日歯会長予備選挙|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

日歯会長予備選挙

葛飾区お花茶屋歯医者コージ歯科貝塚浩二です、日歯会長予備選挙:各候補者の技工士・衛生士など課題へ対応も問われる

 

日本歯科医師会会長予備選挙が激烈な戦いをしている。代議員・選挙人による投票締切の211日までに指し迫っている。各候補者陣営懸命に最後まで選挙活動を展開中。候補者の政策は、ポイントは以下の通り。

▲髙橋英登候補(日歯大・東京都)「現場の声を大切にしていますが、歯科界の厳しい現状の打破には至っていない。歯科界の厳しい状況を打破するために、“物言う歯科医師会”に変革します」。

▲小林慶太候補(東歯大・千葉県)

「日歯の指導力が著しく低下している。そのため、日歯会員平均年齢60歳・組織率60%の改善し、日歯・日師連盟・日歯学会が意思疎通を図り一体で問題対応。時代要請もあり、歯科医療に関連するIT化の推進」。

▲柳川忠廣候補(奥羽大・静岡県)

2016年、日歯は日歯連盟の不祥事で信用失墜。新執行部のスタートの一員として、会員一人ひとりの声を傾聴して、国民・メディア・行政の信頼を回復させた。今後の執行部を“継続、改革、調和”をテーマに運営。バランスが重要」。

 

次期日歯会長を選択する予備選挙であることから、日歯会員に対して日歯としての課題への対策を訴えていく選挙であり、当然なことである。候補者の政策は一つひとつは必要なことである。それに対して投票権はないが、歯科医療を支える、歯科技工士、歯科衛生士さらには、日本歯科商工協会などへの今後の対応・対策も歯科関係者は知りたいのが本音である。特に、歯科技工士、歯科衛生士については、日歯代議員会でも質疑応答されているのも事実で、懸命に対応している。結果は厳しい現状が続いているのが現実。技工士・衛生士のポイント課題を要約すれば、以下になりそうだ。

 

歯科技工士は経済的問題に帰結する。その基本は“大臣告示7:3”問題になる。また、IT化推進も必要性は理解するが、結果として、新たな機器導入になるが、「それは歯科技工所の経済力による」と指摘するのが関係者の一致した意見である。その多くは零細・小規模である。一方で、歯科技工業務拡大の可能性の検討も求められている。今後ますます懸念される歯科技工所の閉院・技工士の離職である。業界紙・雑誌で掲載されている技工所・技工士は安定した中堅・大手技工所・スタッフである。

一方、歯科衛生士の課題は、地域偏在を含めその確保であり、近年から続く課題である。歯科衛生士の転職のしやすさが、現状の職場の歯科衛生士の転職に拍車をかける。歯科衛生士不足問題が容易に解消されない理由は、社会問題にもなっている出産や育児、介護を理由に仕事そのものを辞めてしまうケースが多いのも事実。また、近年は一般企業の企業内診療所勤務や医療機器メーカー、行政の仕事等、歯科衛生士が働く場所の選択肢が増えているのもその理由に挙げられている。ただし、福利厚生が十分な大学病院、企業内診療所などは定年まで勤務し、歯科衛生士人生を全うできる。勤務先による二局化は著しいといえそうだ。

 

歯科技工士・歯科衛生士の課題改革には、日技・日衛だけでは難しく、業務拡大の可能性、法律改正などは、日歯の理解が不可欠であるようだ。厚労省有識者会議委員の一人は「技工士の問題は、そろそろ“政治的判断”が必要かもしれない。その前提に歯科医師の理解が必要」と述べていたが、「技工士、衛生士の問題は知っているが、歯科医院経営が安定・展望がもてることが原則」という歯科医師の本音もある。いずれも会長職の任期1期2年では難しいのが常識であるが、日歯会長は実質、歯科界の代表になる問題意識を求められている。