厚生労働省が「令和4年歯科疾患実態調査」の結果を取りまとめて6月29日に公表!|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

厚生労働省が「令和4年歯科疾患実態調査」の結果を取りまとめて6月29日に公表!
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 東京都葛飾区のコージ歯科です。令和4年歯科疾患実態調査:傾向の数字は想定の範囲&“さらなる検診の必要性”指摘

 

 厚生労働省が「令和4年歯科疾患実態調査」の結果を取りまとめて629日に公表した。この調査は、わが国の歯科保健の状況を把握し、今後の歯科保健医療対策を推進するための基礎資料を得ることを目的。昭和32年から6年ごとに実施していたが、平成24年に策定した「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の中間評価にあわせ、平成28年の調査から調査周期を5年に変更した。なお、本調査は令和3年に実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止し、令和4年に実施したという。

 厚労省はこの調査結果を踏まえ、「8020運動」を含む歯科口腔保健施策を今後も推進していきます。<歯の状況・8020達成者(80歳で20本以上の歯が残っている人の割合)>8020達成者(75歳以上85歳未満の数値から推計)は51.6%で、前回平成28年の調査結果(51.2%)と同程度。<歯科検診の受診状況>過去1年の間に歯科検診を受診した人の割合は58.0%で、男性より女性の方が受診率が高い傾向。<歯肉の状況>4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は、全体では47.9%で、高齢になるにつれて増加傾向。というのが概要であった。

 

そのほかでは、歯や口の清掃状況については、デンタルフロスや歯間ブラシを用いた歯間部清掃を行っている者は全体で50.9%、舌清掃を行っている者は21.1%であった。 男女別に見ると、ほぼすべての年代で女性の方が歯間部清掃または舌清掃を行なっている者の割合が高かった。4070代の女性は5割以上がデンタルフロスや歯間ブラシを用いた歯間部清掃を行 なっていた。う蝕予防に不可欠なフッ化物応用の経験のある者は59.4%であった。そのうち、フッ化物塗布の経験のある者は13.1%、フッ化物洗口の経験のある者は3.2%、フッ化物配合歯磨剤使用の経験のある者は52.4%であった。1~14歳では、フッ化物塗布経験者の割合は 41.5%であった。

 

注目されている歯科検診の受診状況は、この1年間に歯科検診を受けましたか、という質問に「受けた」と答えた者の割合は、全体で58.0%であった。男性では30歳から50歳未満の年齢階級において、歯科検診を受診している者が低い傾向にあった。さらに社会的にも話題になっている矯正歯科治療の経験の有無も看過できないが、矯正歯科の経験がある者の割合は、全体で7.7%であった。また、50歳未満では2割近くが経験あり、特に10歳以上40歳未満の年齢階級で高く、男女別では女性において高い傾向を示した。以上もポイントであったと指摘できる。

 

歯科関係者からすれば、傾向の推移は予想範囲であり、特別な感想を有することなく、この傾向は以後も継続していくと想定しているようだ。とはいえ今後の展望を見据え、歯科界としてどう理解・判断するのか。具体的な歯科医療政策、診療報酬、新たな研究テーマなど議論を講じていく時期に来ている。特に小児歯科では、対象となる乳幼児・生徒の環境・背景への分析も必要ではないかとの指摘もある。歯科疾患実態調査の範囲ではないが、具体的に動き出している“国民皆歯科健診”に向けての政策・行政対策などを含めた、取り組みへの示唆を提示している“歯科疾患実態調査”でもある。その一方で、調査項目外である顎間節、咬合不正なども全国的なデータがほしいのも事実であり、専門家だけが有することでなく広く歯科医師の共有情報にすべきかもしれない。