OSG創設41周年記念学術大会|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

OSG創設41周年記念学術大会

葛飾区お花茶屋の歯医者コージ歯科です、故筒井昌秀先生は国際学士学会で一緒でした、残念です。

 歯科臨床は「力と炎症のコントロール」であり、ストマトロジーというべき疾患の原因を診断する思考とそれを治療という形で患者さんへ還元するデンティストリーの両輪があって初めて治療効果を得る事が出来るのです。「日本包括歯科臨床学会」は故筒井昌秀先生のデンティストリーを引き継いでいるJACDというスタディーグループと歯科医療へストマトロジーという概念と視点を導入した筒井照子先生が主催していた咬合療法研究会が有機的に融合した新たな学会です。それこそは、正しく現代の歯科臨床そのものなのです。

既報の通りJOSG(一般臨床医矯正研究会) 創設41周年記念学術大会が1126日・27日、御茶の水ソラシティで開催され、各務肇氏(JOSG顧問)、筒井照子氏(筒井塾長・日本包括歯科臨床学会顧問)などが講演したが、各務氏に続いて筒井氏が、特別講演「“歯が並んでいること”と“噛めること”」をテーマに講演した。自身が提唱された生理学的咬合論の臨床応用を中心に講義が進められ、臨床例を提示してポイントを指摘していた。

冒頭、筒井氏は、簡単に自己紹介をした。「“某先生から、矯正の診断、咬合論、おかしくないか”と問われたのが契機で研究を始めました」と述べその後の筒井塾、日本包括歯科臨床学会などを紹介した。そうした中で同氏は、基本的には「生態を治癒に導くにはStomatology(口腔医学ー病態に陥った原因を探し、取り除き、生態の治癒能を引き出す)とDentistry(歯科修復学―崩壊した部分を修復することによって崩壊以前の口腔に戻す)のバランスのとれた両輪が必要である)」と強調。

「“歯が並んでいること”と“噛めるはずだ”と思っている人が多いかもしれません。“噛める”とは、口腔生理学で機能的咬合系として、脳、中枢、咀嚼筋、顎関節、歯列、歯のバランスが必要です。これは常識として知っています。しかし、臨床現場では、その意識が希薄になっているでしょう」として、咬合を考えるにあたり、4本柱として十分な顎位(リラックス)、顎関節、歯列、歯面を挙げ科学的説明した。

ここで繰り返し指摘していたのが「私たちは、口腔内の歯の形態・損傷、歯列など見える箇所しかみていないのが現実」としたうえで、「成長(形態)や発育(質的成長)を捉える視点が不可欠。「セファロ、パントモ、CT、MRIなどから見える患者の口腔内・顔面画像から、なぜ歯科崩壊が起きたかある程度推察・理解できます」とした。診療の流れとして、顎関節⇒下顎位⇒歯列形態⇒咬合面形態⇒病態診断と示し説明したが、さらに「歯列に非生理的外力が加わる要因として姿勢を見逃すことが出来ない」とした。具体的矯正装置として、見た目が目立ちにくい、自分で取り外しが可能、違和感が少ない、金属アレルギーでも対応か注目されてアライナーについての対応にも言及・説明した。

最後は「“病態を推測する目線”、“治療を行っていく目線”の2つが重要となってきます。生理学的咬合論、補綴学的咬合論と歯科診療を行っていく時には2つの目線が必要で」としたが、講演中には、「今の矯正歯科には言いたいことがありますが・・・」と濁しながら、歯科医学は咬み合わせを扱うことが大きなウエイトを占めているし、少し咬み合わせを狂わせただけで患者は困惑・悩みが続きます。咬み合わせは全身疾患に大きく関連していることは明らかです。歯科医療の最も大きな使命は、咬み合わせをよくし、以て全身の健康増進に貢献することだと思います」と示唆していた。

 

【日本包括歯科臨床学会】

故筒井昌秀先生と筒井照子先生が主宰する筒井塾の顎口腔の炎症の要素、力の要素を包括的な観点で診断し、最小の侵襲で最大の治療効果をあげることを目的とした、包括歯科臨床のコンセプトを継承するJACDと咬合療法研究会が 2012年に合併し、日本包括歯科臨床学会が設立。

【講演後記】

生前お世話になった故筒井先生の話題になると思い出すのが、福岡県歯科医師会常務理事に就いたこと。正直、業界でも話題になるほど違和感があった。その点について講演後、筒井先生に確認すると「筒井は頼まれると断れない性格なので。本人が受けたので()」と。常務理事に就任後、本人に聞くと「日本の大半の歯科医師は保険診療で頑張っている。その現実を知ることは必要」と苦笑いしながらコメントが返ってきた。「歯科も歴史を重ねているが、社会からさらなる評価が望まれるが」と改めて筒井先生に確認すると「歯科医師次第です」と一言。