これまでの削る虫歯治療から、まったく削らないで自然治癒を促す虫歯治療と予防|葛飾区お花茶屋の歯科・インプラント|コージ歯科

これまでの削る虫歯治療から、まったく削らないで自然治癒を促す虫歯治療と予防
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とても衝撃的な本を読みました。虫歯や歯周病に関するこれまでの常識を完全に覆す内容です。

著者は歯科医の小峰一雄(こみね・かずお)氏。これまでの削る虫歯治療から、まったく削らないで自然治癒を促す虫歯治療と予防へと踏み出し、実績をあげて来られました。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

「そこから虫歯ができる人とできない人の違いについて研究を重ね、虫歯ができる原因と予防法について、私なりの結論を導き出し、オリジナルの予防法を確立しました。そしてついに、歯を削らずに治療できる方法を見つけたのです。
 この方法は、すでに多くの患者さんが体験され、多くの喜びの声をいただいています。虫歯を壊さず、痛みも与えない治療法です。この治療法は、歯科界を大きく変え、これからの歯科治療のスタンダードになる!」(p.11)

「さらに長年の研究の結果、歯の健康と体の健康がいかに密接に関わっているか、つまり虫歯や歯周病は体の病気、あるいは未病の表れであるということも分かってきました。」(p.11)

このように「はじめに」において、小峰氏が行っている治療法が、いかに効果があるかを語っています。


「人間には、壊れた細胞を自分の力で治す「自然治癒力」が備わっています。皮膚にできた傷がいつか自然に治るように、虫歯は放っておけば自然に治るのです。」(p.14)

これは衝撃的でした。傷や病気は自然治癒力で治るとしても、虫歯だけは治らないと思い込んでいたからです。しかし考えてみれば、虫歯も含めてすべて自然治癒力で治ると考えるのが、自然な考え方のように思います。


「実は海外では、20歳以下の子どもの歯は削ってはならないというのが常識になっています。なぜなら成長期の子どもの永久歯を削ってしまうと、30歳までに抜歯することになる確率が大変高いということが、統計的にも明らかになっているからです。」(p.24)

これも目からウロコでした。そんなことは全く知らず、虫歯になったら歯医者へ行って、削ってもらうものだと思っていましたから。


「なぜ予防に力を入れたり、できるだけ温存するなどの方法をとったりしないのでしょう。理由の1つに、歯医者自身の知識不足があるかもしれません。しかし実際のところ、現在の医療保険制度では歯を削らないと診療報酬がもらえないため、削らざるを得ないのです。」(p.26)

「そもそも現状の保険診療には、問題点がたくさんあります。最大の欠点は、診療内容が制約されるということ。たとえば、歯周病の急性炎症で来院された患者さんが、歯茎の処置のついでに歯石を取ってほしいと要望してきても、制約上できないのです。
 もちろん歯医者側も、1度にたくさんの治療を行うと、保険点数の平均点が上がって厚生労働省に目をつけられてしまうため、できるだけ1回の治療は少なくし、通院回数を増やしてもらうようになります。この制度は私から見れば「保険診療は安い」と印象づけようという魂胆が見え隠れしているように思えてならないのですが(笑)。」(p.26 – 27)

保険診療の問題は、私もいろいろ聞いたことがあります。たしかに、こういう問題点はあると思います。実際、タイなら2回で終わる歯根治療が、日本ならその倍くらいかかってしまいますからね。タイは1回1時間近く治療しますが、日本では30分以下ですから。

「予防歯科に対する考えは、日本よりもヨーロッパ諸国のほうがはるかに進んでいます。基本的にこれらの地域では、患者さんの虫歯を予防できれば報酬が得られ、虫歯ができて削らなければならなくなると報酬が減らされてしまうという保険システムを導入しているため、歯科医は治療よりも予防に真剣に取り組んでいます。」(p.68)

どういうシステムかはわかりませんが、こういうシステムがあればいいと思います。少なくともヨーロッパでできているなら、日本でできないはずはないと思います。


小峰氏は、外に歯の傷がないにも関わらず、内部が虫歯になるケースがよくあることに注目します。そして、スタインマン博士が発見した「象牙質の液体移送システム」が鍵になると気づきました。

「象牙質の液体移送システム」とは、「体を流れている物質はやがて歯の神経を通り、歯の表面に出てくる」という現象を言います。そしてこのことは、逆流することもあり得ることを示しています。つまり、口腔内の雑菌が歯の中に浸透し、神経を通じて体内に流れ込む。このことが、虫歯と体の病気とを関連付けるものだと小峰氏は考えるのです。

「スタイマン博士は、この体内の液体が歯を抜けて口の中に流れ出る「象牙質液体移送システム」が逆流したり、停滞する原因として、次の5つを挙げています。

(1)砂糖
(2)ストレス
(3)運動不足
(4)微小栄養素不足
(5)薬物」(p.51)

これらが原因となって「象牙質液体移送システム」の逆流を引き起こす。逆に言えば、これらを抑えれば、逆流を防ぐことができて、体の健康を保てることになります。それにしても、こんなこともまったく知りませんでしたよ。


「ちなみに歯磨きをすればするほど虫歯が予防できるかについては、WHO(世界保健機構)が2003年、「明確な相関関係を示す根拠はない」、つまりはっきり関係があるとは言い切れないと発表しています。そればかりか、頻繁に歯を磨くと虫歯ができる確率を高める場合もあります。」(p.57)

「実は食事をして歯に付いた酸性の食べ物は、歯の表面にあるエナメル質をやわらかくする性質があります。しかし唾液には口の中を中和し、エナメル質を再び修復する再石灰化の作用があるため、30分も経てば元の状態に戻ります。
 ところが食後すぐに歯を磨いてしまうと、まだやわらかいエナメル質が削り取られるばかりか、再石灰化も途中で妨げられることになります。」(p.58)

これもまた、目からウロコの情報でした。小峰氏は、食後30分以上経ってから歯磨きするよう勧めています。

実は私は、ある時から、就寝前の1回しか歯を磨かなくなりました。けれども、虫歯はまったくできません。もちろん、それだけが原因ではないと思いますが、小峰氏が言われることに納得してしまいます。


「つまり虫歯を予防するためには、食事内容や生活を見直す必要があるのです。中でも砂糖を摂らないことは、非常に重要で、砂糖をやめれば、虫歯の約9割は予防することができると考えています。」(p.60)

ここでも砂糖が問題だということですね。私はすでに20年くらい、砂糖を摂らないようにしています。調理に砂糖を使わないし、清涼飲料水や甘い缶コーヒーは飲みません。

それでも、買って食べるものや外食の料理には、砂糖が使われているものも多いでしょう。完全に食べないことは難しいですが、意識して制限することはできます。そしてこれによって健康が保てていると、私も思っています。

「小峰式予防歯科プログラムの大きな柱となるのは、一切砂糖を摂らない「シュガー・カット」、そして砂糖を摂る量を制限する「シュガー・コントロール」です。具体的なプログラムは、患者さんの状態に合わせて作成していますが、基本は患者さんの食生活をお聞きし、気づかないうちに口にしている砂糖を見つけ出してやめていただくこと。さらに細かく言うと、虫歯の患者さんには炭水化物を控えていただくことで、症状を改善に導いています。」(p.63)

私はもう数年前から、炭水化物をなるべく食べないようにしています。そのことも虫歯ができないことに貢献しているのではないかと思いました。


「「小峰式予防歯科プログラム」は長い目でみれば虫歯・歯周病予防や虫歯の炎症、さらには体の健康に大変有効ですが、すでにできてしまった虫歯を治すには長い時間がかかります。そんなとき、ついに歯を削らずに、虫歯を治せる治療法に出会うことができました。それが、今からご紹介する「ドックベスト療法」です。

 ドックベスト療法とは、アメリカで開発されたもので、ドックベストセメントという薬を使います。成分には、殺菌作用のある銅2%と鉄1%、そして複数のミネラルが含まれており、虫歯の穴に詰めることで、虫歯菌を死滅させ、歯の再石灰化を促してくれるのです。治療時間はわずか10分、フタで密閉して新たな菌の侵入を防げれば、徐々に痛みも消え、気づかないうちに虫歯も治っているという、まさに夢のような虫歯治療法です。」(p.73)

これも驚きました。すでにこんな治療法がわかっていたのですね。それならどうして、こんな良い治療法が広まらないのでしょう?

「ドッグベストについて書かれた多くの海外の文献を翻訳する中で、とんでもない論文を見つけてしまったのです。そこには「虫歯が自然に治ったりしたら、患者以外は誰も利益が得られなくなるため、これらの事実は葬り去られた」と書かれていました。つまり、虫歯が自然に治るということが人々に知られると、歯医者をはじめ、歯科に関する企業は存在する意味がなくなっってしまいます。そこで、この事実は伏せておくことになった、ということです。」(p.89)

さもありなん、という気がします。残念なことですが、こういうインセンティブは働くのかもしれません。


「しかし確かにリューマチの患者さんの歯の根っこの治療が完了すると、リューマチの症状が改善される例を何度も確認しています。逆にリューマチは、過去に歯の根っこの治療を行っていて、現在状態が悪く再治療が必要な人に多く見られることから、リューマチと虫歯・歯周病は非常に密接な関係があると考えられます。」(p.100)

これを歯性病巣感染と言うのだそうです。歯の根っこなどに病巣があって、そこから菌が全身に運ばれて、別の病気を引き起こすというものです。こういうことから、歯の状態と体の健康が密接に関係してくると、小峰氏は主張されるのです。


がん患者と歯周病患者には、共通する特徴があるそうです。「糖質を好む」「低体温である」「交感神経が常に優位にある」「呼吸が浅い」「酸性体質である」という5つの特徴です。

その中の酸性体質について、唾液のpH(ペーハー)を測定することで、虫歯になりやすいかどうかがわかると言います。たしかに、唾液が常時酸性なら、歯を溶かしやすいでしょうからね。

「唾液をアルカリ性に戻すと、かなりの確率で身体的症状が改善できるほか、虫歯の自然治癒も確認されています。また唾液のpHを測定することで隠れた体調不良を見つけ出すことができるため、この唾液検査が持つ可能性について、大きな期待を感じています。」(p.120)

体質を酸性からアルカリ性に変えるには、やはり食べ物が重要なようです。肉類や穀類、砂糖などを避けて、野菜やキノコ、海藻、果物といった食事を増やすことだそうです。

その他の特徴への対処では、体温を上げること、副交感神経を優位にすることなどについて、以下のように言っています。

「特に免疫力を高めるため、体温を上げることは重要で、私のクリニックでも食事療法に加え、体温を36.5℃まで上げるための体温上昇プログラムを行っています。体温を上げる一番簡単な方法は、半身浴を行うこと。さらに冷たい飲み物を控えて真夏でも温かい飲み物を飲んだり、日常的に運動することも効果的です。
 また副交感神経を優位にするには、深呼吸をおすすめします。」(p.120)


「つまり歯周病はメタボリック・シンドロームが口の中に表れたものと言っていいでしょう。または、これから病気になる一歩手前の未病の状態とも言えます。歯周病は、初期であれば歯石を取ったり、ブラッシングをすることで治せる場合もあります。しかし重症化した歯周病は、口の中だけでは解決できないことも多く、完全に治すのは難しいと言われています。」(p.130)

肥大した脂肪細胞からサイトカインというホルモンが作られ、これが炎症を引き起こすのだそうです。ですから歯周病は、単にブラッシングの問題とか、口腔内細菌だけが原因ではないのです。


「よく「歯茎が腫れて噛めないから」とムリしてお粥ややわらかい麺類を食べる人がいますが、これは逆効果です。痛みがあるときは、むしろ食べないほうが歯に歯垢が付きにくく、細菌も増えないので早く治ります。どうしてもお腹が空いて我慢できない場合は、野菜ジュース(ただし生ジュース)を飲むといいでしょう。」(p.131)

体調が悪ければ食べない。それが動物の常識ですからね。どうしてもというなら野菜ジュース。これも癌の対処方法と同じですね。


「砂糖や糖質はなぜ、ここまで体に悪いのでしょう。その答えの1つとなるのが「糖反射」です。東京大学の研究によると、人間は砂糖を摂ると胃と十二指腸の働きが一時的にストップしてしまうことが分かりました。」(p.139)

こういうこともまったく知りませんでした。ものを食べたのに胃や腸が働かなければ消化不良になるし、体への負担も大きくなるでしょうね。

「また砂糖が悪影響を及ぼすのは、胃腸だけではありません。砂糖を摂ると、脳ではドーパミンという神経伝達物質が大量に分泌され、快感や多幸感が得られることが分かりました。疲れたときに甘いものを食べると、一瞬疲れが取れるように感じるのは、このためだと考えられます。
 このドーパミンは増えすぎると感情の起伏が激しくなり、「怒り」「憎しみ」「恐怖感」というマイナスの感情が次々に沸き上がってきます。その一方で「優しさ」や「思いやり」が減ってしまうので、どんどん自分勝手になっていきます。またドーパミンの過剰な分泌は、精神病の1つである統合性失調症を引き起こすという見解もあり、イギリスのジョン・ワトキンス博士は「この世から白砂糖をなくしたら精神病はすべてなくなる」と断言しているほどです。」(p.140)

白砂糖は麻薬だという話は、前に紹介した「白米中毒」の中でもありました。中毒性があるため、最初は快感だけだったものが、徐々に依存するようになるのです。そうやって摂取量が増えるのです。


小峰氏は、歯の原料でもあるカルシウムについても、摂り過ぎは禁物だと警鐘を鳴らします。

「ただし人間に必要なカルシウム量は通常10~10.7mg/dlと決まっており、これより多すぎても少なすぎても、歯に悪い影響をもたらします。具体的には、12mg/dl以上と多量の場合は歯周病に、8.8mg/dl以下と少量の場合は虫歯になるリスクが高まることが分かっています。」(p.152)

カルシウムの摂取が不足しているから、もっと多量に摂った方が良いと思っていただけに、これもまた目からウロコでした。でも、どうしてカルシウムを摂りすぎると良くないのでしょう?

「細胞内のカルシウムが増えすぎると、今度は細胞内の濃度のバランスをとるため、水分も取り込み始めます。すると細胞はどんどん膨れ上がり、あるときパチンと弾けてしまうのです。するとカルシウム同士が結び付き、結晶化した状態で体中のさまざまな臓器に蓄積します。そのカルシウムが蓄積した場所によって、腎臓や胆のうにたまれば腎臓結石や胆石に、脳にたまればアルツハイマーに、筋肉にたまれば肩こりや腰痛の原因になるのです。」(p.154)

血液中のカルシウム濃度は一定に保たれるため、摂りすぎると細胞に取り込まれるのですね。それにしても、結石やアルツハイマーなどの原因がカルシウもの摂りすぎとは、驚きました。

「さらに結晶化したカルシウムは血液中に流れ出し、ドロドロとした状態で血管の壁にこびり付いて血管を狭くします。これを「粥状(じょくじょう)アテローム」と呼んでいます。「血管の壁にこびり付いているあれって、コレステロールが固まったものではないの?」と思われた方も多いと思いますが、実は違います。あのドロドロの正体は、95%がカルシウムで、コレステロールはわずか5%に過ぎません。」(p.154)

これまた目からウロコの情報でした。動脈硬化や高血圧の原因と思われたコレステロールは、実は無関係だと言うのですから。そして本当の原因がカルシウムだとすると、もっとカルシウムを摂取すべきという常識が、いかに逆効果だったかと驚く他ありませんね。


「細胞内にたまったカルシウムを押し出すには、ある栄養素が必要となります。それはマグネシウムです。」(p.157)

つまりマグネシウムを摂取すれば、細胞内のカルシウムを押し出して体内を巡るようにすることが可能になるのだそうです。カルシウムだけでなく、マグネシウムを摂取することが重要なのです。では、そのマグネシウムは、どうすれば摂取できるのでしょう?

「マグネシウムは海藻類に多く含まれていますので、私たち日本人は日常の食事の中で、簡単に摂ることができます。」(p.157)

あるいは岩塩など天然塩にもマグネシウムが含まれているものがあるので、活用するとよいとのことです。


「そういうわけで、骨粗しょう症で悩んでいる人は、今日から薬やカルシウムを摂るのをやめ、ぜひマグネシウムを摂るようにしてください。」(p.158)

「結論として、虫歯予防のために必要なのは、シュガー・コントロールとカルシウム、そして歯周病予防には糖質制限と適度なカルシウム(摂りすぎないこと)、とマグネシウムが有効であると考えています。」(p.159)

虫歯や歯周病という口腔内の病気ですが、このように食べ物を管理することが重要なようです。そういえば100%当たるという占い師の水野南北氏も、食べ物によってその人の運命が決まるということを言っていましたね。ひすいこたろうさん「ものの見方検定」という本にありました。


この本の帯には、「今までの歯科常識を打ち破る1冊!!」と書かれています。また本のサブタイトルは、「虫歯も歯周病も「自然治癒力」で治す方法」とあります。まさに、目からウロコの情報で驚きました。

しかし読んでみれば、きっとそうなのだろうなと納得できる内容でした。なぜなら、この小峰氏の考え方の方が、より自然なように感じるからです。

そして、これはひょっとすると歯科治療にレイキが貢献できるのではないかとも思いました。レイキは、虫歯による痛みを一時的に消すことができるからです。痛みがなければ放置できます。正しい食事と歯磨きをしつつ、レイキで痛みを消して放置する。それにレイキは、自然治癒力を活性化しますから、なおさら治りが早くなると思います。

この本は、歯科医やお母さん方、その他多くの方々に読んでいただきたいと思いました。目からウロコが落ちっぱなしの1冊です。