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雑誌プレジデント歯科特集:現状と課題の指摘等&内容吟味と再考

連日、新型コロナ感染症対策の報道がマスコミの情報を占めている。感染者数・臨床現場状況、海外現状など、新聞、テレビ、ラジオ、ネットなど報道。まさに“国難”状況を呈しており、国民への理解・協力を要請している。雑誌プレジデント(5月15日)でも、「免疫力&歯みがき入門」をクローズアップ。さらに併せて歯科特集も企画し、歯科グッズ、歯科治療のポイントなど掲載。本号だけで営業的に歯科関係者からのスポット購読増加が想定していることは論を待たないようだ。
本号では、従来のマスコミ報道と類似の歯周病・唾液の効果を説明。さらに、疾病ごとに、「悪徳ヤブVS最良の神ワザ」と称して、歯科医師である、今枝誠二氏(目黒クリニック)と若林健司氏(若林歯科医院)が比較解説している。さらに、編集部として、歯科関係者への改めての情報になるが、「最先端治療ガイドでIT活用」として、AI歯周チェック、IoT歯ブラシ、遠隔オンライン診療を紹介。また、2020年の国家試験の現状・課題から、10年後の歯学部・歯科医師の状況を推定しながらの内容にも興味を誘うものである。これは、統計上・数字上を計算して、その是非論・課題を論じているが、特別に新しい情報はない内容であるが、「歯医者であふれるが、その中で輝く島根、滋賀、青森!」という“見出し”で読者を誘っているのが印象的であった。
上記の「10年後の歯学部・歯科医師の状況」では大学の合格率アップの工夫を取り上げているが、特に懸念されたのが、「海外からの留学生として入学制度の優秀な学生確保を紹介している。ただ、国試合格し大学の意図に寄与しているが、合格後に母国に帰国することから、日本で懸念されている“歯科医師増加”にならない」としている点。6年間かけて“歯科医師養成”している大学には、補助金が交付されている。かつて、国公立でも次のような事例があった。日本人だが国試合格したが、歯科関係業務に就かず、IT業界に就職し、“歯科医師”の資格を有しての業務は全くしてない、経歴に“資格・歯科医師”は明記できる。「6年間の授業料ほか要請経費など全て税金であることから、歯学部の趣旨から乖離しているのではないか」と問題視する指摘があった。
その他にも、多々議論の余地はあるが、本誌が、一般読者に読ませるのが編集の第一方針であるから理解できる点があるが、“活字”なったことでの影響は看過できないもの事実。歯科業界関係者としては、商業雑誌・マスコミに限界を承知して理解するしかない。ただ、最後は、「私大歯学部の状況は、危機的でも出身者は別。国試を突破した個々の歯科医を出身大学だけで、評価してはいけないだろう」と常識的正論にまとめていた。
冒頭の記事では歯科検診の重要性を、医療問題アナリストの吉野敏明氏(歯科医師・岡山大学歯学部卒)が海外の歯科文化を踏まえて、その必要性を強調している。歯科検診の政策実現への議論は促進は急務と見られ、歯科界の今後の重要な課題である。この問題は歯科衛生士の活用に関係してくる内容であり、本誌でも歯科医師需給問題に並行しながら、「今後は歯科衛生士が稼げる時代」として歯科衛生士に期待を寄せた論調もあった。そこで、看過できない歯科衛生士の活用・業務問題である。以前、日衛で研修講演した「歯科衛生士法の問題点と法改正の方向性」(平林勝政・国学院大学大学院教授)の指摘を、どう歯科界で理解するのかの議論も必要かもしれない。
特集について残念な点があったのが、歯科技工士問題の言及なしということで、編集サイドの意識が希薄であることが露呈。また、歯科医師の最大の関心事・診療報酬の在り方や点数の配点、今後の日歯の在り方、卒前大学教育の課題、厚労省での歯科行政などはカット。あくまで、“一般読者向け”“歯科医師・診療”の編集であると理解するしかない。マスコミは最先端の情報提供が求められ、確かに必要である。その一方で、既存の治療・制度・法律などの再確認も不可欠である。今回の“新型コロナ感染症対策”問題から、歯科を含めた日本の医療の課題が、顕在化したことは否定できないが、本誌特集でも、再考を示唆していると前向きに理解していきたい。

○雑誌プレジデントの編集限界露呈:匿名歯科医師座談会の旧来の論点に識者落胆

 

雑誌プレジデント(515日)の特集の注目点は、4月に既報したが、このたびネット版dmenuニュースが“PRESIDENT Online”を取り上げ、そこで、現役歯科爆笑座談会と称した内容を紹介している。3人の歯科医師の雑談を臨床現場からの声をとして、読者が関心・興味を持つテーマを選択して展開(プレジデント編集部)している。読者には雑誌「PRESIDENT」のイメージから政治経済を中心に硬派の社会問題に言及し問題提起をする編集に良識者が共鳴している。経済的・社会的地位を確保した読者支持層と理解していると理解しているのが大多数と見ている。まさに、政治経済を中心にした多彩な人脈を通しての編集に期待を抱かせているも事実である。

今回の「現役歯科爆笑座談会」の内容には、新鮮味・独特な視点、今後のへ展望はなく、業界の良識識者は落胆したと想像に難くない。問題が指摘された過去からの課題は、既に業界では認識し、改善に全力を挙げているのも事実で、遅々として進捗していなという面もあるのは否定できない。ただし、社会的信用のある雑誌の特集内容にしては、繰り返しの論点に終始している内容に読後感に“期待外れ”“忸怩たる思い”があったことは事実のようだ。“表面的”“話題性”から取り上げるのは、営業企画的には理解はできる。

歯科関係者も「内部の人間なら、議論するし、多少面白い問題にしないと」「コロナ問題もあるし、歯と口の衛生週間も6月にあるし」との意見が交わされたことは容易に想像できる。“齲蝕治療”“歯科医院数”“歯科医師国家試験”“歯科大学合否”“歯科学生レベル”“インプラント治療”などについて熱い議論を進めている。

業界としても問題があるが、こうした現状を生み出す環境を掘り下げてする議論は、例え全国に知れた“商業雑誌では限界”を改めて露呈した点があったことは否定できない。特に“話題性”をマスコミ関係者は懸命に探している現実を知ることにもなった。A歯科医師、B歯科医師、C歯科医師の実在・背景は確認してない。3歯科医師の意見を取り上げ知人・友人の話を吐露して、現実感を醸し出している。

せめて最後のまとめには、3歯科医師から、診療報酬、歯科大学教育、厚労省歯科保健行政、日本歯科医師会会務運営、医科歯科の連携、さらには歯科技工士、歯科衛生士についての問題意識など、専門学者でないこと承知の上で、一人の歯科医師として感じている点を明らかにすることは、本人にも有意義であり責任を自覚できる経緯になると思われる。“保険診療の点数の疑問”、“まだ理解できない指導・監査の問題”、“学会の専門医・認定医のなどが不明感”など不十分・誤解を生むかもしれないが意見が出ていれば、今後の歯科界の課題として捉えられ、有意義な座談会にもなったはず。

歯科医師法第一条「歯科医療と保険指導を司ることによって、公衆衛生の向上と増進に寄与し、国民の健康的な生活を確保する」。3歯科医師はどう理解しているのか、コメントがほしい、知りたいことかもしれない。というより、これは歯科医師有資格者は再確認したい項目かもしれない。