人は口から老化する!|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

人は口から老化する!

歯科経営&地域創生:書籍「人は口から老化する!」で紹介の小林歯科医師に注目されています!江戸川区と言えば葛飾区の隣です。当医院から近いですね!

 

小林健一郎(東京都・東歯大)、栂安(つがやす)秀樹(北海道・東歯大)、林甫(はじめ=京都府・東歯大)の歯科医師、櫻井薫東歯大名誉教授の4名による書籍「人は口から老化する!」(発行:現代書林・2020年刊=1300円+税)に注目。新たな歯科の在り方、地域連携、地域貢献を示す歯科医院が紹介されている。特に小林氏(こばやし歯科クリニック・東京都江戸川区)は、歯科医院の診療姿勢、他職種の活用事例を報告。診療内容を平易に説明しているが、同時に地域貢献・地域つくりを視野に入れている点に一目置かれていることから、クローズアップして要旨紹介していく。

冒頭、“オーラルフレイル”の言葉の意味から説明・対応をしている。“口の機能低下”“口の老化”と表現。その“オーラルフレイル”予防への取り組みをしながら、将来の歯科の在り方を示唆している。「チーム医療で患者さんを守る」「歯科医院では、珍しい臨床検査技師の存在」「新たな雇用と文化の創造」「一人乗りのビーグルを使って看護師、管理栄養士が動く」「暮らしの保健室を開設」と診療に関する内容を展開。さらに「江戸川区の摂食嚥下医療資源マップ作製」「地域の社会インフラを歯科で創っていく」「外出の機会を作る外来、コミュニティー」と続く。

 

以上の内容から既に理解されるが、従来の歯科医師・歯科衛生士による歯科診療から、必要性に求められ、臨床検査技師、看護師、管理栄養士などの職種が診療に必要となり、連携して診療展開をしていく。そこで改めて痛感したことが「歯科診療が難しい人に“訪問歯科診療”」ということであったという。それは、1994年の健康保険法改正にて、在宅医療が診療報酬で認められたことが転機だと指摘する。もちろん以前から往診している医師・歯科医師はいたが、整理された制度は確立されていない状況であった。まさに、“第三の医療”がスタートした時期であった。歯科医師・歯科衛生士・コーディネーター(管理栄養士兼任ケース)による一つのチームを結成して訪問歯科診療していく。

 

そこからも新しい展開として、“暮らしの保健室・かなで”を開設。そこでは、介護、身体、歯や口の悩み、食事などの相談を受ける場所にしている(現在の運営は他組織)。目標は、住民主体の街づくりをサポート、専門職同士の交流の拠点づくり、社会資源の発掘と地域への情報発信を掲げている。具体的は、上記の江戸川区の摂食嚥下医療資源マップ作製」「地域の社会インフラを歯科で創っていく」「外出の機会を作る外来、コミュニティー」だという。なお、櫻井東歯大名誉教授は小林歯科医院の顧問を務めているが、「高齢で一人暮らしが多い日本では、中高年の多くは“オーラルフレイル”の危機に直面しているといえます。口の対策が整ったら、可能な限り外出しましょう。孫に会いに行く、買い物に伴い店員と話す。さらには地域のイベントに参加したり、地域住民が集う場所に行くことも宜しいかと思います。日本老年歯科医学会員として、スピード感をもって多くの人にオーラルフレイルを伝えていきたいと思います。多くの人が最後まで、元気で美味しく食べられる、そんな社会を作ることにお手伝いできれば。こんな嬉しいことはありません」と本書最後に、個人的感慨と日本老年歯科医学会員として期待を込めて述べている。

 

なお、地元の歯科医師からは「マネのできない診療スタイルだね。行動する歯科医師かな」「大学の後輩だが、時代が変わったのかもしれないが、昔にはいないタイプ」という評価されている。

目次 : 第1章 オーラルフレイル「口の老化」に要注意(オーラルフレイル対策が健康寿命を延ばす/ 高齢者を専門で診る「老年歯科」で気づいたこと ほか)/ 第2章 オーラルフレイルにならないための習慣(オーラルフレイル対策1 いろいろなものを食べよう/ オーラルフレイル対策2 孤食はしない ほか)/ 第3章 オーラルフレイルを防ぐ―東京都江戸川区での取り組み(人生の満足度を高めるために、オーラルフレイル対策が欠かせない/ 「人の役に立つ仕事がしたい」と歯科医師に ほか)/ 第4章 オーラルフレイルを防ぐ―北海道帯広市での取り組み(十勝でオーラルフレイルに取り組む/ しのびよる食の砂漠化 ほか)/ 第5章 オーラルフレイルを防ぐ―京都府京都市での取り組み(京都市南区で20年以上、実施されてきた「医科歯科連携」/ 地域の仲間たちと訪問歯科診療のセンターを開設するまで ほか)

【著者紹介】
小林健一郎 : こばやし歯科クリニック院長、歯学博士。1999年東京歯科大学卒業。2005年東京にて、こばやし歯科クリニック開設。2014年東京歯科大学有床義歯補綴学専攻生修了、2015年東京歯科大学老年歯科補綴学歯学博士取得。2015年東京歯科大学老年歯科補綴学講座非常勤講師、2019年徳島大学産業院招聘教授。所属学会は、日本老年歯科医学会(専門医・指導医・評議員)、日本補綴歯科学会(評議員)、日本口腔インプラント学会、日本臨床歯科CADCAM学会(関東甲信越支部副支部長)。臨床研修指導歯科医。プログラム管理責任者

櫻井薫 : 東京歯科大学名誉教授、こばやし歯科クリニック顧問。1978年東京歯科大学卒業、1982年東京歯科大学大学院歯学研究科修了、東京歯科大学歯科補綴学第一講座講師、1984年アメリカ合衆国タフツ大学歯学部Visiting Assistant Professor(2年間)、1993年東京歯科大学歯科補綴学第一講座助教授、1997年東京歯科大学歯科補綴学第一講座主任教授、2006年東京歯科大学有床義歯補綴学講座主任教授(講座名変更により)、2014年東京歯科大学図書館長、2015年東京歯科大学老年歯科補綴学講座主任教授(講座名変更により)、2016年東京歯科大学大学院歯学研究科研究科長、2019年東京歯科大学定年退職。所属学会は、日本老年歯科医学会、日本補綴歯科学会、日本歯科医学教育学会(名誉会員)

栂安秀樹 : 医療法人秀和会つがやす歯科医院理事長・院長、食と健康支援ネットワーク代表、歯学博士。1975年東京歯科大学卒業、歯科補綴学第一講座入局(総義歯学)。1979年帯広にて、つがやす歯科医院開院。1998年帯広大谷短期大学非常勤講師、帯広高等看護学院非常勤講師。2001年食と健康支援ネットワーク設立。2009年昭和大学口腔衛生学博士号取得。2009年東京歯科大学非常勤講師、2010年岡山大学非常勤講師、2019年東京歯科大学臨床教授。所属学会は、日本老年歯科医学会、日本補綴歯科学会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会

林甫 : 林歯科医院院長、歯学博士。1972年東京歯科大学卒業、東京歯科大学歯科補綴学第三講座助手。1978年東京歯科大学歯科補綴学第一講座講師。1981年東京歯科大学歯科補綴学第一講座非常勤講師、京都にて、林歯科医院院長就任。所属学会は、日本老年歯科医学会、日本補綴歯科学会(専門医・指導医)、日本摂食嚥下リハビリテーション学会(認定医)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

【江戸川区】:東京都の最東端で首都圏の中心に位置し、面積 49.09km2、人口約. 70 万人の全国有数の大都市。65歳以上の区民の方が毎年受けられる江戸川歯つらつ(はつらつ)チェック(口腔ケア健診)を実施し、介護予防につなげている。