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新型コロナ「次亜塩素酸水」風評にNO!普及啓発団体が安全性をPR
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 次亜塩素酸水溶液の活用と普及に取り組む「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」は11日、都内で記者会見を行い、次亜塩素酸水溶液の研究成果の発表と誤った報道に対し苦言を呈した。

 冒頭で「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」の越智文雄代表は「5月28日に経済産業省と独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)による新型コロナウイルスに対する有効性評価の中間結果で、『次亜塩素酸水』については引き続き検証試験を実施すると発表されたが、なぜか次亜塩素酸水には効果がない、空間噴霧すると毒性があるといった偏向した報道がなされている」と言及。「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」として9つのアピールを読み上げた。

 その後、三重大学大学院生物資源学研究科の福﨑智司教授が登壇し、「次亜塩素酸は『塩素消毒』の活性因子で代表的なものは水道水の塩素消毒。適切に濃度を管理すれば微生物に対しては殺菌効果を示すが、人間の健康に害はありません。蛇口をひねれば直接飲める衛生的な水を支えているのが次亜塩素酸」と説明。

 空間噴霧について「浮遊菌は換気や空気の入れ替えで排除できるが、手の触れる場所や床面に非常に多い付着菌をどうやって排除するかというのが空間噴霧本来の考え方。吹き上げた噴霧微細粒子は重力によって落下し、水や次亜塩素酸が揮発しながら粒径が小さくなり、やがて目に見えなくなる。つまり空間中の次亜塩素酸は微細粒子に含まれたものと、気体状次亜塩素酸の2種類ある」。その場合に適切に濃度を制御・管理しなければならないといい、次亜塩素酸の代替指標である塩素ガスの労働安全衛生法の基準および日本産業衛生学会による許容濃度(1日8時間、週40時間程度の労働強度で有害物質に曝露される場合)は0.5ppm(=500ppb)と定められ、この基準を超えない噴霧が必要なのだという。

90立方メートルの無人・閉扉・気流攪拌なしの会議室で弱酸性次亜塩素酸水溶液(pH5.8、50ppm)を2時間超音波噴霧した際の事例では「噴霧口は床から約1m、噴霧機から約2mの地点で床面から天井に向けて濃度を測定した結果、床面で20ppb、天井に近い270cm地点では7ppbです」と発表、基準値に比べた濃度の低さを訴えた。過剰噴霧を想定した測定でも、約120ppbで濃度が一定するという結果を報告。噴霧微細粒子および気体状次亜塩素酸のインフルエンザウイルスに対する不活化も効果が出ていると主張した。

 その後も北海道大学の玉城英彦教授による新型コロナウイルス不活化に関する実証試験、帯広畜産大学による同様の検証試験の結果報告、東京工業大学の奈良林直特任教授によるフィルタベント設備の技術を利用した大容量空間噴霧システムの開発について、さらに米環境保護省(EPA)で3月31日付の暫定版で次亜塩素酸を含む8種の適合消毒薬を認定、これを米疫病予防管理センター(CDC)が使用するなど海外での次亜塩素酸水溶液の採用例を紹介。

 質疑応答で改めて越智代表は「今までにO157や鳥インフルエンザ、ノロウイルス、新型インフルエンザに対して極めて有効であったことは事実として世界中が認識し、多くの学術発表がされている。新型コロナウイルスにも有効ではないかという期待感の中で今回、経産省の有効性評価が途中の段階で効果がない、有害であるといったまったく根拠のない報道が流れてしまった」と憤る。福﨑教授は安全性について「第2類の医薬品に定められている次亜塩素酸ナトリウムには、60000ppmと10000ppmの濃度があり、当然ながら直接人体に触れると皮膚の損傷等が起こります。しかしpHを上手く制御して使うと人体に影響はないけれど、微生物には殺菌効果がある液性に変えることができると1950〜60年代から学術発表されている。そういったものを上手く利用しているのが現状の(次亜塩素酸水溶液の)技術であると考えていただければ」と補足した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、不足するアルコール消毒液に代わる消毒方法の有効性評価が行われている。中でも販売実態や空間噴霧の是非で注目を集める「次亜塩素酸水」だが、一体何が問題なのだろうか。三重大学大学院の生物資源学研究科で洗浄・殺菌工学、界面化学、廃水処理工学を専門とし、『次亜塩素酸の科学 ―基礎と応用―』の著者でもある福﨑智司教授に話を聞いた。

福﨑教授が現在行っている研究や活動内容を教えてください。

福﨑智司(以下、福﨑)「私が所属している海洋微生物学研究室では、海洋環境にいる微生物の中で私たちの生活や産業に有用なものを分離・単離(生体や生物組織から特定の細胞、遺伝子、タンパク質などを分離すること)し、特性を明らかにして利用できる能力は何かを調べる研究を行っています。また、私たちの生活に有害な影響を与える食中毒細菌などをどうやって制御するか、という研究も行っています。ウイルスは厳密にいうと生物ではないのですが、たとえばノロウイルスは海産物を介して食中毒症状を引き起こす微生物に含まれ、研究成果は食品に付着している微生物の制御にもつながっています」

「次亜塩素酸水」の話に入る前に、「微生物制御」の基本的な考え方を教えてください。

福﨑「微生物制御が最も求められている食品産業では、微生物を制御するための二つの手順があります。一つ目は『5S活動』といって、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)のローマ字の頭文字『S』を取ったものです。まず整理・整頓・清掃を行って清潔な環境に整えること、躾というのは整理・整頓・清掃の手順を教え、遵守させることです。清潔とはあくまで目で見てきれいという意味で、この状態ができていない環境で、目に見えない微生物やウイルスを制御しようとするのは順序が違います。皆さん、まずは整理整頓しているか、掃除ができているか、目で見て清潔かを徹底していただき、そのうえで目に見えない微生物を対策いただくことが前提です。

 それができて、二つ目に『微生物制御技術』、つまり洗浄・殺菌・静菌・遮断という方法で目に見えない微生物の対策をします。洗浄は家庭では拭き掃除と考えて良いのですが、乾拭きより水拭きのほうが効果的ですが、いつも床を水で洗浄することはできません。水拭きによってある程度の菌は減少しますが、それでは不完全な場合に何らかの殺菌や消毒を行います。手指やお皿を洗う場合、洗浄で所望する清浄度が得られていれば、もちろん殺菌は必要ありません。

 では、殺菌や消毒にどのような方法があるかというと、物理的方法と化学的方法があります。物理的方法には熱や紫外線などがあって、熱が使える場合には熱を使います。紫外線は自然の殺菌剤です。日光に当てるだけでまな板は乾燥と消毒できますし、衣類についた色や臭いも紫外線である程度漂白や分解ができます。こういった物理的方法が使えない場合に化学的方法を利用し、ここで初めて出てくるのが次亜塩素酸水溶液です。

 微生物制御には『ハードル理論』という概念があります。これは、一つの高いハードルではなく、低いハードルをいくつも組み合わせて微生物を制御しようという考え方です。ですから、次亜塩素酸水溶液さえ使えば目的が達成できるのではなく、そこに至るまでにやることはたくさんある、と考えることが重要です。綿ぼこりが転がっている部屋で微生物を心配しても仕方ないのです。ここを認識してようやく次亜塩素酸水の話に入れるのかな、と思います」

それでは「次亜塩素酸水」とはどのようなもので、なぜ消毒できるのでしょうか?

福﨑「殺菌作用を持つ多くの物質は酸化作用を持っていますが、次亜塩素酸水溶液は『次亜塩素酸』という酸化剤が作用します。殺菌のメカニズムが異なるのがエタノール(アルコールの一種)で、こちらには浸透性があって、微生物あるいはウイルスを構成するタンパク質の機能に損傷を与えます。それ以外にも吸着や浸透圧など、何らかの化学作用を生物に与えることで殺菌作用が生まれるのです。

 次亜塩素酸水というのは、次亜塩素酸を含む水溶液の一種です。次亜塩素酸水溶液の名称は、pH(濃度)と製造方法で分類されます。代表的なものは次亜塩素酸ナトリウムです。次亜塩素酸ナトリウムは次亜塩素酸の濃度が高く、その中に含まれるアルカリ性の水酸化ナトリウムという成分が皮膚に損傷を与えるため、水で適度に希釈して使用されてきました。その後、研究者らによって弱アルカリ性の希釈水溶液に酸を加えて弱酸性に傾けると、同じ濃度でも殺菌作用が高いことが見出されました。1950〜60年代にはすでに、二液混合の次亜塩素酸水溶液が研究や実用の現場で使われていました。さらに、電気分解で強酸性あるいは弱酸性の次亜塩素酸を含む水溶液を生成するのが電解水です。さまざまな次亜塩素酸を含む水溶液を総称して次亜塩素酸水溶液と言いますが、その中の限られたpHの範囲の水溶液を電気分解で生成したのが次亜塩素酸水と捉えていただくといいと思います。

 電気分解というのは、次亜塩素酸ナトリウムの製造方法にも記載があります。電気分解するには陽極と陰極が必要なのですが、その間に隔膜という仕切りを入れないとアルカリ性の電解次亜水という次亜塩素酸ナトリウムの希釈液が生成され、隔膜を入れると陽極側には酸性電解水(次亜塩素酸水)が生成されます。さらに、もともと塩酸で酸性に傾けた水溶液を電気分解して、生成された酸性電解水を希釈することで微酸性次亜塩素酸水にすると言う日本独自の製造方法もあります。

 次亜塩素酸水を食品添加物の殺菌料として認めてもらうために、製造メーカーや関係者はかなりの時間や労力、コストをかけ、やっと2002(平成14)年に食品添加物の殺菌料に認可されました。そうした人たちの大変な努力がある一方で、用語の意味を理解せず勝手に次亜塩素酸水という名称を使って販売や配布を行う実態が見られるようになったので、早い時点で正す必要があります。経済産業省が公表した資料の背景はそこにあると思います」

 身近に使われている「次亜塩素酸水」の事例を教えてください。

福﨑智司(以下、福﨑)「食品添加物の殺菌料として認められていますから、食材を取り扱う食品工場あるいは飲食店の厨房などが中心でした。それから、給食センターなどの大量調理施設ですね。その後、介護施設や家庭にも導入するところが増えてきているんです」

 新型コロナウイルスの感染拡大によるアルコール消毒液の不足から、経済産業省が消毒方法の有効性評価を行なっている「次亜塩素酸水」について、発表内容が二転三転するなど現場の混乱が続いている。

事の発端は5月29日に経産省の要請で有効性評価を行う独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が発表した「『次亜塩素酸水』等の販売実態について(ファクトシート)」「『次亜塩素酸水』の空間噴霧について(ファクトシート)」について、一部メディアが「現時点では有効性は確認されず」「噴霧での利用は控えて」と報道。その後、6月4日付で文部科学省が発表した「学校における消毒の方法等について」において「児童生徒等がいる空間で使用しないでください」と記載したことから、すでに次亜塩素酸水を導入していた自治体や学校が相次いで使用を取りやめ。この動きに対し、6月11日に大学の研究者やメーカーが発足させた次亜塩素酸水溶液の活用と普及に取り組む団体「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」が、都内で安全性のPRと報道内容を否定する会見を開くなどしていた。

 なお、経産省およびNITEは6月に入って発表資料やファクトシートの内容を差し替え。現在は「『次亜塩素酸水』の新型コロナウイルスに対する効果については、検証試験が継続中です」と注意書きがされ、「よくあるお問い合わせ」の項目に「今回の有効性評価は、アルコール消毒液の代替となる身の回りの物品の消毒方法の評価が目的であり、空間噴霧は評価対象となっていません」との回答がある。また、6月16日付で文部科学省が発表した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」では「メーカーが提供する情報、厚生労働省などの関係省庁が提供する情報、経済産業省サイトの『ファクトシート』などをよく吟味し、使用について判断するようお願いします」と記載され、各学校の判断に委ねられる形となっている。

 経産省およびNITEは消毒方法の有効性評価について、6月中には最終的な結果を公表するとしている。

文部科学省が発表した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」(一部)

「次亜塩素酸水」を噴霧した場合の安全性についてはいかがですか?

福﨑智司(以下、福﨑)「空間噴霧という点で二通り考えないといけないのは、噴霧して微細粒子から揮発した気体状の次亜塩素酸、そして液滴の中に含まれた次亜塩素酸を吸引した場合です。気体状の化学物質に対しては、労働安全衛生法や日本産業衛生学会が作業環境における許容濃度を定めており、塩素ガスに対しては0.5ppm(=500ppb)が基準値です。これは欧米でも同じ数値です。居住環境では、さらに1/10あるいは1/50に相当する50ppbあるいは100ppbを超えないようにしています。私たちも検査を行なっていますが、最も濃度の高い足下で20ppbを超えることは滅多にありません。

 微細粒子に含まれた次亜塩素酸を吸い込んだ場合はどうかというと、ファクトシートでは確立された評価方法が見当たらないとしています。それは研究者や事業者も承知していて、実験動物を用いた吸引毒性試験を行なっています。各社ごとに目に入ったら、皮膚についたらといったデータを持っていますが、公表できないのは薬機法に定められた医薬品や医薬部外品ではないからです。低濃度の次亜塩素酸水溶液を用いた吸引毒性試験において、異常が見られたという結果は、私は今まで一度も聞いたことはありません。ですから自信を持って各社で販売しているというのが実情だと思います」

 家庭で「次亜塩素酸水」の噴霧を行う場合に注意することを教えてください。

福﨑「気をつけないといけないのは、狭い空間に対して過剰な噴霧を行うことです。噴霧機にはどれくらいの空間用でどの水溶液を使用すべきかが書いてありますので、そうした使用上の注意を守っていただければ、まず家庭では問題ないと思います。繰り返しになりますが、家庭で次亜塩素酸水溶液の噴霧を行ったとして、それだけには頼らないことです。整理整頓をして、拭き掃除をして、それでも足りないところを噴霧で補いましょう。噴霧量を何段階かに変えられる機械もありますが、何もしないで最大の量を噴霧すれば良いかというと、そういうことではないのです。まずはそこから啓蒙しなければいけません。

 また、今はまとめて次亜塩素酸水と呼んでいますが、次亜塩素酸水溶液の中に次亜塩素酸水という電解水があり、二液混合の弱酸性次亜塩素酸水溶液、そして次亜塩素酸ナトリウムの 今後、「次亜塩素酸水」の有効性評価の結果が発表される予定ですが、福﨑教授が期待されることを教えてください。

福﨑「まず、次亜塩素酸の歴史をたどっていくと150年前から効果があると分かっている成分です。それを今回の検証試験だけで判断することは、むしろ難しいと思いますし、効果なしという結果は出るわけがないと思っています。何年も研究して学術論文が提出され、査読を通過して発表するのが学術研究の手順です。これまでに査読を経て発表された学術研究とどちらを信じるかは、消費者の自律的な判断に任せられますし、次亜塩素酸水に不信感を持つ人は使用を控えていただければいいと思います。

 いろいろな殺菌剤の効果を見る時に、微生物が液体の中に浮遊している状態と、何かに付着している状態では、薬剤に対する抵抗性が違います。何かに付着しているとはるかに殺菌しにくく、その材質がどういう性質の個体表面か、水に濡れやすいか濡れにくいかによっても差が出ます。次亜塩素酸水溶液の洗浄・殺菌上の欠点は、表面張力が高いので濡らしにくいのです。試験方法によって結果が異なることも十分考えられます。一つの条件で効果が出なかった場合に、どうすれば効果が出るのかを検証するのが学術研究です。

 もしも今回の検証試験で効果が期待できないという結果が出たとしても、私たち研究者は一つの結果ですねとしか判断できない、というのが正直なところです。各研究機関では、定められた試験条件にしたがって操作を行うのが評価試験です。条件と結果を提示していただき、結果が期待通りでなかった場合、再び条件を変えて検討を重ねる、そして最適な殺菌操作を見出すのが科学技術なのです」非常に薄い希釈液があると理解していただくといいと思います。