2022/01/25

診療報酬改定の評価：“評価対象”の未収載項目から歯科の方向性が示唆

1月18日に「令和3年度第2下位診療報酬調査専組織・医療技術評価分科会」が開催され、“評価対象”とされる項目が公表された。そこからは、4月からの改定診療報酬改定での保険収載される可能性が想定できるものである。その中から収載(既)・未載(新)の具体的な改定項目は、一部には疑問もある項目もあるが、評価対象となった未収載項目を記しておく。顎節症検査（顎関節・咀嚼筋検査＝日本顎関節学会）、歯槽骨密度評価(日本口腔インプラント学会)、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置の歯科タイトレーション法(日本口腔外科学会)、咀嚼・食塊形成機能検査(日本口腔リハビリテーション学会)、切削時感染予防処置加算(日本歯科医療管理学会)、前歯部CAD/CAM冠のコーティング(日本歯科審美学会)、顎骨脆弱度評価(日本放射線歯科学会)、骨塩定量測定(日本放射線歯科学会)、歯科部分パノラマ断層撮影(日本放射線歯科学会)、CAD/CAMインレー修復に対する光学印象法(日本歯科保存学会)、CAD/CAMインレー修復(日本歯科保存学会)、口腔バイオフィルム検査(日本歯周病学会)、顎堤吸収が高度に進行した下顎骨総義歯デンチャーリベース検査(日本補綴歯科学会)、金属アレルギー患者へのジルコニアによる前歯部CAD/CAMブリッジ(日本補綴歯科学会)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)による大臼歯歯冠修復物(日本補綴歯科学会)、異常紋扼反射患者に対する口腔内装置製作のために光学印象法(日本補綴歯科学会)、インフォームドコンセントへの口腔内スキャン検査の応用(日本補綴歯科学会)、口腔不潔度測定(日本老年歯科医学会)、口腔健康管理地域連携クリニカルパス(地域連携歯科診療計画書＝日本老年歯科医学会。以上であるが、将来展望が示唆される項目もある。背景には、中医協の議論を通して改めて歯科の論点がクローズアップされた要約(下記)を踏まえてのことでもあり、今後の歯科診療の方向性・姿勢が示唆されている。厚労省の基本政策である“地域包括ケアシステムの推進”を医科・歯科の診療機関に求めている。当然ながらそれにはＩＣТの活用が促されてくる。既存・新規を含めて算定要件、施設基準の緩和、検査評価など期待を含めて誘導している。それには“かかりつけ歯科医・歯科医機能”の充実・強化が大前提である。