歯系大学,文化祭シーズンピーク終える|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

歯系大学,文化祭シーズンピーク終える

学文化祭シーズンピーク終える:歯系大学看過できない企画・学生視線

 

全国の大学の文化祭が11月の連休を過ぎてピークは終了したとされる。歯系大学は独自の背景もあり、運営等の啓発やPR活動に必死であり、巧みなキャッチコピーを創り出すのに懸命。そうした歯科界において最も注目されたのが、東医歯大・東工大の統合に向け議論がスタートすることで、大学関係者は当然であるが、当事者である学生は今後の動向に注目している。オクネットとして、両大の文化祭を取材したが、そこから見える現実を再確認したので要旨を報告する。

 

統合の要人になる盛山正仁文科大臣は、マスコミ報道によれば1017日の大臣会見で「「先週、東京工業大学に視察に伺いました。東工大の益学長や学生のほか、東医歯大の田中学長や、東京医歯大の学生の方にもお会いし、学生さんとの懇談、医工連携による研究成果の視察に加え、両学長をはじめ執行部の方々との意見交換を行い、統合に寄せる両学長の意気込みや期待についてお話を伺いました。今回の視察も踏まえ、文部科学省としても、両大学に伴走しながら、しっかりと支えてまいりたいと考えております」と述べたという。さらに大学側は、医工連携となる「超高感度加速度センサを用いるパーキンソン病早期発見支援」の研究概要について説明を行ったが、盛山大臣は加速度センサを体に装着する様子や歩行分析のデモも視察し、両大学が密に連携して臨床応用をめざしている現状に強い関心を示し、その後の質疑応答には、益学長が、「センサの研究だけではなく医療応用も含めて研究を進めることの重要性を指摘。医科歯科ということで医工連携に期待が寄せられている」と強調したという。

 

会見要旨は以上のようであったが、“歯科”について歯学部内から懸念する声も聞かれている。東医歯大の文化祭(お茶の水祭)は10月14日・15日、開催されたが、15日は厳しい天候であった。参加した団体LEGO同好会は、賢明に来場者に説明をしていた。特に医科歯科美術部・東工大LEGO同好会からは作品の展示があり、LEGO作品には往来する人が写真を撮るなど関心を集めていた。益東工大学長が展示の様子を視察し、説明担当者と意見交換する場面もあった。さらに、医科歯科美術部からの顔貌の解剖的基礎に裏打ちされた作品は医療系の専門分野を生かした作品もあった。その一方で、歯科単独の研究あるいは、医科歯科連携しての医療・臨床例展示はなかった。特に歯科系のブースもなく、パンフレット「お茶の水際72nd」には、コマ・ブースの説明がなく、スタッフに尋ねても歯科の病棟での発表の有無も不明確であり、“歯学部”の存在自体が希薄であり、文化祭の企画・光景からは、歯科の寂しさは隠せない事実であった。歯科衛生士・歯科技工士ならなおさらである。

公開模擬授業でも「政策の視点から医療を考えてみよう」岡田就将教授(政策科学分野)、清水幸教授(AIシステム医科学)の二人であった。また、特別講演でも「スポーツ医学ってなに?」をテーマに柳下知慶スポーツ医歯学診療センター長が講演。パンフレットの巻頭言には、田中雄二郎東京医科歯科大学学長と益一哉東京工業大学学長の両学長が挨拶しているが、大学名以外に“歯科”という言葉がない。文化祭での歯学部系企画について、受付は理解されず関心ない対応であった。

一方、東工大(工大祭)も開催(1028日・29)されたが1128日の初日は、文化祭日和であり来場者が多数であった。台風、コロナ等で中止もあり、制限なしの開催は数年振り、リニューアルされた大岡山キャンパスの威容、広大キャンパスの敷地、来場者の往来、パンフレット(無料配布)の内容などが語りかけていたが、前出の両大学長の挨拶には歯科への言及は一言もなかった。実行員の一人H氏(3年生)の案内で企画展示教室でのLEGOを説明。LEGOグッズを買い求める親子の行列に対応。さらには「工学系三産学院産廃物集積所」「5G次世代アプリケーション」「生命を支える生体材料」等の研究室ブースもあった。「東工大生を知る」で担当学生に東医歯大と統合して「東京科学大学」と大学名になること、歯科等を質問したが、次のように学生の本音が聞かれた。

「統合の話は全く知りませんでした。学内でも統制されていたのではないですか。ですから驚きました」「研究対象として医療があるのは知っていましたが、現実化されて戸惑いはありますが、本当に統合ですね」「医科歯科との統合は上の偉い人が決めたことなので、“ハイ!わかりました”しかないです()」「歯学部もありますが、何をするのかわかりません、あまり関心ないです。すいません」とコメントしていた。また、“東工大”に入学したくで受験したのですが、大学名が新たになるのですが、イメージが浮かばなく、新設大学のようなので。”卒業学校名は一生背負います”ので」などであったが、“大学名”に拘りが強くあるようだ。

さらに続けて歯学部・歯科ついて聞くと「医学部に隠れてしまうのでは。病院は存続しますが、本当に必要な事なら、歯学部の偉い人・代表の人が意見を言うのではないですか、わかりません」「少なくとも、医学部の話は聞かれませんでしたし、特別な感慨はないですね」「逆に、歯学部の学生さん、どう思っているのですか」と医療での医科と歯科の存在に戸惑いの指摘もあったが、「工学系で女性学生・研究者は元々少なかったですが、優秀な学生が増加してくると覚悟してます()」「医科歯科大と東工大の文化は違いますが、いずれ“東科大?”に慣れるのですかね。“母校愛”は薄れてくるかもしれないですね。私は“東工大”が好きです」「大学名より、世界から評価される研究がしたいです。海外に行っても」であった。歯科医師の自覚と大学が問われているのが見えた両文化祭であった、