健康のための歯科矯正|お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

健康のための歯科矯正

一般臨床医矯正研究会顧問・各務氏研修:“健康のための歯科矯正”の理解求め熱弁

 

一般臨床医矯正研究会顧問の各務肇氏(ポール矯正歯科センター院長・日本矯正歯科学会認定医・専門医)による9月・10月の4日間研修コースの初日が919日、池袋サンシャイン文化会館で開催された。参加者の多くは地方からであり、新ためて関心の高いことを示す研修会になった。講義・実習が企画されているが講義の基本的姿勢・捉え方を紹介する。矯正歯科の主な歴史から現在の課題・懸念を述べながら、「審美は当たり前―健康な咬合の完成を求めて」をテーマにして講演。今回は詳細な技術論は別途にして、各務氏の矯正歯科への重要性と正しい理解を求める思いを通して進められたが、その一部要旨を紹介する。

 

まず自身の背景から進めた。「小学校から高校まで立大附属でしたが、歯学部がないので日大に進学。既にクリスチャンの洗礼を受けた身でしたが、神社仏閣興に味があり全国各地、結構行きました」とした上で喉仏について質問する。「骨上げの際、最後に骨壷に納めるなどなど大切にされています。頭を支える首の骨(第二頸椎)のことで、その骨の形が、まるで仏様が合掌しているように見えるから喉仏と呼ばれているのです」とし、ユーモアを交えながら、それは嚥下に関係する重要な場所であることも指摘して進めていた。

「なぜ不正咬合を予防するのか」「患者や親に何を話すのか」とする説明も始まった。臨床では眼前の患者の疾病治癒のため進めていくが、診療の本質を説明し肝要な点に言及した。一般患者は審美・咬合を問題にして受診するのが大半であるが、不正咬合の改善は審美だけでないことを再確認させている。初診時にどこを診るのか、患者・親にどう話をするのか、臨床上極めて重要なことであり、微妙な表現や後日問題ならないような内容も助言した。乳児の問題で懸念される“おしゃぶり”はについては、「どんどんさせなさい、吸啜させ鍛えるのです。海外は普通ですが日本異例です、回避する傾向がありましたが不思議です」と疑問を呈していた。

「なぜ不正咬合を予防するのか」では、“人間は生まれた時からなぜモノを口にし舐めたりするのか”を生物の視点・本能から解説した。また、「患者や親に何を話すのか」では、身近な例として多くの患者が懸念している。歯科医師に言われたことが一生忘れられないこと、歯科嫌悪になり一生嫌悪、歯科医院に特に、乳歯、乳歯永久歯混合期、永久歯に生え変わった時期に、一言一言に患者は真剣に聞き耳を立てている。歯列、体、精神が発育などに伴いその対応の難しさが指摘されている。舌筋・舌小帯にも触れて、「舌のスペース確保がキーポイントになる。下顎の舌側傾斜は起こし、そのスペースを確保しないとダメ。キレイに歯列を並べれば審美的にはОKてもダメ」と強く強調した。さらに「骨格的問題の考え方・治療方法」「永久歯列患者についての非抜歯への考え方」にも臨床からの症例報告した。

小児矯正歯科に関しては、2015年には、日本小児歯科学会でも、「歯科疾患はむし歯と歯周病だけではなく、歯並びやかみ合わせ、歯や口腔軟組織、さらに口腔機能の異常にも対応することが求められています。小児期で考えてみても、歯は人間の成長、発達、発育期に乳歯から永久歯への交換というダイナミックな変化をしており、口腔も成長、発達を続けています。超高齢社会を迎えた現在、生涯にわたって歯と口腔の健康を保持していくためには、小児期からの歯科疾患の発症予防、治療による重症化対策は非常に重要です」と訴えている。

矯正ニーズが潜在化しているが、そのニーズが顕在化していく可能性は高くその対応準備しておく必要がありそうだ。今回は、終日の研修であったが、最後まで熱心にメモを続け、本来なら懇親会があるが、コロナ禍のご時世ということで、企画していこともあり、講演が終わると直接、各務氏に質問・確認するなど意欲的な人列ができるほどであった。資料配布された3Dリンガルアーチの図解説明もありその機能にも関心を寄せていた。各務氏には、不定愁訴の患者が他科で負えないので回されてきているが、最近は、東大病院から回されたてんかん患者も治療したことを含め、「健康な咬合の完成求めているのです」と報告していた。全国からの要望で休みなく講演・診療のようだ。

 

小児矯正に対しての近年の動きが注目されている。公的な医療保険を適用されない歯科矯正は、自由診療となるため、費用が高額になりやすい。だからといって処置を行わず歯並びが悪いままでいると、虫歯だけでなく、さまざまな重い病気を引き起こす原因にもなり得る。欧州には子どもの歯科矯正に保険を適用している国もあることから、日本もそうすべきという意見もある。

 山梨県では、子を持つ女性や同県保険医協会が「保険適用拡大を願う会」を立ち上げ、県内の市町村議会に子どもの歯科矯正への保険適用を求める意見書の採択を請願したり、市民の署名を集めたりしている。意見書は既に県内の11市町村議会が採択。同会によると、ドイツや英国は18歳、フランスは16歳までに歯科矯正を行うと、医療保険が適用される。メンバーで県保険医協会の伊藤龍吾事務局長は「日本でもせめて、学校の歯科検診で矯正の必要性を指摘された子どもの場合は、医療保険を適用すべきだろう」と訴えている。