6月は食育月間|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

6月は食育月間

6月は食育月間・再確認必要:歯科的介入の必要性・啓発活動の促進

 

6月は食育月間。農水省、厚労省、文科省などの関係団体などでは、社会・国民で盛んに“食育”を啓発・PRをしている。平成17610日に食育基本法が成立し、 同年715日から実施された。食育基本法が成立し今年で17年。全国に浸透し理解が深まっている。この法律が制定された目的は、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるようにするため、食育を総合的、計画的に推進することにあります。 そもそも“食育”とは何か。食育基本法の中では、“食育”を次のように位置づけている。 ①生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎と なるべきもの、 ②様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を 育てること。日本歯科医師会と日本栄養士会の間で、その必要性を踏まえた宣言がされた。

 

「健康づくりのために食育推進共同宣言」

①生涯にわたって安全で快適な食生活を営むためには、栄養のバランスをとりながら、しっかり噛むことであり、それを通して、味わい深く、心豊かな人生を営むことを目的とした食育を推進する。②嚥下するまでに30回程度は噛み砕くのに必要な固さの食品や料理を選び、さらにそれを一口に30回以上噛んで味わう食べ方である「噛ミング30(カミングサンマル)運動」を推進することで、「食」と「栄養摂取」と「健康」のあるべき形を推進する。食に関わる団体等と連携・協働し、食育の重要性を広く国民に訴え、社会的な活動として、これを推進する。

「食」の専門職として歯科医師、管理栄養士・栄養士は、われわれのみならず「食」と「健康」に関するすべての職種が、健全な食生活を実践することのできる人間を育て、すべての人々が健康で心豊かな食生活を営むことができるようにその責務を果たすと同時に、互いに連携・協働して国民運動である食育を広く推進することをここに宣言する。

平成2247
公益社団法人日本歯科医師会会長 大久保満男
社団法人日本栄養士会会長 中村丁次

 

また、小冊子「食育のすすめ」(監修:巷野吾郎・母子保健推進会議会長)では、“食育”について説明している。“違いのわかる舌は幼児期に作られる”として、舌についても言及している。近年、咀嚼・嚥下に不可欠として改めて注目されている。冊子では、味覚の形成には、“よく噛むこともたいせつ”として以下のように説明している。「食べ物をよく噛んで食べることで、舌の味覚神経や嗅覚が刺激され、味覚が鋭くなっていきます。また、噛めば噛むほど唾液が出てきます。唾液の中の酵素は、消化吸収を促進し丈夫な歯と顎を育てます。さらに、よく噛んで食べると早食いをしなくてすみ、肥満の防止になります。最近では、噛むという刺激が脳の発達の手助けになることもわかってきました。脳の血液の循環をよくし、ホルモンの分泌を促し、結果的にものを覚えたり、学修する能力を高めることにもなる」。食生活の著しい変化で10年以上が経過し、マンネリ感は回避すべきであり、改めて確認は必要のようだ。

参考までに、食育に精通し一家言を有している某大学名誉学長(歯科医師)が私見としたが、示唆に富む事例を紹介しておく。「日本の食卓では、父親、母親、兄弟が座る位置が決まっており、しかも各自のお茶碗、お箸も決まっている。自然に互いの存在を意識・気遣いながら食事をする。しかし、欧米の食卓は、座席の位置は決まっているかもしれないが、同型・同色のナイフ、フォーク、盛り皿です。食事をする人の食器は同じなのです。毎日の生活の中で、顔を見合わせ、会話を交わす中で、自然と培われるのが日本の食事生活であり、これも食育であると理解している」。