歯科衛生士学校の半数が定員不足|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

歯科衛生士学校の半数が定員不足

歯科衛生士学校の半数が定員不足:期待に反する現実に歯科院長の困惑・今後に懸念

 

4月になり全国の歯科衛生士養成機関で入学式が実施される時期になった。関係者は歯科衛生士を目指す姿に期待を寄せているが、その一方、臨床現場では、歯科衛生士確保の困難さが露呈し苦情の声が、地方だけでなく都市部でも聞かれるようになっている。マスコミ報道では、歯科医師を支える歯科衛生士にも注目している。取材を受けるような歯科診療所、大学附属病院、企業内診療所などに勤務する歯科衛生士は、将来展望を朗々と語っている。しかし、全国規模の平均的な歯科診療所の形態の多くは、院長一人、歯科衛生士12人、その他12人、ユニット3台の小規模歯科診療所が一般的である。当医院もそんな感じです!

 

“2020年歯科衛生士の勤務実態調査 報告書によれば、近年の特徴として次のように記している、「歯科衛生士が実施している業務は多岐にわたっており、今回の調査結果を参考に歯科衛生士の実践力を高める研修を検討していく必要があります。訪問歯科衛生指導および歯科訪問診療の補助を実施している割合は、それぞれ3割強と前回調査とほぼ同様でした。一方、周術期等口腔機能管理は、病院・大学病院で 7 割強、診療所で 4 割弱であり、いずれも前回調査から12 割増加しました。また、今回から調査を開始したかかりつけ歯科医強化型診療所(か強診)の指定施設である割合は 34 割、口腔機能低下症の検査結果に基づく口腔機能を高める指導、“口腔機能低下症に関する検査を実施している割合は 3 割前後でした。歯科衛生士も医科歯科連携のチーム医療に係る 業務が増大すると推察され、この領域の人材確保・育成も喫緊の課題です」。

 

同時に懸念される課題も生じている。それは、最近の歯科衛生士養成機関における入学定員充足率の低下である。歯科衛生士校は全国に164校、4年制大学もあり、入学定員は過去最高。「求人倍率は20倍を超えることで就職には心配ない」というのも現実のようだ。そうした背景を抱えていながら、養成機関としては入学者数の減少に頭を悩ませているという。さらに入学者のうち1割以上が卒業までに脱落するなど、教育・実習のあり方も問われつつある。歯科衛生士の養成・教育は、これからどうなっていくのか。一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会の幹部は、「歯科衛生士養成学校の定員割れは事実。地域または学校個別ではいろいろな手段で努力の取り組みはしておりますが、なかなか難しい状況です」と厳しい現状を滲ませていた。

 

人材の育成や定着率の向上は経営者にとっても急務と言える。歯科衛生士の定着率の低い多くの理由は、「仕事内容・職場環境への不満」「給与・待遇面への不満」「職場の人間関係」と過去と比較すれば改善されているが、まだ十分でないようだ。日衛が20203月にまとめた『歯科衛生士の勤務実態調査報告書』によると、これまで一度でも勤務先を変わったことのある歯科衛生士は、76.4%3回以上の転職を経験している人は37.2%、4回以上は19.6%。4人に3人が転職経験者であるという。“養成機関の定員割れ”“診療所定着率の低下”などの解決は、喫緊の課題になっている。

 

歯科衛生士の離職について、有志の歯科衛生士に確認(41日・3)。「勤務3年目がポイント。継続・退職を検討時期かも」(歯科診療所勤務5)、「院長次第では。今は随分変わったと思いますが、本音が見えると・・・」(パート勤務)、「他の職種の情報が入手できるので、勤務診療所が問題あると察すれば退職始めるのかも」(フリーランス)、「やり甲斐を感じていれば、結婚・出産で一時休暇しても復帰もできる職場は継続ですね」(歯科病院勤務20)であった。

少子化問題

少子化による世帯規模の縮小、子どもがいる世帯割合の減少を通じて、単独世帯やひとり親と 子の世帯の増大等の世帯類型の多様化が進むとともに、児童数や小・中学校の減少、子どもの社 会性発達に関する影響、地域社会の活力の低下など、様々な社会的影響があげられる。