歯科も注目“喫煙率低さ”|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

歯科も注目“喫煙率低さ”

葛飾区お花茶屋歯医者コージ歯科貝塚浩二です、健康経営と企業業績の関係:歯科も注目“喫煙率低さ”が生産性向上を示唆

 

日本歯科医師会は、口腔の健康増進に積極的に取り組んでいる企業などの法人の取り組みについて、優良な法人を表彰すると同時に、これらの事例を周知して、多くの法人の口腔健康増進への取り組みを推進することを目的にしている「健口スマイル推進優良法人推賞制度」を2023年度(令和5年度)に創設・スタートすることにした。企業法人への歯科的アプローチになり、今後の動向が注目される。

 

一方、経済産業省(経産省)による制度として実施している「健康経営優良法人認定制度」が2016年度(平成28年度)に創設されて活動している。「健康経営」とは、「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つで、経産省では、健康経営に係る各種顕彰制度としたが、優良な健康経営に取り組む法人を“見える化”することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価を受けることができるとするものである。従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されている。

 

徳仁会中野病院(栃木県栃木市)の青島周一氏(薬剤師・城西大薬学部卒)氏が、日刊ゲンダイ(127)「オモシロ医療論文」で、「従業員の健康管理が、企業の業績や株価につながる?!」と題して、論文(要旨)を紹介している。健康経営と企業収益を検討した研究論文が、公衆衛生学の専門誌に掲載(2022923日付)されたという。「日本企業1593社が対象。収集されたデータから従業員の健康因子(生活習慣など)と企業収益と関連性を予測する統計モデルを作成。この統計モデルを用いて企業収益に影響を与える健康因子を調査したところ、最も大きな影響を与えていた原因は“喫煙率の低さ”であった。生産性を低下させる健康リスクを特定して対処することで、企業収益の貢献に貢献できるかもしれないと、著者関係者が結論付けている」と紹介している。

 

健康因子と企業収益の関係調査から、より影響を与える要素が“喫煙率の低さ”となると、禁煙対策が問われてくるが、既に日本禁煙推進医師歯科連盟は、活動方針(下記参考)の下で活動している。歯科は口腔の専門職であり敏感に対応している。連盟の歯系役員には、運営委員:大森みさき(日歯大新潟病院総合診療科准教授)、監事:埴岡隆(福歯大口腔歯学部口腔保健学講座教授)がメンバーにいる。新たにスタートする「健口スマイル推進優良法人推賞制度」にも影響を与えると期待される。なお、タバコに関しての学会としては、日本禁煙学会(理事長=作田学前杏林大学教授)があるが、理事に尾崎哲則日大歯学部特任教授(日本歯科管理学会理事長)、評議員に稲垣幸司愛知学院大短期大学教授が要職に就いている。

 

禁煙活動をしている企業は、口腔の健康増進に積極的に対応しているとされれば、健康経営に与した企業と評価される要素の一つになる。上記の日歯の新規事業健口スマイル推進優良法人には、禁煙の促進活動は必要な要素になる可能性があり、大きな期待が寄せられる。日本禁煙推進医師歯科連盟の 活動方針は次の通り、①あらゆる場所の受動喫煙防止を推進すること、②医療機関、地域および職域での禁煙指導を行うこと、➂たばこの害に関する正しい知識を普及させること、④国内外の医師および歯科医師等による禁煙団体との連携を行うこと、⑤その他、目的を達成するために必要な活動をすること。