のみを行う歯科技工所の増加が想定される。このような歯科技工所について、構造設備基準等のあり方についてどのように考えるか、検討が必要」「安全性や医療情報の管理等が大前提だが、CAD/CAM装置等を用いた歯科技工の増加に伴い、CAD/CAM装置等のデジタル技術を活用した歯科技工のみを行う歯科技工所の増加が想定される。

そこで、歯科技工所について、構造設備基準等のあり方や連携をどのように考えるかの検討が必要」などからして、“リモートワーク”“歯科技工所間の連携のあり方が問われてくる課題であると理解しているようだ。そのほか、「チェアサイドでの業務」「訪問歯科診療や介護の現場での歯科技工士業務のあり方」「歯科補綴物のトレーサビリティ」などについても、日技が検討すべき項目としている。年頭所感には様々な課題が示唆されているようだ。