国民皆歯科健診,歯科健診の具体策としての工程表などは今後の議論とされているようだ。|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

国民皆歯科健診,歯科健診の具体策としての工程表などは今後の議論とされているようだ。
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葛飾区お花茶屋のコージ歯科です、時代経緯と“歯科健診”:問題意識の啓発が現実的効果&制度的な政策展望は未定

 

毎年の歯科健診を義務化する国民皆歯科健診の導入を検討することが、「骨太の方針2022」に盛り込まれ話題になった。歯科業界からは歓迎の声が上がる中、歯科健診の具体策としての工程表などは今後の議論とされているようだ。本来であれば、乳幼児から高齢者まで国民が保険診療で“予防”が制度としてあればと、いわゆる“あるべき論”では盛り上がるが現実的にはそうならない。しかし、現実的には、歯科研究の進展とデータからも口腔疾患と全身、その方法論・政策の重ねての議論から、時代に押し出されたように、“歯科健診”の重要性を社会に知らせることになった。歯系議員の地道な議論、臨床現場の歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士等の歯科専門家の臨床活動の集結でもあると捉えられる。同時に、ネット社会の普及・浸透も看過できない要素でもある。

歯科健診は現在、1歳半と3歳の乳幼児、就学時や小中高生らを対象として、自治体などに義務付けられている。約7割の自治体では、40歳から10年ごとの節目に歯周病検診などが実施されているが、義務化されているわけでなく本人の意思に委ねられている。この健診のシームレス化が不可欠という認識は歯科関係者共通認識であったのは事実といえる。

振り返れば厚労省は2000年の「健康日本21(2010年までの健康づくり目標値等)を提示。その基本方針の中で、9項目の中で“歯の健康”が明示されている。それは“8020運動”にリンクして行く。また、健康増進法(2002)の保健指導等で、「住民の健康の増進を図るため、医師、歯科医師、薬剤師などの専門職の生活習慣病の改善に努める云々」と記された。当時、公衆衛生・予防歯科を担当していた大学関係者の一人は、「法律の趣旨に支柱にして、歯科保健事業を展開していくべきです。改めて歯科関係者の対応が問われるのかもしれません」とコメントしていた。

2000年当時の日歯役員は以下の通り(敬称略)。会長:中原爽、副会長:村上勝、梅田昭夫、宮下和人、専務理事:光安一夫、常務理事:齋藤憲彬、菊池豊、長谷宏一、豊川輝久、兵頭英昭、蒲生洵、藤岡道治、三宅公雄、赤司幸男。

また、主な学会等の責任者は次の通り。日本歯科医学会会長:齋藤毅、副会長:藍稔、総務理事:金子譲、専門分科会:日本歯科保存学会会長:岩久正明、日本補綴歯科学会会長:田中久敏、日本口腔外科学会理事長:瀬戸皖一、日本矯正歯科学会会長:花田晃治、日本口腔衛生学会理事長:宮武光吉、日本小児歯科学会会長:木村光孝、日本歯周病学会理事長:岡田宏、日本老年歯科医学会理事長:稲葉繁、日本学校歯科医学会会長:西連寺愛憲、日本口腔インプラント学会会長:末次恒夫、日本歯科技工士会会長:佐野恵明、日本歯科衛生士会会長:中西ヨシヱ。当時の学会で中心話題は何であったか、振り返ることも必要かもしれない。以後の歯科界の歩みを経て今日に至っていると理解したい。同年には、WHO歯科部長のバームス氏が来日し日歯会館で、「歯科医療の将来を語る」講演があり、後日広報で報道され、侃々諤々の議論があった時代もあり、大きな変革期だったといえる。

こうした行政の歴史を理解し時代を歩んだ歯科医師等の活動・問題意識の再認識・再確認は必要である。そこから現状課題の解決に向けての示唆がある。「医療政策の結論は、“医療の質向上論”は脇に置かれ“医療費削減”」との論調もある。そこの論議も公的場所で傾聴したいのも事実である。こうした中で、懸念されるのが、日歯代議員会、日歯連盟評議員会などの質疑応答等が、コロナ禍でもあり減少している。結果として知らない中で決定しており、その報告会になっているとの指摘が散見されている。“歯科健診”についての学会・開業医レベルの活発な議論は見えない。資料配付やネット公開で十分とは理解されないはずで懸念だけが強くなりつつある。