2021/07/09
顎間節症の治療
概要
何らかの原因で耳の穴の前にある顎関節や下あごを動かす筋肉(咀嚼筋)に負担がかかってしまうと、食べ物を噛むと顎関節や咀嚼筋に痛みを感じる、口の開け閉めをするときに顎関節からカクカク・ゴリゴリと音がする、口が大きく開かなくなる、などの症状が起こります。
これらの症状があるにも関わらず、似たような症状がでる他の病気(関節リウマチや外傷性の顎関節炎など)がないと判断された場合を、顎関節症といいます。
原因
顎関節症の発症メカニズムについてはまだ不明な点が多く、さまざまな要因が組み合わさることによって症状が起こると考えられています。
発症の要因には、
- 不良なかみ合わせの状態
- 精神的なストレス(緊張や不安、気分の落ち込みの持続)
- 頬杖などの日常生活での癖
- 歯ぎしりや食いしばり
- 歯列接触癖のような口腔習癖
- などがあり、これらが組み合わさった結果、各個人の適応能力を超えてしまうと顎関節症の症状が現れます。
症状
顎関節症は病気の状態によって4つに分類されています。
咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)
口を開け閉めや食べ物を噛むときに下あごを動かす筋肉(咀嚼筋)に障害が起こっている状態です。
顎関節痛障害(Ⅱ型)
顎関節を包んでいる組織や靭帯に障害が起こっている状態です。
顎関節円板障害(Ⅲ型)
顎関節の中にある関節円板というクッションが正常な位置からずれてしまっている状態です。
変形性顎関節症(Ⅳ型)
顎関節を構成している骨が変形してしまっている状態です。
これらの障害により起こる顎関節症の代表的な症状は以下の3つになります。
- 口の開け閉めや食べ物を食べるときの顎関節あるいは咀嚼筋の痛み
- あごを動かすときに顎関節から音がする 顎関節症の診断のためには、まず顎関節症と同様の症状が起こる病気との鑑別診断が必要です。症状がいつからどのように始まったのか、症状がどう変化したかなどの経過を確認し、顎関節や咀嚼筋、口腔内の診査を行います。治療顎関節症の病態にあわせて治療法を選択しますが、一般的にはスプリント(マウスピースのように上もしくは下の歯列に被せるプラスチックの装置)を用いて、噛みしめたときの顎関節や咀嚼筋への負担を軽減させる治療を行います。上記のような可逆的な方法では改善が認められなかった場合には、外科的な治療が選択されるケースもあります。
- また、精神的なストレスに対するサポートとしてのカウンセリングや規則的な鎮痛剤の服用などの薬物療法が有効なこともあります。さらに、開口訓練やレーザー照射、マッサージなどの理学療法、歯ぎしりや食いしばり、姿勢など日常的な癖を修正する行動療法によって症状が改善する場合もあります。
- 顎関節症の原因がはっきりしていないため、治療方法を選択するときには、できるだけ不可逆的な方法(歯を削ってかみ合わせを調整する、被せ物をするなど元に戻すことができない方法)を避け、可逆的な方法を選択していきます。
- 他の病気との鑑別診断や顎関節症の病態を分類するために行われる代表的な画像検査には、上下顎骨の広い範囲を観察できるパノラマエックス線撮影法や、軟組織の観察に優れたMRI検査があります。最初にパノラマエックス線撮影を行い、顎関節周囲の骨に変形などの異常がないかどうかを判断し、さらにMRI検査を行い、関節円板の位置や変形の状態を精査することが可能になります。
- 口が大きく開かなくなる、開きづらくなる。
検査・診断
顎関節症の診断のためには、まず顎関節症と同様の症状が起こる病気との鑑別診断が必要です。症状がいつからどのように始まったのか、症状がどう変化したかなどの経過を確認し、顎関節や咀嚼筋、口腔内の診査を行います。
他の病気との鑑別診断や顎関節症の病態を分類するために行われる代表的な画像検査には、上下顎骨の広い範囲を観察できるパノラマエックス線撮影法や、軟組織の観察に優れたMRI検査があります。最初にパノラマエックス線撮影を行い、顎関節周囲の骨に変形などの異常がないかどうかを判断し、さらにMRI検査を行い、関節円板の位置や変形の状態を精査することが可能になります。
治療
顎関節症の原因がはっきりしていないため、治療方法を選択するときには、できるだけ不可逆的な方法(歯を削ってかみ合わせを調整する、被せ物をするなど元に戻すことができない方法)を避け、可逆的な方法を選択していきます。
顎関節症の病態にあわせて治療法を選択しますが、一般的にはスプリント(マウスピースのように上もしくは下の歯列に被せるプラスチックの装置)を用いて、噛みしめたときの顎関節や咀嚼筋への負担を軽減させる治療を行います。
また、精神的なストレスに対するサポートとしてのカウンセリングや規則的な鎮痛剤の服用などの薬物療法が有効なこともあります。さらに、開口訓練やレーザー照射、マッサージなどの理学療法、歯ぎしりや食いしばり、姿勢など日常的な癖を修正する行動療法によって症状が改善する場合もあります。
上記のような可逆的な方法では改善が認められなかった場合には、外科的な治療が選択されるケースもあります。
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