コロナによる歯科の現状|お花茶屋の歯医者 コージ歯科

コロナによる歯科の現状

“ニューヨーク・タイムズ”感染リスク報道:“トップ職業に歯科”に話題提供

 
歯科界として懸念するテレビ放映がこのほどあった。「とくダネ!」(フジテレビ)、「スッキリ」(日本テレビ)で、米国で報道された、“ニューヨーク・タイムズ(315日付)”感染症リスク職業について図表を提示していた。職業別の感染リスクを紹介。感染リスクが最も高かったのは“歯科医師”だった。翌16日、米国歯科医師会は全米の歯科医師に対し、「3週間は緊急治療のみ対応するよう要請した」と紹介・報告。厳しい現状が展開されている中で、「日本人の能天気さにショックを受ける米歯科医」と危機感の希薄さを指摘したコメントも付言していたという。 しかし、日本では今のところ、“普通に診療している歯科医院が多い”と理解しているようだ。いずれにしても、この図表を引用して、番組で、感染症リスクの議論を展開していた。この事態について、歯科医療現場からの声が多く寄せられているという。
 
 
   歯科衛生士たちは「歯を削るタービンとか歯石を取る超音波スケーラーは、目には見えない削りかすや水しぶきが何メートルも飛んでいる」「もし来診者が新型コロナに感染していたら、かなりの量の飛沫を浴びている形になる」と日々感じている恐怖を話す。「マスクやグローブ(ゴム手袋)が不足していて、注文しても全然届かない状態です。先日、院長から『使い回せ』という指示が出ました」という驚きの情報もあった。特に 315日(2020年)付の米“ニューヨーク・タイムズ”紙は、職業別の感染リスクを紹介。感染リスクが最も高かったのは“歯科医師”だった。翌16日、米国歯科医師会は全米の歯科医師に対し、3週間は緊急治療のみ対応するよう要請した」と紹介。“日本人の能天気さにショックを受ける米歯科医”とのコメントも付言した。番組ではさらに、「自分も感染してしまうかも知れないと不安です。本音では、急を要さないものであれば先延ばしにしていただいたほうが、患者さんも私たちも安心です」(歯科衛生士)との話を紹介している。また、「日本で通常通りに歯科診療が行われていると聞いてショックを受けている。唾液が一番の拡散の要因だということは、知られている。歯科医院で働いている人間の健康だけでなく、その日の患者すべてを危険にさらすことになる」(米国・歯科医師)が警鐘を鳴らしているコメントも報告した。
 また、全国的発生しつつある院内感染問題は、日本にもトップクラスの大学病院、地方を支える市民病院、民間病院から続いて報道されている。歯科が併設されていない病院もあるが、併設されている歯科は事態の経緯はとのかく、診療を淡々と冷静に進めて行くしかないが、上記のように、“感染症リスクの高い職業は歯科”がマスコミ報道され、議論になることで、以前から懸念されていた“負のイメージ”が浸透することを懸念している。
番組以前から、今回のような案件には、「歯科医院に行く・行かないの判断は患者自身だが、今の歯科医院は、本当に感染予防に全力を挙げているはず。心配し出したらキリがないですがね」「無理しても来てほしいとは言えないのは事実です。治療中断は避けてほしいですが本人の意思・家族の意向もあるし、よく相談してほしいですね」「感染リスクのトップが歯科医とは。治療している姿をみれば、そう思いやすいですが、何とも言えません」「歯科衛生士が、診療の杜撰さ、内部事情を曝露した話を放映してケースがあるが、残念ですね。あれで、全体の歯科のイメージが作られてしまうので」などの意見が寄せられていた。

新型コロナウイルス感染と禁煙:WHO・都医が禁煙要望・歯科からの啓発も期待

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言も出され2週間が過ぎた。まだまだ、今後の展望が依然として不明である。そうした経緯の中で4月1日から、様々な議論があった改正健康増進法が施行された。国政・都政では激しい議論があったが、受動喫煙防止のための措置として、当該関係者は選択・対応を迫られていた。一方で、新型コロナウイルス感染症の発生が、新たな展開を示唆する結果にもなった。新型コロナ感染症と喫煙の関係が取り沙汰され始めたのは、20202月半ばのこととされているが、専門家以外は漠然とした情報に留まっていたことは否定できいない。

 東京都医師会は、2020312日に記者会見を開き、新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐための「四つのお願い」を公表した。 ①無理せず休んでください、②新型コロナが心配な方。まず電話で相談を、まず電話です、➂喫煙者は、この機会にぜひ禁煙を、④新型コロナ対策による要介護高齢者等への二次被害を考えてください。この4つだが、特に3項目に“禁煙”を入れて「喫煙者の方は、重症化率2.2倍、死亡率3.2倍との報告があります。4月からは受動喫煙防止条例も全面施行となります。非喫煙者のためではなく、ご自身の身を守るためにもこの機会にぜひ禁煙を考えてください」と付言していた。

一方、朝日新聞(424日)で、新型コロナ特集「たばこ 重症化リスクは」の見出しで記事掲載(田村建二・編集委員)。「肺に影響“感染しやすい”指摘」「禁煙すれば免疫力の回復期待」に言及し、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(米医学雑誌)、ヨーロピアン・レスピラトリー・ジャーナル(欧州医学誌)などのデータを引用して報告。「肺炎へのかかりやすさは受動喫煙によっても上がるといわれ、たばこを吸わない周囲の人のリスクも高めるおそれがある。禁煙することで家族などの周囲の人の重症化リスクを下げることにつながるという」とまとめている。

「呼吸器に悪影響を及ぼす喫煙が、無関係というのはどう考えても無理がある。そのため、新型コロナ感染症の予防の観点から、さらに強い禁煙のメッセージが必要ではないか」との見方が常識と見られている。専門家の研究が必要であり、具体的な展開も必要のようだ。禁煙については、歯科に関係してくる領域でもあり看過できない問題でもある。歯科という分野では、口腔疾患への影響等への情報提供はしている。しかしながら、日本禁煙推進医師歯科医師連盟の存在・活動を展開している立場からも、喫煙が感染症に対するデメリットとの指摘を含め禁煙の推進を強調・啓発して行く時期になったとの意見もある。既に、WHOは新型コロナ感染症のQ&Aで「してはいけないことに第一に喫煙」としており、また320日、事務局長談話で「タバコを吸わないこと。喫煙は新型コロナウイルス感染症を重症化させるリスクがあります」と警告を発しているようです。

日歯では20055月に「日本歯科医師禁煙宣言」をしている。要旨は、「喫煙は口から行われるため口腔領域に直接的影響を及ぼし、歯周疾患、口腔がん、根面のう蝕、口唇・口蓋裂、歯の喪失、歯や歯 肉の着色、口臭など、その被害は多様である」と口腔疾患との関係・悪影響が第一の主張になっているが、「口腔領域は喫煙の悪影響と禁煙の効果を直接確認することが容易であることから、歯科保健医療専門職による喫煙対策の推進は効果的であり、 国民の健康に大きく貢献できるものである。このような背景をもとに、 日本歯科医師会は、国民の口腔および全身の健康とより良い歯科治療 を確保するため、喫煙対策が重要な課題であることを認識し、以下に 掲げる行動規範を推奨することにより、積極的に喫煙対策を推進する ことを宣言する」。問題意識の再認識する時期にいることは事実のようだ。

歯科医院の経営環境に懸念:患者抑制機運の浸透と歯科衛生士等の動向も懸念

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止策の影響を受けて、歯科医院を巡る環境は依然として厳しい環境が継続している。東京保険医協会が4月に発表したアンケート結果でも、外来患者数が「5割以上減った」と答えた医科医療機関は3分の1になっているという。歯科では、政府が歯科診療所に対して「緊急性がないと考えられる治療については延期」を要請したことが患者の診療抑制を促しているのではないかと懸念される見方が出てきている。徐々に経済的負担が厳しくなり、歯科医院のテナント料、固定費など払えない状況が顕在化してきている。同時に歯科医院への来院患者の減少が現実になりつつあるようだ。

514日、39県で“緊急事態宣言”解除がされ、21日には、関西府県の解除が見込まれている社会状況であるが、医療機関への抑制患者の動向の調査・予測はまだ出されていない。かつて、医療機関への受診動向に関して、「歯科医院への受診動向を示す受診弾性係数は、医科に比較したら敏感である」と川渕孝一・東医歯大大学院教授は指摘していた。今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止策の影響が指摘されるようになり、現実的に抑制機運が継続されると同時に患者の意識が定着してきているとの見方が強くなってきている。

一方で歯科医院のスタッフの動向も注目されつつある。歯科衛生士のほか歯科助手・事務職スタッフが、勤歯科務医院での“患者動向の変化”に敏感になってきている。これからは、5月末の給料、6月のボーナスの時期が控えており、歯科医院としては、支払の日時を迎えることになる。今や売り手市場の歯科衛生士は、専門学校の先輩・同期との間で、“給料”“福利厚生(有給・退職金制度)”“診療内容”“院長の評価 ”“他のスタッフとの関係”などの情報交換が頻繁のようだ。結果として、「ボーナスを受けたら退職ということで、当事者たちも、歯科医院にも迷惑をかけられないので、一ヶ月前に院長に報告するが、5月末はその時期になる」と歯科医師同士での会話になる。

単純に計算をすれば3月・4月は、患者減少を感じてきた時期である。いずれは、東京周辺の都県での“緊急事態宣言”が解除がされても、従来の患者数に戻る可能性は低いとされている。「口腔チェックは必要だが、患者自身が慎重な受診に変容」「様々な情報を得ることで、本当に必要な診療を判断する」「自身の高齢に伴い控える傾向の助長」など新たな患者心理が生まれてきたことは事実のようだ。

 「歯科医師一人(非常勤歯科医師一人)、スタッフ23名、ユニット34台」の形態となる歯科医院の現状・今後の人材確保・経営に対応を迫られてきている。「もう歯科医師として十分責任を果たしてきたので、一区切りをつける時期かも」(長野県)、「“代替わりの時代になっているのかもしれない”と考えさせられた時期になっている」(千葉県)、「大学同期の先生も、辞める人間が出てきているので複雑な気持ち。もう少し先かと思っていたが考えてしまう」(滋賀県)などの意見も聞かれた。「今までの歯科医療を踏襲する歯科医師から、新しい歯科医療を目指す歯科医師に交代する時期でもあるかもしれない。その意味では、今後の時代を担う歯科医師は不足なのです」と強調している歯科医師(東京都)の指摘にも注目される。

Hをあげていただき、健康を維持しいただくことを願う!

全国保険医団体連合会(保団連)は、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する緊急アンケート」を実施して、その結果の中間報告を「新型コロナウイツス感染症拡大の影響に関する緊急アンケート」第一次集計「速報」として、525日、厚生記者会で行った。関係者から概要・資料を以下に紹介する。個々の状況紹介などは報告・散見されていたが、改めて、医科・歯科の医療機関が具体的な影響を知ることは重要とされていた。こうした背景を受けてのことのようだ。

 

 全国保険医団体連合会では、4月30日から各地の保険医協会・医会を通じて、会員医療機関を対象に、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する緊急アンケート」を実施しました。今回の速報は、5月14日までに寄せられた回答を第1次集約分(約5600件)とし、その一部(約2900件)を集計したものです。回収率等、第1次集約分の確報は6月初旬に公表する予定です。「患者数」「保険診療数」は前年4月比で「減った」 8割超

 速報値では、4月の患者数は、医科医療機関、歯科医療機関ともに8割以上で前年同月より減少しています。また、4月の保険診療収入も、医科医療機関、歯科医療機関の8割超が前年同月より減少したと回答しています。

 

△2~3割の医療機関で減少幅30%以上

患者数、保険診療収入の減少の程度は、医科医療機関では3割超が「30%以上減った」としています。また、同じく、歯科医療機関では25%程度が「30%以上減った」と回答しています。4月分のレセプトは6月の支払となります。6月以降の医療機関の資金繰りに大きな影響を及ぼすことが今から予測されます。個別の医療機関の存続はもちろん、地域医療と国民の健康を確保する面ためにも医療機関の減収分を補填する緊急の手当が求められます。マスク等依然として不足 4割超で防護服「在庫なし」物資については、医療用マスクは依然として不足の状況が続いています。「既に在庫なし」も含め、「在庫1カ月以内」の医療機関が医科で6割超、歯科で5割超となっています。他の物資も不足しており、特に防護服は「在庫なし」が4割超となっています。

 

△「損失補償」「人件費補助」の要望が4割超

 国や自治体への要望として、「損失の補償」「人件費の補助をそれぞれ4割超の医療機関が要望しています。「家賃等への補助」や「資金繰りの補助」などを含め、7割以上の医療機関が、国・自治体による支援策の創設・拡充を要望しています。特に、「損失への補償」「人件費の補助」の要望は、それぞれ4割となっています。「患者の症状悪化」を懸念 「閉院考える」医療機関も自由記載欄には、患者さんへの影響として「受診控えによる症状悪化」を懸念する声が出ています。また、医院経営の点からは「閉院を考える」との声も寄せられています。

 

△「第2波・第3波」に備え、医療機関の立て直しを

 「医療崩壊」とも言われる状況の中で、感染症患者を受け入れている医療機関はもちろん、地域で第一線医療を担っている一般病院、医科・歯科診療所でも感染拡大防止のための費用増や患者減により、日常診療の継続が困難になっています。今後、「第2波・第3波」の拡大も予想されます。地域医療は病院と一般診療所の連携、役割分担で営まれています。個別医療機関が立ち行かなくなれば、その地域の医療体制全体に影響します。

 感染拡大に適切に対応するためにも、減収に苦しんでいる医療機関の立て直しが急務であり、当面、減収分の公的補填など緊急の助成が必要です。コロナ感染症への対応のための第2次補正予算が今通常国会で審議される予定です。今回のアンケート結果(第1次速報)から明らかになったことを踏まえ、地域医療を担う医科・歯科医師の団体として下記の施策の実現を強く訴えます。

(1)医科、歯科医療機関が経営破綻を起こさないよう、減収分を全額補填すること。希望する医療機関には、前年度診療報酬支払額に基づく概算請求を認めること。

(2)医療用マスクや消毒薬、防護服等の防護用品を国の責任で確保し、すべての医療機関に早急に供給すること。