日本口腔ケア学会学術大会から|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

日本口腔ケア学会学術大会から

日本口腔ケア学会学術大会:慶大薬学部が大会主催に注目・薬学系視点も

 

日本口腔ケア学会学術大会が、225日、慶大薬学部芝共立キャンパスで開催される。歯科では、広く汎用されている用語“口腔ケア”であるが、関係する学会も研究発表がされており、時代の変遷を認識する時代になっている。口腔衛生の専門家はその用語整理をしているが、紙面の都合もあり省略するが、いずれにしても、口腔ケア大会を薬学部教授が大会長としての開催に注目される。それは、様々視点からの研究・臨床が普及し始めている証しでもある。大会長は、山浦克典・慶大薬学部教授(医療薬学・社会連携センター 社会薬学部門 教授・薬学部附属薬局長)である。同HPにおいて、山浦大会長が以下のように挨拶している。

 

2022年に日本口腔ケア学会が発出した大阪宣言口腔ケアは30 年間にわたる多職種の努力で、今では「医療におけるメインストリーム」としての位置を確立した。さらなる口腔ケアの発展には、 薬学部の薬剤師教育における口腔ケア領域の充実および、臨床の現場における薬剤師の口腔ケアへの参画が重要であることを宣言する』を受け、本学術大会は大阪宣言を実行ステージへ移すために、 これまで口腔ケアに積極的に関わってこなかった薬剤師が国民の口腔の健康維持増進に、どの様に専門性を活かすことができるかを考える機会にしたいと思います。

高齢化率世界一の我が国では、高齢者の口腔機能の衰えが誤嚥性肺炎につながることから、オーラルフレイル対策は極めて重要な課題です。そこで特別講演では飯島勝矢先生 (東京大学 高齢社会総合研究機構 機構長・未来ビジョン研究センター 教授)にオーラルフレイル予防の最前線のお話をして頂きます。他の企画も医師、歯科医師、病院薬剤師、 薬局薬剤師、薬学教育関係者など、多様なバックグラウンドを持ち第一線でご活躍の先生方にご登壇いただき、様々な職種の参加者のニーズを満たす情報を提供していただきます。

『シンポジウムでは、薬局が歯科医院と連携し、地域住民の口腔の健康を維持増進させるために薬剤師の専門性を活かす方法に焦点を当てます。2020年に施行された改正薬剤師法により 薬剤を提供した後も患者が服用している間は副作用の予防と早期発見の役割を果たすことが義務化されました。そのため口腔内においても、提供した薬剤がトラブルを起こしていないか確認する責任を 担うべきです。私たちはこの大会を通じて、薬剤師が国民の口腔の健康問題の第一発見者となり、歯科医師につなぐ役割を果たすことで国民の口腔の健康維持増進に貢献することを目指します』。

 

挨拶は以上であるが、最後に「歯科医師につなぐ役割を果たすことで国民の口腔の健康維持増進に貢献することを目指します」と強調し、その役割を理解・再認識をしており、今後に期待が寄せられるところである。そもそも論として全体としての評価は今後に委ね、大会が改めて有意義に終えることが期待される。

 

日本口腔ケア学会学術大会:飯島教授“オーラルフレイル”&“日歯活動”評価

 

日本口腔ケア学会学術大会が、225日、慶大薬学部芝共立キャンパスで開催され、興味深い講演・シンポジウが開催された。山浦克典・慶大薬学部教授が大会会長ということでも関心を集めていた。薬剤師の講演では独自の観点からの口腔ケアに言及した内容もあったが、全体を通しては、口腔ケアに関係する“オーラルフレイル”への理解を通して進められていた。特に飯島勝矢・東大高齢社会総合研究機構長・未来ビジョン研センター教授(慈恵医大卒)の特別講演「オーラルフレイル予防の新たなステージ~国民啓発と多職種連携の加速~」が注目され、今日までの、“オーラルフレイル”の運動について、時代背景や自身の苦労を含めて参加に影響を与えていた。

 

飯島教授は、「新しい概念“オーラルフレイル”を立てた私としては、全力で取り組んできましたが、正直、まだまだです。フレイル(虚弱)・サルコペニア(筋肉虚弱)への対策からスタートしましたが、初期の歯科口腔分野からの軽微の機能低下を包含した運動が“オーラルフレイル”」とし、さらに「まずは、最低限の兆候として5つの目安として、残存指数の減少、咀嚼困難、嚥下困難、口腔乾燥感、活舌低下を理解してほしい」と、オーラルフレイルのポイントを逐次報告し、理解を求めていた。

 

さらに、20184月には“口腔機能低下症”が保険収載されたことに触れて、「国民にこの2つをどう理解させるのか課題であった。フレイル前には、その対策として「栄養、運動、社会参加が指摘されているが、その前の意変容が懸念されるが、まさにオーラルフレイルが問われてくる。2020年には「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施であり、オーラルを含めた“フレイル健診”導入であり、新しい展開が求められている。まさに、国民の多数に生活の中で自然に理解されているような理解が求められるようになったのです。でも運動は厳しいです。満足してはダメです」と飽くなきの将来展望・意義と熱く語っていた。

行政の一つ一つの姿勢に適切・敏感に対応していくことのも必要とし、[日本歯科医師会は、平成元年から“8020運動”展開。言葉の“ハチマル 二イマル”というゴロのよさ、日歯関係者の啓発活動には、本当に頭が下がります。結果として、今や国民が“8020運動”を受け入れてます]と日歯の努力を評価していた。

 

最後には、「“フレイル”の概念についてのステイとメントは報じられているのですが、“オーラルフレイル”はまだ、ありません。そこで、3学会(日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会、日本老年歯科医学会)による、ステートメントを20244月1日に発表を用意していることを明らかにしたが、新たな運動に進むことになりそうだ。今回は、「会場には、多くの薬剤師がいますが、薬剤師にも“オーラルフレイル”を少しでも理解してほしいです。歯科医師と薬剤師の相互理解・協力者になり、多くの国民への理解につなげてほしいです」と繰り返し強調した。

 

そのほかの教育講演「薬剤師が取り組む口腔ケア」大山順子・九大大学院歯学研究院講師、ランチョンセミナー「」薬剤師がハブになる口腔領域の副作用マネジメント」石井伊都子・千葉大医学部付属病院薬剤部教授・部長、シンポジウム「薬局から歯科医院につなぐ地域住民の口腔ケア」では、栃木県医師会副会長、株式会社薬局代表取締役、大学薬学部講師などからの発表も続いた。

オクネットとして関係者・薬学部学生にコメントを求めると、「オーラルケアの言葉は初めてです。現在でも薬剤師は大変ですが、将来を見据えた新たな展開と理解してます。薬学教育する側の人間としても問題意識が必要ですね。オーラルケアを説明できないとダメですね()」「医師は領域的に、歯科医師より連連携・会話するケースはありますが、こうしたキッカケがないと歯科医師と薬剤師が相互いに情報交換することは難しいですね」「薬局は患者・住民と接するケースがあり、啓発活動にも協力できると思います」「歯は大事だとは理解しているが、“口腔ケア”の学会を通して知るとは予想していませんでした」と述べていた。

 

なお、協賛企業は次の通り。アークレイマテティング株式会社、アースb製薬、株式会社医学書院、ウ江ルシア薬局株式会社、佐藤製薬サンスター株式会社、株式会スギ薬局、田辺薬局。株式会社ツルハホールディング、株式会社ラストファーマシー、株式会社バイオテックラボ、東日本メディコム株式会社、株式会社法研、株式会社ユヤマなどで、歯科関連企業とは違いを実感した場面でもあった。