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東医歯大歯周病、摂食嚥下リハ分野等の連携研究
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葛飾区お花茶屋歯医者 コージ歯科 貝塚 浩二です、1118日、日経バイオテクがプレスリリースした、。東医歯大大学院医歯学総合研究科の歯周病分野と摂食嚥下リハビリテーション学分野と認知神経生物学分野の協同研究について!

  歯科の分野から、従来の補綴・歯周・保存などの分野が当然であるが、摂食嚥下等も歯科との関係の研究が報告されるようになり、研究対象も食品の開発にも及ぶようになってきたのも一つの特長になってきた。1118日、日経バイオテクがプレスリリースした。東医歯大大学院医歯学総合研究科の歯周病分野・片桐さやか准教授、同大摂食嚥下リハビリテーション学分野・戸原玄教授、中川量晴准教授、長澤祐季大学院生らの研究グループが、同大学認知神経生物学分野・上阪直史教授、東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター分子遺伝学研究部の廣田朝光准教授との共同研究で、“キサンタンガム系とろみ調整食品”が食後血糖の上昇を抑制し、長期摂取により回腸の糖・脂質代謝関連遺伝子発現量、腸内細菌叢を変化させることを明らかにしたものである。専門領域の研究発表で臨床家には関心は薄いが歯科関係者には、概要の理解はしておく必要があるようだ。

そもそも本研究の背景については、次のように説明している。「高齢者や嚥下障害者が、誤嚥を防止するために日常的にキサンタンガム系とろみ調整食品を摂取することは少なくありません。キサンタンガム系とろみ調整食品には、水溶性食物繊維であるキサンタンガムが含まれています。過去の研究から、水溶性食物繊維が、食後血糖の上昇を抑制させることが明らかになっています。しかしながら、キサンタンガム系とろみ調整食品の食後血糖への影響、長期的な摂取が、腸管や腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすかはこれまで明らかにされていなかった」。

また、本研究グループは、「キサンタンガム系とろみ調整食品を長期摂取した後の食後血糖への影響、腸管での遺伝子発現や腸内細菌叢の変化について評価するため、粉末状のキサンタンガム系とろみ調整食品を生理食塩水に溶解し、ラットに5週間摂取させました。摂取開始から4週後に、血糖値への影響を調べるため、経口グルコース負荷試験を行いました。その結果、キサンタンガム系とろみ調整食品を摂取させたラットの血糖値の上昇は抑制されることがわかりました」と成果の一部を報告。

こうした研究の意義についても「誤嚥防止に用いられる、キサンタンガム系とろみ調整食品が食後血糖の上昇を抑制することを動物モデルで明らかにしました。長期摂取により、回腸の糖・脂質代謝関連遺伝子発現量、腸内細菌叢の変化が起こることを、次世代シークエンシングの網羅的解析を用いて証明しました。得られた知見から、キサンタンガム系とろみ調整食品の摂取が糖・脂質代謝を改善する可能性が示唆され、今後の臨床応用が期待されます」と今後のさらなる研究に期待を寄せた。

以上の成果は、歯科を含め関係領域分野の連携の成果でもあり、こうした研究への期待は高くなっていく。なお、本研究は国際科学誌Journal of Functional Foodsに、20221110日にオンライン版で発表されましたようだ。

日経バイオテクについて

 「日経バイオテク」は日本最大のバイオ専門メディアです。198110月の創刊以来、バイオテクノロジー分野の研究開発や事業化に関する最新情報を報道してきました。年間の記事本数は4000本を超え、記事のアーカイブは8万本以上あります。

 ニューズレター(冊子)は原則、隔週刊で発行しています(年24冊)。19962月に「日経バイオテクONLINE」を立ち上げ、冊子よりも早く、より詳しい記事を配信してきました。201110月に「Biotechnology Japan」と統合して、バイオ分野のポータルサイトとしてサービスを拡充しました。また、2016年には、複数のIDに対応した法人版サービス「Pharma Business」の提供も始めました。

東医歯大歯周病、摂食嚥下リハ分野等の連携研究

摂食嚥下リハビリテーション学分野は、20204月高齢者歯科学分野から独立する形で設立された。超高齢社会日本において、摂食嚥下リハビリテーションを軸とした高齢者医療および障害者医療を実践できる人材の育成を目指している。臨床の対象者は高齢者のみならず成人や小児にも対応し、診療形態は外来患者および在宅や施設療養者への訪問、医学部および歯学部附属病院入院患者への対応、そして近年オンライン診療も開始した。研究は、摂食嚥下機能やその訓練方法に関わるものだけではなく、口腔周囲筋(舌、咀嚼筋、嚥下関連筋)の加齢変化や全身との関連、経口摂取と経管栄養が全身にもたらす影響の違い、質的研究なども行っている。