2023/03/25
東京都葛飾区お花茶屋のコージ歯科 貝塚浩二です、
3月18日、文化放送の番組「ロンドンブーツ1号2号田村淳のnews Club」で照山裕子氏(日大歯学部卒)が、自著「新しい“歯”のトリセツ」(日経BP:1600円+税)を紹介しながら歯科の重要性を説いていた。冒頭、“食べる力”を保つことの重要性を強調し、そのための「歯」を救う5つの新常識を上げた。「歯みがき前に、口の中を見ながらストレッチ」「フロスは歯ブラシより“前”!よく汚れがとれる」「歯みがきしても、シャカシャカ音がしないのがいい」「フッ素入り歯みがき剤を使った後のうがいは1回」「うがいは高速ぶくぶくで、お口のトレーニング」。「自分の歯で長く食べ続けるには、まず、自分の歯をよく知ることが大切です」とした。臨床現場から患者の声を紹介しながら、「歯科検診も含めて、これまで何万という方の口の中を見て来ましたが、体質や肌の色が違うのと同様に、歯や歯茎の状態も個人差が大きいことを実感。口腔中も加齢によって当然変化しますが、60歳でもケアが行き届き、美しい歯・歯茎を保っている方もいます」と指摘すると、田村氏は「私は4ヵ月に一度、歯科医院に行き検診してます」と留意をしていることを強調していた。一方で、「若人でも、老化しているケースもあります。そういった方々と接していると、“自分の口の中を知ること”そして“自分に適した歯のケアの知識”が重要なのだと痛感します。一人でも多くの方に歯を大切にしてもらいたい」と訴えた。すると番組スタッフが、「歯は見ているのですが、どこが悪いのか知ろうとしないのが現実。少し痛くなったり、沁みてきたら気になるのですが、そのまま放置。結局、我慢できなく痛くなったら歯科医院に行くケースがほとんどですね」と話すと、「それは昔の話だよ。今は予防を意識しないとダメだよ。時代遅れだよ!」と田村氏が改めて時代が変わったことを強調。
特に注目されたのが、歯科医師や歯科衛生士によるプロケアとセルフケアを取り上げたこと。「セルフケアを完璧にしていれば、歯科医や歯科衛生士によるプロのケアは必要ないのでは、と言われることがありますが違います。いくらセルフケアが完璧でも、年齢とともに起こる変化に気づかない場合があるのです。そのためには定期的なプロのチェックが必要です。セルフケアとプロのチェック。この二つこそ、“食べる力”を失わないために重要」とした。さらに、近年、話題になっている“舌”の活動が食事に不可欠であり、その重要性が指摘されています」と付け加えた。
最期は、「今日の話をもう少し詳しく知りたければ、先生の本を買って下さい、ですよね(笑)。まあ、結論は、歯は大事だということです」と笑いながらまとめて番組は終了。歯科関係がマスコミで取り上げられケースが増えているが、それを有効に活用することが歯科界の課題かもしれない。歯科からの情報発信者の一人として、歯科界としても今後もさらなる活躍が期待されている照山氏。某スポーツ新聞にてコラム「エンジョイ健口ライフ」を連載していたが、一般マスコミでは取り扱うことが少ない“歯科技工士”を取り上げ、「歯科医療を支える歯科技工には、高い技術と経験値が必要とされ、こうしたスペシャリストの存在なくして成り立ちません。特に日本の歯科技工の技術は大変優れています」と紹介している。歯科界を広い視野から主張していた。
【照山裕子プロフィール】
歯科医、歯学博士、厚生労働省歯科医師臨床研修指導医、東京医科歯科大学非常勤講師