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医師が監修「歯周病対策で生活習慣病を防ぐ」
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医科疾患予防&改善になる指摘

歯周病

どんな病気?

 歯周病は、歯垢中の細菌による炎症の結果、歯を支える骨(歯槽骨)や歯肉が破壊されていく病気です。歯垢は細菌とその排泄物の塊で、食べかすではありません(もちろん食べかすもお口の中の汚れです)。たとえ口から物を食べなかったとしても口の中の細菌は増えていきます。したがって、歯と歯肉の境界、もしくは歯と歯肉のすきま(歯周ポケット)の歯垢が放置されると、食事をしなかったとしても細菌が増え、炎症が起こり、歯の支えが破壊されていくのです。

 歯周病では、痛みなどの自覚症状はあまりありません。そのため、歯がグラグラしてきた、体調を崩したら急に歯肉が腫れたといった症状を感じてきたときには、実はかなり重症な歯周病である場合も珍しくありません。これまでむし歯もなく、歯医者さんに行く必要を全く感じていなかった方が、抜歯をせざる得ないこともあります。

 しかし、歯がぐらつき始めてからの歯周病治療は大掛かりになりますし、他の歯への負担を考えて、抜歯するしかないこともあります。歯の本当の大切さを、失ってからしみじみ実感するようなことにならないよう、歯周病をしっかり治療していきましょう。

 歯周病は、歯を失うばかりではなく、糖尿病や動脈硬化などの病気にも関連することが分かってきています。お口のみならず体全体の健康のためにも歯周病をしっかり管理していくことは大切です。

 歯周病と全身疾患の関係は歯科界では既に承知・理解されている。国民の間にも浸透しつつある。一般マスコミもその理解・啓発に向けて書籍が発行され、中には医師・歯科医師の共著も散見されているが、そのケースの大半は、各立場から歯周病について論じている。そうした状況の中で、()太洋社が「歯周病対策で生活習慣病予防」を発行(2023110日付:価格530円+税)。書店・コンビエンスでも販売された雑誌本である。著者がいるわけでなく監修者・岡田正彦氏(新潟大学医学部名誉教授)である体裁を取っている。同氏は歯科医師でなく医師である。歯周病と全身疾患について、写真・イラスト・カット引用して読者が気軽に読めるように編集されている。ただし、編集・制作「“歯周病対策で生活習慣病を防ぐ”制作委員会」と付記してある。委員会にはどうような人がメンバーかは不明。医師・歯科医師のWライセンス資格者もいるが、“医師”の資格者が単独で、歯科分野に精通している人がいるのか戸惑いがあったが、あくまで監修という立場にした発行社の意図を知りたい点もあるが、岡田氏・本書内容を紹介しておく。岡田氏は、現在、水野介護老人保健施設長という要職に就いているが、専門は予防医療学、長寿科学であるからして、当然ながら、監修になったと理解される。1981年:新潟日報文化賞、2001年:臨床病理学振興基金「小酒井望賞」を受賞している。新潟大学医学部となれば当然ですが、歯学部も想起される。同学部の研究・活動、特に予防分野は歯科界で評価されている。岡田氏は冒頭で次のことを主張している。「“歯科健診がいよいよ義務化!?”35年後をめどに国民皆歯科健診の導入が検討されています。これは、歯科健診の義務化ともいえる制度」と指摘。歯周病がさまざまな病気に影響を与えることが解明され歯周病を予防・改善することが健康維持に欠かせない。さらには医療費削減、国の負担を減らしたいという思惑もあるとする背景がある」としている。やはり、国民皆歯科健診の重要性の趣旨が“骨太の方針2022”に明記されたことで、政府の方向性が示されたを改めて受けたことの理解を示されたともいえそうだ。歯周病と病気の関係を“内科医”の立場で解説するとしている。ここで初めて医師としての専門性を明らかにしている。最後は、「近い将来導入される歯科健診の義務化に向け、今から対策を講じましょう」と訴えている。具体的には以下の通り。歯周病が影響を与える病気・症状として、糖尿病、高血圧、動脈硬化、認知症、肺炎、がん、脂質異常症・メタビ、産婦人科疾患、骨粗鬆症、関節リウマチを挙げ説明。そして歯周病を予防・改善する方法を示している。繰り返すが本書では、医科歯科を通しての歯周病関連について、言葉の選択・文章も理解しやすくしている。さて、最近の歯科のキーワードになっている、栄養、運動、唾液さらには歯科グッズにも言及しその重要性も重ねて主張している。歯科の専門家の姿が見えないことから不安・懸念もあったが、まさに今後は、医科歯科連携の臨床報告・エビデンスも求められてくる。結果によって連携評価に影響を与えるが、厚労省なども注目している。マスコミにも注目されるのが、誰が執筆、取材を受けているのか。時代の背景・推移があることから対象者が変わるのは当然であるが、基本的に確保する理念・方法はその度確認する必要はある。医科・歯科の専門家と同時に患者・国民にも医療・疾病への理解が一層求められてきているのも現実である。だからこそ、歯科がクローズアップされ続け、医科・医師にも関心・理解がされてきている。だからこそ、歯科へのマスコミから取材依頼・要請があり、広く理解を求める役目は歯科にはあるので、医師への理解を促す意味でも奮闘を期待したい。