2023/08/04
東京都葛飾区のコージ歯科です!IDI設立20周年記念祝賀会:鴨井理事長「歯科診療所のレベルアップにさらに貢献」
NPO法人歯科医療情報推進機構の設立20周年記念祝賀会が8月3日、東京会館で開催された。まず、鴨井久一理事長から挨拶があった。「2003年にNPO法人歯科医療評価機構としてスタート。2005年に現在の歯科医療情報推進機構(IDI)に名称変更。2008年には、IDI友の会を発足し、逐次会員の要望に応えるべく努力してきました。これからのも会員に寄与すると同時に歯科界の発展と正しい情報の普及に尽くしていきますので今後とも宜しくお願い致します」と新たな意欲を示していた。
続いて来賓挨拶として、大島一博厚労省事務次官が次のように述べた。「厚労省として、今後は厳しい対応を余儀なくされます。それが“人口減少”に伴う、医療環境の激変です。医療関係者は既に承知のことですが、2025年問題/2040年問題がそうです。こうした中で、IDIが歯科医療のレベルアップを目指して、研修会・講演会など積極的に実施してきました。この20年の成果を踏まえ、さらなる活動に期待しています」とした。続いて、西山正徳元厚労省健康局長は、「20年の活動、本当にご苦労様でした。歯科医療の向上、歯科医院の環境設備の整備など、時代の要請に敏感に対応してきていますが、今後にも期待していきたいと思います」としたが、さらに神田裕二元厚労省医政局長からも、「歯科医療も変化していく時代に来ていますが、時代の先を見据えて、必要な研修・講習会など随時実施し、社会のニーズにも対応しています。関係者の努力に感謝します」と謝意する挨拶が続いた。
引き続きIDI設立から今日まで継続運営に苦労してきた松本満茂専務理事が「20年を振り返ると短いようで、長かったかもしれません。正直、色々ありましたが、日本歯科医療を少しでも向上したいという思いでしたが、これも、会員の先生方、役員や関係者の理解・協力があって今日まできたと思っています。私もまだ、頑張って行けそうですので、今後も一緒に頑張っていきたいと思っていますので、IDIを宜しくお願い致します」と今後への活動にも協力を求めていた。参加者の懇親・名刺交換が会場内で始まると、ビデオにより20年の歩みが示された、懐かしい場面を参加者の真剣に見入っていた。
参加者たちからは次コメント聞くことができた。「20年は大変です。研修会・講演内容も工夫しなくてはならないし、参加する方は楽ですが、準備する裏方の苦労は想像以上です。新ためて感謝です」(歯科医師・40歳代)、「研修会でも勉強になりましたが、歯科医師・歯科衛生士には理解してほしい内容などの講義もありましたが、勉強になりました」(企業幹部)などでした。
【歴史】2003年にNPO法人歯科医療評価機構としてスタート。発会式はNHKのニュースでも放映されたが、日歯から日歯広報で「公益を持たない組織体が営利を目的とし、多大の混乱を顧みず、今後進行していくことを容認すれば大変な問題になる」とクレームのした指摘もあり、取り得ず理事会で、2005年に現在の「歯科医療情報推進機構」と名称を変更。関係者は、日歯には誤解があったとして説明している。NPO法人ですので営利目的ではないし、役員は全員無給のボランティア。
【設立趣旨】今、歯科の世界では、歯科診療所についての機能やサービスについて客観的で適切な情報を提供することが、患者さんや保険者から求められている。しかしわが国には、病院機能を評価するための機関は組織されたが、歯科診療所機能を評価する体制はなかった。そのため早くから、歯科診療に関する客観的で適切な情報を提供する第三者機関の設置を求める声があった。NPO法人歯科医療情報推進機構はそうした社会の要請に応えるため、志を高く持った歯科医療研究者や歯科診療所の自発的な参加・協力を得て、わが国で初めて歯科診療所の歯科医療機能を客観的に評価するために組織された第三者機関です。
【主な活動内容】「歯科医療の評価基準の策定と活用の促進」「患者ニーズに基づく医療技術、患者対応の技法と開発の普及」「歯科医療に関する情報開示の適切な方策の検討とその普及」「歯科医療に関する講演会、シンポジウムなどの開催」「歯科医療機関、歯科医師、コ・メディカルスタッフ等に対する研修」。
【取材後記】
IDIの設立・運営における最大の貢献者は誰しも認める松本専務である。それは、幅広く多彩な同氏の人脈に裏付けられている。特に厚労省関係は、設立当初から伺わせていた。もちろん母校・東医歯大学の人脈駆使してきたことは事実である。ただ懸念されることは、重要・貴重な人脈を生かしてきたが、残念ながら“ポスト松本”が見えない。これは松本氏自身の個性が多分にあり、関係者も認知・理解しているが、今後を展望すれば、現状からさらにIDIとしての幹部育成などが問われそうだ。