国民皆歯科健診|お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

国民皆歯科健診

“骨太の方針”に社会が注目:“国民皆歯科健診”導入検討の始動を明記

 

「歯科界に画期的な“国民皆歯科健診”導入検討を始めることを“骨太の方針”に明記する」と529日の産経新聞電子版で配信報道された。既にオクネットニュース(528)で、「5月25日、自民党内に立ち上げたプロジェクトチーム(座長=古屋衆院議員・事務局長=山田宏参院議員) が、“健康寿命の延伸に向け歯科健診受診率向上の取り組みの充実・強化を求める”提言を松野一博内閣官房長官に申し入れた」とマスコミ報道を受け配信した。提言では、高齢者の誤嚥性肺炎や糖尿病等を例にして、「多くの疾患と口腔疾患が関連することが示されており生涯を通じた歯科健診の重要性を指摘。政府の重点政策や予算編成の方向性示す旨を“骨太の方針”への明記を要望したようだ」として配信していた。なお、議連設立の時には、山田宏参院議員事務局長が、歯科健診の必要性の背景などの議論を重ねていたと説明していた。

今回の報道によれば、「6月上旬にまとめる経済財政運営の指針“骨太の方針”に、全国民に毎年の歯科健診を義務付ける“国民皆歯科健診”を令和7年頃の導入に向け、検討を始める方針を明記する」というもので、その期待する目的は、医療費の抑制としているようだ。歯科界では、以前から指摘されていた課題で、歯周病などの歯科疾患と他の全身疾患の関係について、科学的根拠などが専門学会や関係学会等で発表されており、歯科疾患の予防・抑制することで、結果として医療費抑制にも貢献することが明らかになってきた。医療費問題の観点からも提起を促したこともあるようだ。今回、歯科関係者も驚いたのが、“骨太の方針”への対応で、そのスピード感と最終的にはまだ不明な点もあるが、具体的な導入時期までも明記するということである。

いずれにしても、歯科健診に関しては、乳幼児、小中高学校生徒の健診、特殊な職種勤務者には健診義務はあるが、以後・以外には、本人の意思に委ねている。ここが問題視されていた。日歯代議員会、専門歯科学会でも議論はされており、問題意識は共有していた。しかし、歯科健診の為に歯科受診するケースは少なく、まさに、歯科の特性である“痛くない”“不都合な噛み合わせがない”という理由で、歯科受診しない現実が根底にある。まして受診を強制ができないのも事実で課題要素であった。また、健診の具体策でも、「健保組合などが毎年行う健康診断の際に唾液を提出してもらい、歯周病などの可能性がある人を受診につなげる案が浮上している」とされているようだ。経費負担、労力提供などの課題が指摘されると予想されるが、一歩踏み出すスタートにしていく強い姿勢は伝わり、結果として国民への健康に還元されるという政治判断でもある。

なお、昨年の“骨太の方針”は以下の通り。「全身との関連性を含む口腔の健康の重要性に係るエビデンスの国民への適切な情報提供、生涯を通じた切れ目のない歯科健診、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防にもつながる歯科医師、歯科衛生士による歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護、障害福祉機関等との連携を推進し、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、飛沫感染等の防止を含め歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。今後、要介護高齢者等の受診困難者の増加を視野に入れた歯科におけるICTの活用を推進する」というもので、具体的な表現・数字はなかった。

換言すれば「政府の方向性は示しました。あとは当該業界で具体的に議論・検討して実施して下さい」と行間の意味を理解・解釈されることもあった。具体性を示すと、明確な目標になることでの問題も浮上することもあり、具体策は回避する傾向は否定できないことも事実である。今回は、社会にも理解も求めることになるが、まさに、新しい日本型歯科文化への一石を投じることになることが期待されてくる。