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コロナ下で“インプラント推奨”に疑問
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駆け込み歯科医院長:「コロナ下で“インプラント推奨”に疑問」取材記事の裏事情

 

日刊ゲンダイ(130)で、現在の歯科についての取材記事が掲載された。“歯の駆け込み寺”と称されている歯科医院長の斉藤一人氏(渋谷区開業)を訪ねて、ジャーナリストの田中幾太郎氏がまとめている。記事内容は業界としては想像に難くない内容であるが、情報提供側の裏事情にもオクネットとして最後に言及しておく。まずが、記事概要を以下に紹介。

まずは、現状の歯科医院としての状況を説明している。「昨年の厚労省による“歯科の不要不急で治療は控えるように”との通達が影響して患者が受診を控えで患者数は激減した」と歯科医師(50)の弁を紹介した記事。さらに、医院経営への影響に絡み「新型コロナウイルス感染症拡大した昨年は昨年で大変であった。補助金が支給されたが、金額が違い元には戻らない。さらに昨年末から、オミクロン株が発症し、追い打ちをかけられた。開業の危機に瀕している」と経営面での苦情を紹介。

こうした事情の一因として捉えられている帝国データバンクの調査報告を踏まえて「2020年の歯科診療所の倒産件数は11件、21年は10件。例年とほとんど変わらなかった。また、厚労省の医療施設動態調査によると、まだコロナの影響が出ていない20201月末の歯科診療所総数は68327院。202110月末は68028院で、わずか0.4%の減少にすぎない。歯科診療所の数を評する際によく使われる“コンビニより多い”という状態は現在も継続中。なお、コンビニ総数は55950軒(202112月、日本フランチャイズチェーン協会調べ)となっている」と説明している。

臨床家の立場から、現在の歯科を取り巻く環境を踏まえて斉藤氏が現状認識をコメントをしている。「1週間に23人の患者しか来ない歯科医院も事実。必要もないのに、インプラントを勧める歯科医師が少なくない。厚労省の発表する歯科診療所数は必ずしも、実態を反映していないのではないか。私の知り合いの歯科医院も閉院の届け出まではしていないまでも、1週間の患者数が23人しかいないところがある。二極化が進んでいるのです。もっとも、うまくいっているところも、以前よりはだいぶ患者数が減っているのが現実です」と指摘している。

こうした状況が背景になっているとして、改めて斎藤氏が次のように懸念していた。「停滞しているのが現実。患者が少なくなっている分を取り返そうと、高額の治療に誘導する歯科医師が増えていることで、必要もないのに、インプラントを勧める歯科医師が少なくない。特にコロナ禍になって、その傾向が強まっているのです」。もちろんインプラントを全面否定しているわけではないが、まだ十分に使える歯を抜いてまで行う治療ではないとしている。ただ、残念なのが安易にインプラントをやりたがるのは、歯科医師にとって“手っ取り早く稼げる方法”だからだという。保険外治療のインプラントの相場は135万~40万円。もっと高いケースもある。何本も治療しているうちに、高級車が購入できる費用がかかることも珍しくない。

さらに斉藤氏は、「インプラントだけではありません。虫歯や歯周病治療などでも、保険で対応できる段階なのに、高額の素材を勧めて保険外治療に誘導していく。数回の治療で済むのに、半年以上も通院させる。1人当たりの治療費をいかに上げるかに腐心しているのです。コロナのせいで貧すれば鈍するといった様相があちこちの歯科医院で起こっているのは嘆かわしい限り」としていた。最後には、「窮状はわかるが、患者を食い物にして乗り切ろうとするような考え方では、歯科業界の未来は暗い」という記事でまとめられている。

医院経営の不安を抱える声に対応するコンサルタント会社を含めた企業からの営業は頻繁になっているという。保険点数、算定要件等を含めた保険診療の在り方が、問われている基本的な問題も看過できない。現状問題への問題指摘と同時位に、法律、制度、通知解釈、歯科医師養成などを問うことは、喫緊の課題であると理解すべきだ。