歯科保健の重要性を確認|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

歯科保健の重要性を確認

山本支払基金理事が講演:「歯科保健の重要性を確認」「行政へのアプローチの秘訣」

 

 6月18日、東京歯科保険医協会の総会後、記念講演として、山本光昭氏(社会保険診療報酬支払基金理事)が講演した。テーマは「保健医療に係る最近の話題と歯科分野への期待」。時代背景として、人口構造の変化、情報化や国際化の進展など、我が国の保健医療を取り巻く環境の変化により、医療・介護に係る頻繁な制度改正が行われています。2025年問題・2040年問題、地域医療構想・地域包括ケアシステム、感染症対応、医療DXなどの保健医療に係る最近の話題、歯科分野との関わりからその期待を述べた。 一方、本題と同時に興味深い内容であったのが、全国歯科関係団体等が関心を有する、行政へのアプローチである。それについて山本理事の私的経験から得た方法を紹介していた。本来は一般的には伏す内容であるが、次のように明らかにした。「①業務関係の手続きからアプローチ、②法人幹部の出身高校や大学の同窓のルートを通じる、様々な講演会、セミナーなどで、これはと思える行政官の講師がいた場合、すばやく名刺交換し後日訪問。これはと思う人材には、異動した先にも、法人の報告をする。さらに行政官は数字に対して敏感、論理的思考に共感する」と強調していた。そのキーパーソンになる、意思決定ユニットの基本は、行政ではです。大学では講座がユニットであり、具体的には講座主任教授である」と明確にしていた。講演後も、一人ひとりとの名刺交換を丁寧にしている姿が印象的であった。 講演の内容は次のようであったが、あくまで私見を交えてであることを了解してスタートした。山本理事は冒頭に自身と歯科保健との関係を紹介した。「神戸大学医学部を卒業して医師になりましたが、臨床家でなく旧厚労省に入省して役人人生をスタートしたが、1992年の広島県庁に赴任した時に、歯科保健に出会った」と報告。そこで、「う蝕や歯周病等の歯科疾患は、フッ素の活用、ブラッシングや定期的な健診等を徹底することで、その発病を限りなくゼロに近づけることができるという、予防医学的にも、大変魅力的な疾病分野であった」と打ち明け、歯科の特有性でもあるが、努力の成果が自分の目に確認できることに、他の疾病との相違に意義を見出したようだ。 そこで、政策実践として広島県歯の提案の“5525運動”を“8020運動”に追加。しかし、55歳の患者が「担当の歯科医師から抜歯・ブリッジすると言われ、これでは“5525”ができないといったことが、県歯に疑問とする意見があったという。具体的な数字目標は、“住民自らの目標”として実感していたことであった」と反省を含め理解を深めたようだ。まさに“住民が実感できる目標”が重要だという。それについて、「健康目標は、住民にとってイメージが容易であること、自身の保健行動で、理論上で達成可能であることが条件である。日本語の語呂合わせも検討すべき」など行政としてキャッチコピーも重要であるとした。  さらに課題を指摘したが、「地域に根ざした活動」が必要であり、その実施が問われている。具体的には、行政機関、大学、歯科医師会など歯科組織などの広域レベルでは、人事異動、担当者交代があり、その政策の継続性の確保が必要である。その場合、自分が担当部署を離れても、変わらず継続しているのか自問自答することがある」と述べていた。行政任務への理解・責任感を有しているのが、山本理事の評価される理由といえそうだ。希有な事例であるが、笠間焼を紹介して、ユニバーサルデザインとバリアフリーの意味も説明した。