日本歯科技工士会が社員総会を開催:森野会長“会員数増加を強調”も難問抱え後半スタート|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

日本歯科技工士会が社員総会を開催:森野会長“会員数増加を強調”も難問抱え後半スタート
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 日本歯科技工士会は、第12回社員総会を617日、日技会館で会場開催し、森野隆執行部(20246月予定の定時社員総会まで)と後半のスタートをした。冒頭の挨拶では、「正確な情報を把握・分析して必要に応じて今の時代に就業している歯科技工士に向けた改変を進め、次世代のために少しでも良い環境を作りバトンタッチしていくのが私たちの責務」と強調した。執行部が上程された議案ほか、監事報告、報告事項(一人親方労災保険特別加入制度、広告違反事例への対応、インボイス制度への対応)などの説明が行われた。また、社員から事業推進、法人運営、組織対策、歯科技工所管理からの質問・要望が続いたが、特に組織拡充・会員増強など日技が抱える課題への現状認識を確認する内容が続いた。「歯科技工士養成学校年限の延長は継続するのか、方向転換するのか」「歯科技工士の職域拡大は」「会員減少の中での組織拡充対策の具体策」「新卒入会制度」「CAD/CAMの歯科技工士法違反」「会員増加方法」などが続いた。

 

一方で、歯科技工士の業務等について、注目されているのがデジタル技術の活用。具体的にはCAD/CAM への対応が注目されている。「効率化や均霑化が可能になる一方で、設備導入や維持にかかる費用が高額。操作に慣れるまでに時間を要するなどの課題もあり、小規模な歯科技工所では導入困難となる場合も多い」「CAD/CAM装置等のデジタル技術を活用した歯科技工のみを行う歯科技工所の増加が想定される。このような歯科技工所について、構造設備基準等のあり方についてどのように考えるか検討が必要」「安全性や医療情報の管理等が大前提だが、CAD/CAM装置等を用いた歯科技工の増加に伴い、CAD/CAM装置等のデジタル技術を活用した歯科技工のみを行う歯科技工所の増加が想定される。そのほか、「チェアサイドでの業務」「訪問歯科診療や介護の現場での歯科技工士業務のあり方」「歯科補綴物のトレーサビリティ」などについても、日技が検討すべき項目としている。

 

こうした難問解決・その方向性を示す森野執行部であるが、日技連盟会長が副会長として要職を担っていることから、既に懸念する声も聴かれている。森野カラーが出せるのか。暫く様子見になりそうだ。以上のように森野執行部については、課題が山積しているのは事実で、元日技役員から「執行部の今後の苦労は容易に推測できる。最大は“大臣告示7:3”を含めた経済問題。この議論も今までの検討会で意見が出されていたが、結果は“現状”が示している通り。この問題を再検討するには、歯科医師側との意見が必要になるが」と次期日歯会長になる髙橋英登氏を視野にした指摘をしていた。なお、615日に閣議決定した「骨太の方2023」では、歯科技工士も言及している。文言は次に通り。

 

【骨太の方針2023

全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積・活用と国へ適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士、歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた対応、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。

 

【日技役員】

会長:森野隆(静岡)、副会長:下江宰司(広島)、下澤正樹(北海道)、奥村英世(愛知)、専務理事:松井哲也(広島)、常務理事:大西尚之(新潟)、大西清支(三重)、河西武嗣(神奈川)、石川功和(東京)、榎倫生(和歌山)、片岡均(三重)、松尾博子(東京)、理事:西澤隆弘(東京)、松尾章司(福岡)、高橋祥高(京都)、監事:伊集院正敏(神奈川)、秋山佳弘(徳島)。