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唾液に汚染された蛇口”はミスリード:口腔衛生学会は「事実を見極める目が大切」

 

昨年1214日、読売新聞にて報道された、「都営大江戸線の運転手ら39人が新型コロナウイルスに集団感染」とする内容が一目置かれた。見出しに洗面所の蛇口が感染源かとあったことからさらに衝撃が走った。記事内容では、“歯磨きの際に唾液に汚染された蛇口”とも記されていた。読売新聞の一報からNHKラジオ、共同通信、東洋経済オンライン(現在は消去)など大手マスコミが続いて報道したが、要旨はいずれも「歯磨き時の唾液が蛇口につき、感染が広がった可能性が高いと保健所が指摘した。都交通局が手回し式の蛇口をセンサー式に置き換えるよう検討する」というものであった。

関係者はその対応などに困惑感もあったようだ。一時的にせよ読者・視聴者には、先入観・不安を与えたのは事実であった。しかし、その後、この報道に疑問を抱いたBuzzFeed News(122日)が、保健所等の関係者の取材を含めて、その科学的根拠からして、誤解を与える記事のミスリードとする記事を配信した。Web上では事実確認する記事が、三田地真央・星槎大学大学院教授(言語聴覚士)からも私見ではあるがあった。まず根拠の薄い報道に違和感として指摘した上で、「結論に至った過程が不明、どのようなエビデンスに基づくのか。また、蛇口についてのセンサー式に変換にすることの問題点を指摘。いずれにせよ記事はミスリードとされる」との指摘もあった。オクネットとしてその経緯と内容を確認した。以下のように要約した。自動水洗に交換しましたトイレも

事実経緯の中で、やはり、歯磨きの際に唾液に汚染された蛇口”の文言があることから、歯科関係者は敏感に反応。報道内容を黙認・放置できないとして、日本口腔衛生学会理事長の山下喜久氏も東京都交通局に確認した上で、1月15日、会員向けに以下のメッセージを配信したという。「保健所は単に聞き取り調査を行っただけで、感染源についての具体的検査等は何も行っていないことがわかりました。あたかも、“歯磨きの際の唾液が付着した手で蛇を触れたこと”が可能性であったと断定されたかのような記事が飛び交っています。記事をよく読めば可能性と書いているので、間違った記述ではありませんが、他の可能性に言及していない点に問題がありそうです。また、この手の記事では、見出しに惑わされることが多いようです。マスコミ報道に振り回されず、事実を見極める目が大切です」。

以上が要旨であるが、これに対して「口腔衛生学会員ではないが、一応、学会としての見解は良かったのではないか。整理して言うべき内容だと思うので」(都歯会員)、「歯科医師なら記事を読むと多少疑問をもつが、一般市民では、直ぐに信じてしまうかもしれない。それをネットに書き込み友人に知らせるという行為に走るかも」(千葉市開業医)、「コロナ渦ということで、口腔に関係する記事が多くなったが、誤解を与える内容には、注意を指摘しておく必がある。健康・医療分野は特にそうかもしれない」(元日歯役員)などの意見も電話だが聞くことができた。

 今回のミスリード報道には、新たな課題を示すことにもなった。確かに“歯磨きの際に唾液に汚染された蛇口”が契機でありマスコミ報道の在り方が問われ、情報発信には、改めて慎重、正確、適切性が問われることになった。オクネットとして自戒させられたニュース案件でもあった。ことの是非はともかく一般市民が“ネットオタク化”しており、情報通になっている。マスコミ各社もそのニュースの速報性をアピールするが、SNS社会・スマホ社会の利便性・効率性の裏返しにある“一過性・未確認速報”という課題が付随していることも理解しておく必要がありそうだ。

BuzzFeed Japann(バズフィード ジャパン】オンラインメディアBuzzFeedの日本版、運営する会社(2015年設立)。ニュース配信、鋭いニュース分析では定評。